クスリには即効性のものと緩効性のものがあり、医学的なウイルスにも、症状がすぐに現れるものとある期間を経て現れるものがあるようです。しかし、コンピューターウイルスに、症状の現れない潜伏期間というものがあるのでしょうか。
あるとすれば、よほど手の込んだタイマー仕掛けのプログラムを仕込んだものでなければならないでしょう。
それほどのものを製作しようと熱中する人ならば、新しいOSに向けて立ち向かうはずで、消え去ろうとしている旧型OSなど相手にはしないでしょう。
相手かまわずばらまくなら、新旧の区別なくやっては来ます。
しかし、OSの仕組みの簡単な部分に引っかかるものでは、すぐに見破られて駆除されてしまいます。その部類の古典的なものは、旧バージョンのウイルス対策ソフトでもブロックされてしまうのではないでしょうか。
襲い掛かるとすれば、複雑なプログラム構成のどこかに、粘膜が露出しかかっているような弱点を見つけて、そこに食いつくのではないかと思うのです。
このあたりは多分に情緒的で、考察にセキュリティホールがないとは言えませんが。
クラッカーと呼ばれる人たちが狙いをつけるのは、公的機関や大企業の立派なWebサイトではなく、セキュリティ対策が手薄と想定される小規模の中堅企業のWebサイトだという説もあります。
個人用のパソコンでは、どんなマルウエアがやってきても、わざわざそれを受け入れて、灯篭に火をともしてまた川に流すようなことさえしなければ、ポツリポツリと存在するパソコンをただ通り抜けてウイルスが散らばっていくようなことは考えにくいのです。
OSが古いからといって、それは人々にとって不利益でも悪でもない状態を維持し続けるだけのことでしょう。そのどこが悪いのでしょうか。
それをつぶしにかかることこそ、悪行ではないかとも思うのですが、いかがでしょうか。