労眼がすすむと、引いてある線がはっきり見えなくなる。
どんな目にも見えない、いやな線がある。放射線がそれだ。
智に頼りすぎた人間は、見えない線を見えているかのように装い、使えるだけ使って後は閉じ込め、地中に埋めてしまえば安心なのだということにしておいた。
見えない線はとうとう怒り出してしまった。
ふだん見えないものは、知る必要もなく、智の程度がどれほどのものかにも頓着を引き寄せない。
だが、いまは違う。
コンパスでクルクルと描かれるような、いい加減な線を横目で見ているだけでは済まなくなってきた。
見えない線の不気味さは、花粉情報などとは比べものにならない。くしゃみの警告さえもないのだ。
丸善が「地震・津波、放射線、心理学分野の書籍・本文無償公開」を行っている。
どうぞ、ご参考に。
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線が見えても見えなくても入ってくる、こういう情報は便利だ。
矛盾、これも見えたり見えなかったりする。