夢のあと

釣りには夢があります。夢を釣っていると言っても過言ではありません。よって、ここに掲載する総ては僕の夢のあとです。

夢は永遠

2013年12月27日 09時02分18秒 | ヒラメ釣り
たとえばどんなに大きな魚でもそれに見合う太いワイヤーを使っていれば捕れないことはありません。でも、細い糸で釣るには限界があります。その限界をいかに高めるか?が釣り師の技量のひとつであり、努力の賜物でもあるのです。
 2001年に当会会員のT氏が7kg近いヒラメを6lb(現在で言えば1号くらい)の糸で釣りました。当然このカテゴリーの日本記録として認定され、10年以上の月日が過ぎてもこの記録は破られていません。その最高水準とも言える芸術的ファイトを目の当たりにして、いつかは僕もそのようなファイトが出来るようになることを夢見ていました。
 そして先日やっとその夢が叶いました。4lb(0.8号くらい)で8.5kg。スピードがあって狡猾な(糸を切る術を知っているかのような)魚でしたので、タモに収まったときの達成感は言葉には表せないものがありました。
 4lbの現在のヒラメの公認記録は4.15kgです。申請して認定されれば日本記録になるのですが、こうやって極端に記録を上げてしまうと、今この記録を狙っている人たちの挑戦する気持ちを殺いでしまう反面も否定できません。でも、私的に今後こういうことはなかなかないことだとも思えるのも事実。・・・申請するかどうか迷っています。どうせ釣りなんて自己満足の世界ですから認定されようとされまいと自分の中で4lbでこの魚が捕れたということだけで充分すぎるからです。
 ちなみに現在公認されているヒラメの最大は(オールタックル)島根県隠岐ノ島で釣れた14.50kgです。この魚の倍近い大きさですから、それからすればこのヒラメもまだまだ赤ちゃん。倍近い重さですからね!そう考えたらまだまだです。

 先日のてんからサケのところでも書きましたが、目標はひとつ達成するごとに夢がひとつ減ってしまいます。ですから目標達成は大きな喜びの中にほんの少しの寂しさも併せ持っています。しかし、目標は達成するごとにまた新しい夢が生まれて来ることも事実。釣りはやめられません。

後世に

2013年12月18日 09時54分33秒 | タナゴ釣り
ここのところ子供との釣り楽しんでいる管理人です。
子供はこれからの世代を担う僕らの宝物です。釣りをしていると悲しい釣り師を目にすることがあります。ですから、これからの時代を担う子供たちに『釣り』という娯楽の精神を伝えて行く事も僕らに課せられた使命であると思えてならないのです。

