技術のサービスと聞くと無料サポートを連想しがちですが、サポートには有償どころか抜き差しならない関係に縛りつけしまうやりかたもあります。
こんな話を聞きました。
農産物の種子を買わせて、作付けさせます。
はじめは、同種のほかの種子からは得られなかったような収穫があります。
強い種は、他の作物が育たなくなるほどの力を持っています。
これまでにないその力は、遺伝子組み換えによって生まれたものです。
いったん収穫が済めば、次の植え付けをしなければなりません。
そのときには、種子供給というサポートを必ず受けなければならない仕組みになっています。
始めの種子は、複製を認めないという条件付きでした。
作物から種子を採ることは複製になってしまうので、自分でたねを残せないのです。
特殊な種なので生育にはそれに適合した肥料提供サポートを受けなければなりません。
これにも作物との組み合わせがビジネスモデルとして特許権が仕組まれていて、別のもので間に合わすわけにはいきません。
これではとてもかなわないと、元の作物に戻そうと思っても、いったん新種の作物になじんだ畑には、元の作物は育たなくなっています。
影響を受けるのは、自分の畑ばかりではありません。
隣の畑にも種子は飛んでいきます。
これはしめたと喜んではいられません。
飛んでいった種子から作物が育てば、それは特許権侵害の事実になります。
こうして、サポートという仕組みは、囲い込みどころか、がんじがらめの関係を作り上げてしまいます。
農産物だけではありません。
他国から買い入れた武器には、同じようなサポートの条件がからみついています。
コンピューターソフトも同じです。
始めに使う権利を購入しても、その権利は無窮というわけにはいきません。
何年かに一度、次々に行われるバージョンアップには、追いかけてついていかなければならないような仕組みが、巧妙に編みこまれています。
嫌だからと言ってやめる人は、便利に親しんでしまったこれまでの自分の過去と縁を切らなければならないということになります。
次の世までも続くことがもしあれば、それはもう地獄のサポートです。
閻魔様どうぞご勘弁を。