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岡崎平野を中心とする 植物 と カメラの対話

樹に咲く花 (7) シキミ

2021-03-25 18:00:00 | みんなの花図鑑

サカキの葉と シキミの葉はよく似ています。




ですが、花は サカキの花が 6月ごろ エゴノキに似た花をひっそりと咲かすのに対し、シキミの花は いま けっこう豪華な花弁を付けて咲くので目立ちます。




シキミは、現在は シキミ科に分類されていますが、昔はモクレン科に含まれていたのです。




多数のおしべがらせん形に配列しているところは似ていますが、モクレン科ではめしべもたくさんあってらせん配列するのに対し、シキミでは、通常8つのめしべがお互いにくっついて輪状に配列しているところが違います。(身近な樹木のガイドブック・大阪百樹「シキミ  Illicium anisatum」)




少数のものが合着しているものより、多数のものがバラバラにらせん配列する方が原始的だとされていますので、シキミのほうがモクレンの仲間より進化したグループと言えます。(同上)




また上の写真からもうかがえるように、シキミの花では花弁、萼、苞葉の形の変化が連続的で、お互いはっきり区別できないのもこの植物の一つの特徴です。(同上)




シキミは仏事と関係した使い方をされることが多く、例えばお葬式のときシキミの枝を束ねて柱のように立て並べますし、死に水を取るときもシキミの葉で死者の口を湿めす風習があります。(同上)




在来種で、分布は 「本州(宮城県以西)、四国、九州、沖縄、朝鮮」
「旧モクレン科に属し、シデコブシの花にやや似ている。」(三河の植物観察「シキミ」)




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