 日本人は諸外国に比べて魚を食べることが多い国民です。僕自身も沢山の魚を食べて来ましたし、皆様も同じなのではないかと思います。ですから日本人は魚を捕ると、それは食材としての認識が外人に比べて強いのだと思われます。加えて敗戦後の食料難を経験したような年の人は『もったいない』の精神が強いようです。
 釣りをしていると“えっ?そんなの持って行くの?”とか“そんなに持って帰ってどうするの?”って思ってしまう事が多々あります。そういう人を見るとえげつなさを感じてしまうのですが、上記のようなお国柄ですからこれもまた仕方ないのかもしれません。このように日本人独特な過去を背負った上、貧しい環境下に育っていたりすると、たとえ釣れた魚が毒をもっていなければ食材としか見えない人になってしまっているのです。決してそれが悪いことだとは思わないのですが、不恰好であり、少なくともスマートには見えません。そういう時代は終わったと思います。戦後の食糧難の時代ならまだしも、これだけモノに溢れた現代では魚が食べたければ築地へ行った方がどれだけ楽で安上がりか。自分で獲って来た方が新鮮だから・・・なんていう人はかなり魚の味を知らない人です。我々のような素人が釣って持ち帰った魚より、プロが釣って鮮度を保つ方法で〆られ、梱包されて運ばれた方が鮮度がいいに決まっているではありませんか。しかも、買うだけだからボーズもないです。
 また、魚釣りがフィッシングと名を換えてスポーツに分類したりする人がいますが、釣りはスポーツとは到底思えません。ただの趣味です。敢えて言えば娯楽とかそういう範疇だと思っております。要は“楽しみ”です。ですから純粋な釣りは魚との勝負を楽しむことであり、食べる事は含まれません。要はゲームフィッシングってやつです。獲ることを目的としない、つまりは純粋に釣る事だけを楽しむ世界です。要は魚に遊んでもらうのが釣りです。で、釣れたらまた釣れるようにキャッチ&リリース(以下『C&R』)が前提となります。C&Rは賛否両論あると思いますが、究極の世界では多分否定されるべき行為と思っております。しかしながら必要以上の魚を持ち帰るよりはスマートです。C&Rなんていうと外国カブレだという人も居ますが、そんな人は認識に乏しい人だと思います。何せわが国でも江戸時代という昔から『タナゴ釣り』という江戸の文化の一つに数えられるほどの立派なC&Rの釣りがあるのですから。
 で今回はその世界最古のゲームフィッシングであろうタナゴ釣りをして来ました。今回は二人の女の子を連れて行きました。我が『Fishing Team “釣り天狗”』のメンバーの一人であるたつや氏の娘さんとそのお友達です。先日、たつや氏のお嬢さんがメダカを飼育したくて捕りに来ました。その際に釣れたタナゴも2匹持ち帰って自宅で飼育しているのですが、それを見た彼女のお友達が『私も飼いたい』ってことになったそうです。で、そのお手伝いをしたのですが、タナゴですからそこそこの数は釣れます。しかし釣ったタナゴを総て持ち帰ることはせず、たつや氏から『何匹必要なの?』と聞かれ、結局6匹を持ち帰り、その他はリリースしました。お友達の彼女は生まれて初めて釣りをしました。当然釣った魚は総て持ち帰る経験はありません。よって、現在の彼女の釣りにはC&Rしかないのです。でも、もしかしたらそのうちえげつない釣りをするようになるかもしれません。でも、この時のC&Rの意味、そしてその素晴らしさが理解できたその時には再びC&Rの世界に戻って来てくれることでしょう。

 魚がどんどん減っている現在、その原因の一つに釣り師が挙げられています。僕はそう思っていないのですが、俗に“有識者”と言われる人たちはそう考えているようです。僕は魚にとって良い環境があればどんなに釣ったって、持ち帰ったって、総ての魚を捕らない限り魚は自然にまた元に戻ると考えています。よって、魚を減らしているのは自然環境の悪化であって、釣り師はその原因にはなっていないと思っているのです。ただ、一匹の魚を持ち帰れば確実にその場所から一匹の魚が減っているわけです。これが重なれば魚は減って来るのは当然です。勿論総ての魚を釣る事など無理ですから、放置しておけばまた残った魚たちが子孫を作ってくれるのですが、放置して置くって事は釣りをしないということであって、釣りが大好きな僕にはとても無理な話です。ですからこれからも総ての釣り人が夢と希望が持てるよう、不必要な魚はリリースするのが今の僕の釣りです。
 夢や希望があるから釣りをするのですから・・・。

頑張って!

