
畑にまだ咲いていたコスモスです。
中心の黄色いシベのように見える部分は 筒状花(とうじょうか)という独立した花の集合です。
この周囲のピンクの花弁のような部分は 舌状花という、これまたひらひら一枚一枚が一個の花の集合です。コスモスは舌状花を8個もっているようです。
こうして 筒状花の集合と舌状花の集合が集まって大きく花序を構成している(頭状花序といいます)のがキク亜科の花序の特徴です。

中央の筒状花の集団、それぞれこげ茶色の筒のような器官の中から黄色いめしべが伸びて 羊の角のようにカールしています。(後述)
周囲の舌状花(8枚)のほうですが、コスモスの舌状花は 雄しべや雌しべをもっていません。舌状花部分の役目は 通常の花でいう花弁のように花粉媒介昆虫を呼び寄せるるための広告塔の役割をしています。雄しべや雌しべをもっていないなら もう花ではなく花弁といったほうがよいのではないか?!なんて思えてきますが・・・

中心の筒状花をアップしてみます。
筒状花の黒っぽいエントツのような部分は、雄しべが合体し筒状になったもの(集約雄しべ、以下雄しべ筒と呼びます)で、上に伸びてカールしているのが その雄しべ筒の中を貫通して出てきた雌しべです。
筒状花といって 雄しべ筒と雌しべしか話題になってませんが、ちゃんと花弁もあるんです。(花弁は雄しべ筒の下に星形をして控えめに存在してます)

キク科植物の花はこのように複雑な構造をしていますが、ハハコグサのように筒状花のみの花やタンポポのように舌状花のみ(この場合、基部に雄しべ、雌しべがあります)の花もあります。
コスモスの頭状花序は筒状花と舌状花から構成されているキク亜科の代表ですが、コスモスの舌状花には雄しべ・雌しべがなく花弁の役割だけを担当していることが特徴ということでした。

筒状花の雄しべ筒のアップです。
雄しべの先の葯(花粉を入れる袋)に花粉が入っていますが雄しべは合着して筒になっているので花粉は雄しべ筒の内側に出されます。雌しべはこの筒の内側を出された花粉を押し上げながら上へと伸びていきます。自家受粉してしまいそうですが、筒の中で花粉を押し上げているときは雌しべはまだ未成熟で めしべというより単なる「押し上げ棒」の役割しか持っていません。

雄しべ筒の中に出た花粉を押し上げた雌しべ棒はさらに長く伸び、先端の柱頭が開きカールして受粉可能な状態になります。

稔(みの)った果実です。
なお、周囲の緑の萼のような部分は 総苞といいます。役目は 萼と同じですが、たくさんの花をまとめて包んでいるので総苞と言います。
総苞片の数は 外総苞片8、内膜質8片で、舌状花(花弁の役割)の8花と対応しています (^^)/
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