約2年半の間、ワンコが高齢で立てなくなって、トイレが自分で出来なくなってしまったのでどこにも行いけなくなってしまったことがありました。当然、それまで週二回ペースで釣りに出かけていた僕は、その日からその介護で釣りに行けなくなってしまいました。するとどんどんストレスが溜まって来て日々がすさみはじめました。これではいけないと思い、とりあえず何でもいいから釣りをしようと考えました。しかし、せいぜい10~20分で行ける距離に居ないと何かがあった時には対処できません。我が家からその程度の範囲内で何が釣れるか?色々と考えた結果、タイリクバラタナゴを選択しました。その理由は、タナゴの在来種を釣っている時にお師匠さんから『タイリクバラタナゴは狙わなくても外道で釣れて来るから』と言われ、実際その通りでタイリクバラタナゴを狙った事がなかったからです。その頃の霞ヶ浦ではドッグやホソで短い竿を使ってタイリクバラタナゴを狙っている人を沢山見ましたが、何が面白いのか?が解りませんでした。でも、あれだけ沢山の人がやっているのだから何かしら面白いのだろう。だったらそれを探すのもこういう機会にはアリかもしれないと思えたからです。そこで二日に一回ペースで通ってタイリクバラタナゴ釣りの真髄を理解しようとしました。しかし、結果から言わせてもらうと2年くらい通っても何も発見できず。それどころか、やればやるほどこの釣りがつまらなくなって行きました。時々タイリクバラタナゴを狙って来る人もいますが、みんな道具自慢ばかり。釣技自慢はほぼ皆無。僕の粗末な道具を貶す人まで現われる始末。釣っても釣っても面白さが理解できません。しかし、だんだんと他のおじー達が道具自慢をする理由は解って来ました。この釣りは道具で釣果がある程度決まってしまう釣りだったのです。釣れて来るタイリクバラタナゴのサイズに合った良く砥がれた鈎、柔軟で細いハリス、鋭敏な糸ウキ、そして浮力を極限まで落とした親ウキを使えばどんなにヘタクソでもそこそこ釣れてしまう釣りなのです。そしてそれらの道具はどんどん進歩して誰でもがお金さえ出しさえすれば簡単に手に入れることが出来る時代になったのです。となると、この釣りは基本的にはお金持ちの勝ちってことです。誰がどんなに頑張っても、運動神経が悪そうなお金持ちのデブじじーにさえ勝てないのです。こんなつまらない事はありません。努力したらそれ相応の進展が欲しいところですが、結局良い道具をそろえている人には敵いません。となると僕の中でこの釣りはどんどん萎んで行き、結局この釣りの楽しさは発見できず、ソウギョ釣りにシフトしていました。
そんな折、会員から誘われて久し振りにタイリクバラタナゴ釣りに行って来ました。午前中は野暮用があり、またそれがのびてしまったので3時頃からの釣りでした。もっともこの釣りは一日中やっていたら飽きちゃいますので丁度いいかもしれません。それでも50くらいは釣れました。そして一つだけこの釣りのいい所を見つけました。それはこの釣りに限っておしゃべりしながら釣っていてもいいことです。みんなでワイワイガヤガヤやりながら釣るのもまた楽しい釣りであることに違いはありません。暗くなるまで釣り続けました。良き仲間と語り合いながらの釣りは至福の時です。釣りとしては楽しくないですが。
【追伸】
この場所ではタイリクバラタナゴしかいないはずだったのに、今日一緒した友達がヤリタナゴを一匹釣りました。昔からここにヤリタナゴは居なかったのを知っているので誰かの放流であることは確実です。在来種がここにいた事は嬉しいことですが、こういう放流は辞めていただきたいものです。