2013年12月15日 00時34分03秒 | 釣り全般
 先日、川越で開催されたトラウト・フェスタ。石垣先生には申し訳ないのですが午前中のみで失礼し、昼食を取りながら当会のてんからメンバーのTAURANさんと一路コイ釣りのポイントへ。彼は兼ねてから僕のBIGてんからに興味を持ってくれて、今日がその仮デビュー戦です。強風のためにとても難しい状況下でしたがBIGてんからで鯉を掛けて『オモシレー』とか『これはヤバイですよ』とかの連発。BIGてんからならではの面白さを堪能できたようです。
 当日は当会きっての大物釣り師である夏目さんとそのJr.が二人、そして夏目氏のご友人のU氏も来てくれました。大物には目がないご両人ですから渓流のオフシーズンの今、本番の練習も兼ねて遊びに来たわけです。とはいうものの、夏目氏はお子様の世話係でとても釣りどころではありません。U氏が早速初めました。来ていきなり掛けたU氏、最初のヒト伸しを交わしてすぐに夏目氏のJr.に竿を持たせて。。。結論から言うと50cmくらいの相手ですから延べ竿の相手としてはまぁまぁのサイズです。こんな小さな子に出来るかな?と不安でしたが、どうしてどうして・・・流石に夏目さんの子です。少しも動じず必死で歯を食いしばって頑張ってました。この時昔の想い出がフツフツと思い出されてきました。小学校3年生の夏でした。埼玉の行田(ぎょうだ)という所に従兄弟が居て、彼と釣っていたら大きいのが掛かって上げられないで・・・しばらくやり取りしていたらその最中に雷が来てしまって。彼は『お父さんを呼んでくる』って言って行ってしまったし。雷がガンガン鳴る雨の中、なんとか独りで取り込むことに成功したのです。彼の父は当時のこの世界での有名人でしたので、僕がこの鯉を上げたのを見て『たいしたもんだ』と誉めてくれたのが今でも嬉しくて・・・。その時はきっとこんな感じだったんだろうなぁ。。。と
 いずれにしてもこの子、魚との駆け引きが妙に上手い子でした。いつも全開で力を入れているのではなく、しっかりと緩急があって。やはり夏目さんの子、『血は争えない』とか『蛙の子は蛙』ってよく言ったものです。将来が楽しみな子です。
 前にUPした子も、今回の夏目さんの子もとても素敵でした。この子達の夢を叶えるため、我々大人は何をしたら良いのか?を考えさせられた午後でした。

大物釣り師の卵

2013年12月02日 16時51分13秒 | 釣り全般
今日は僕らの会の忘年会。家の仕事もあるので釣りは諦めていました。でも今日の天気はまさに釣り日和。家の仕事をバンバンと片付けて何とか約1時間を作ることができました。
 近所で出来るのはタナゴ釣りか鯉釣りです。時間が短いのでタナゴにしようと思ったのですが、先日サケ釣りで折った竿が直って来たのでそのチェックを兼ねた鯉釣りにすることにしました。1時間で釣れるかどうかは判りませんが、掛かればチェックできるので一石二鳥です。
 基本的にこの竿は餌釣りの竿ですから、今日は久し振りに餌釣りをしてみました。一番ポイントには知り合いが入っていたので、そのずっと下流から釣り遡ってみました。なかなか掛かりませんでした。餌釣りをするのは久し振りなので、何かが噛み合ってないようです。そして時間が迫ってきて駄目かと思った時、目印がガクガクって。アワセたら確かな手応えと共に糸が走ります。この引きはニゴイだとすぐに判りました。で、勝負してたら後ろの土手から『何が掛かったンですか~~~?』って。振り向くと以前お父さんと一緒に来て釣りをしていた子です。名前を知らない子供ですが面識はありました。『ちょっと来てっ!』って手招きして呼んで、あとは彼に竿を渡してやってもらいました。糸は0.5号ですから無理は出来ません。しかし竿も長いので子供にはちょっと辛いかも。とか思ったもののなんのその。まったくもって大丈夫そうです。『竿を倒せ』とか『下流に走れ』とかいろいろと指示が飛びます。そしてその指示に従いながらとうとうタモに納めてしまいました。やはり50cmくらいのニゴイでした。
 特記すべきは竿さばきが天才的だったことです。リールが付いている釣り方ならこの程度の魚であれば誰でも簡単に捕れますが、延べ竿で、しかも0.5号なんて糸だと大人でも難しいです。50㎝程度とはいえ、こんな道具時立てですから無理をしたら一発で切れてしまいます。しかもあちこちに沈み根が点在していますので、そこに入られても切れてしまいます。突然与えられた不慣れな竿でこうしてしっかり捕れたのは、的確な指示に従った事もあるでしょうが、基本的にはその人(子供)が持つ天性だと思います。この子・・・将来的に大物釣りに傾倒したら末恐ろしい子だと思いました。

何はともあれ、楽しんでもらえたようなので良かったです。