私たちが育てているソバです。撮影は9月25日ですから、かなり前になります。
以下は そこで撮ったソバの花のマクロ写真です。
これからソバの花には2つのタイプがあるという毎度おなじみの話をしたいと思いますが、その前に・・・
ソバの蜜の写真を撮ったので、そちらを先にお話しします。
シベの付け根に黄色く盛り上がっているのが、ソバの蜜です。
残念ながらソバの蜂蜜は養蜂屋さんにはあまり好まれていないようです。独特の匂いがするとか、蜜の色が黒いとか・・・
さて、本題。
ソバの花には2種類あります。
これが ひとつ目のタイプ。
赤い袋が 花粉を入れたおしべの葯です。
おしべの葯を上へ持ち上げている柱を「花糸」と呼んでます。
つづいて、こちらが2番目のタイプ。
ふたつを比べて分かるように、こちら(2番目)は、めしべのほうが上に伸びています(めしべの伸びている柱を「花柱」といいます)【長花柱花】。
それに対して、ひとつ目はおしべのほうが長い(というか雄しべしか見えませんが)です。こういうタイプを花柱の長短で表現し【短花柱花】と呼んでいます、一般には。
でも、「短花柱花」というのはネガティブな感じで分かりにくいので、私たちはウラでこういうタイプを「長花糸花」と呼びたいと思います。
なぜ2タイプあるのか?
訪花昆虫は ハチとアリのように大きさが違います。
ソバの花はその多様性に着目して2つのタイプを作りました(^^)/
まず、大きいほうのハチのばあい。
ハチはこの雄しべが(めしべより)背の高い花【短花柱花】(私たちの表現では<長花糸花>)に止まって蜜を漁ると、ハチの体に花粉が付着します。
そのハチがこんどは 別の株の雌しべが(おしべより)背の高い花【長花柱花】に止まると、ハチの体に付いていた花粉が雌しべに付きます。
つぎは 背の低いアリのばあいです。
アリのばあい おしべのほうが背の低い花【長花柱花】にくると、花粉がつきます。
そのアリが別の株のめしべのほうが背の低い花【短花柱花】<長花糸花>に登って来て蜜を吸うとき、アリに付いていた花粉が雌しべの柱頭に付きます。
ひとつの株には 異なったタイプの花は咲きません。
同じ株には同じタイプの花しか付きません。
同じタイプの花同士では結実しないと言われています。
また虫媒花ですから、実際にも 高さの同じ おしべ ⇒ めしべのほうが授粉しやすいのです。
ハチ 高い雄しべ⇒高い雌しべ
アリ 低い雄しべ⇒低い雌しべ
これを私たちの表現で言えば、
ハチ 長花糸花 ⇒ 長花柱花
アリ 短花糸花 ⇒ 短花柱花
例 <アリが成功するケース>
短花糸花のアリ
↓
短花柱花のアリ
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