「シモツケ」の名は、この植物が下野(しもつけ)(現在の栃木県)で最初に発見されたから。
ところで、「下野」をなぜ「しもつけ」と読むんでしょうね?
いろいろ話を寄せ集めると、こういう訳らしいです。
当初は(古墳時代の4世紀頃?)群馬・栃木あたりは「毛野」(けぬ)または(けの)と呼ばれていました。
〔参考〕
栃木県を流れる鬼怒川も 当初は 「毛野(けぬ)国を流れる川」として「毛野川(毛野河)」と記されていたそうです。中世から近世には「衣川(衣河)」や「絹川(絹河)」の字があてられていました。「鬼怒川」の文字があてられるようになったのは明治初期から、と最近のことなのだそうです。(wiki 「鬼怒川」)
時代が下り(古墳時代の5世紀末頃 ? )、「毛野」国を2つに分け、都に近い群馬のほうを「上毛野」(かみつ・けの)、遠い栃木のほうを「下毛野」(しもつ・けの)と呼ぶようになります。(つ)は現代語の「の」にあたります。
さらにその後、朝廷は唐の影響を受けて「全国の地名を良い字を選んで二文字に統一しよう」という意味不明な?法令(好字二字令)を出します(713年(和銅6年)頃)。漢字一文字とか 3文字の地名はこの御触れで漢字 2文字に変更されました。
その具体例
車 → 群馬(現群馬県)
安八麻 → 安八(現岐阜県)
林 → 拝志、拝師など(各所)
中 → 那珂、那賀など(各所)
北 → 喜多など(各所)
鳥取部 → 鳥取(各所)
衣、許呂母など → 挙母(現愛知県)
そこで「上毛野」(かみつ・けの)は「野」の字を外して「上毛」(かみつ・け)としました。
(↑ こちらは 漢字と読みが一致しています)
いっぽう、「下毛野」(しもつ・けの)も「毛」の字を取って「下毛」(しもつ・け)としようとしたのですが「下毛」(しもげ)と呼ぶ国が大分県に先行してあった(★) ため、文字は「下野」の2文字としてこれを(しもつ・の)でなく(しもつ・け)と発音するようにしました。
とまあ、
こういう経緯で読みと字が一致しないのだということです !(^^)!
(★) 古代には 現在の大分県のいちばん北に三毛郡(みけのこおり)という郡があって、後に山国川を境に上三毛郡と下三毛郡に分けられ、さらに上毛(こうげ)郡・下毛(しもげ)郡となった。(Wikipedia「下毛郡」より)
もっとも、この記事からすると「下毛」だけでなく「上毛」も同じようにアウトということになりますが "(-""-)"
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