アケビ科のムベは、「トキワアケビ」という別名があるように常緑です(アケビは落葉性)。
ところで、なぜ「ムベ」と呼ばれるのかについては次のような逸話があります:
蘇我入鹿を暗殺し大化の改新を推し進めた天智天皇が琵琶湖南部の蒲生野(かもうの)へ狩りに出かけた際、8人の子供(それも全員男子!)を産んだという元気な老夫婦に出会い、「お前たちはなぜ、このように元気なのか?」と尋ねたところ、老夫婦は「この地で採れる無病長寿の果物を、毎年秋に食べているからです」と答え、その果物を献上した。それを賞味した天皇が「むべなるかな(もっともだな)」と言ったことから、以後この果物は「ムベ」と呼ばれるようになった。
というお話です。
ですが、私はこの話を素直に「なるほどね~」と聞くことが出来ません。
疑問その1:もしそうなら この果物はそれ以前何と呼ばれていたのか?
毎年秋に食べていたのですからそれまで無名だったとは考えにくいです。「ムベ」とは似ても似つかぬ名前が付いていたのだろうと思います。
疑問その2:天智天皇が「この果物を毎年秋に食べているから元気なんだ(なるほどねぇ)(納得です)」の意味で「宜なるかな」(むべなるかな/うべなるかな)と答えたのに、老夫婦たちは天皇が「ムベ」と宣わったのでその果物の名を「ムベ」に改めたのだろうか、という点です。
2つの疑問をまとめますと、「ムベには昔は別の名があったが、天智天皇が近江で ”むべなるかな” と発言したことがきっかけで ”ムベ(あるいはウベ)”と呼ぶようになった」とあるが果たしてそうなのだろうか?? となります。
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私は「それは無いだろう」と思います。だってそれなら老夫婦は「むべなるかな」という言葉の意味の分からない無教養のひとたちだったことになりますし、天皇が初めて出会った果物に対し「ウベと呼べ」と呼び名を指示したと解釈したとも思えません "(-""-)"
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いっそ、こういう解釈はできないんでしょうか?
老夫婦が「元気の源は私たちが毎年秋に食べる果物のおかげでその名をウベと申します」と(名前を云って)差し出したのに対して 天皇は「ムベなるかな」(現代語訳で⇒「へぇ~、ムベって言うんだね」)と(名前を反復して)感心された。
てな風に。
古語の分からないアブリルの勝手な解釈ですが、いずれにしても果物の名前のやり取りなしに会話が進んだとは考えられないと思うのです。老夫婦が名前を添えてこの果物を差しあげたと考えられます。あるいは老夫婦が名前を云わないので「この果物は何というのか?」と天皇のほうから聞いたのかもしれません。「むべなるかな」は第一義的には その名前に対する天皇の反応だったのではないかと。そしてそののち「なるほどなぁ」「納得のいく話だ」というような意味の付加があったのではないかと (^_-)-☆
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同じようなものに「ミセバヤ」があります。
ワレモコウなども諸説あるようですが、いまいち強引な感じが否めません(´・ω・)
アブリルさんの説👍「宜なるかな❗️」
👋👋👋
その後、こういう記事を見つけました
「長生きの夫婦に出会い、その秘訣を問うたところ、このムベの実を食べているからだと答えた(中略)
天智天皇は(中略)「なるほど、ムベのおかげで、長生きしておるのか」と述べられた
!(^^)!
今後の観察会で使おう!w
島原では「グベ」と発音する方もいます。
島原では野生のグベ、今でもありますか?
名前は大切ですよね
全部アレ、アレで済ますわけにもいかないじゃないですか(´∀`)