人間の脳は体の最上部に、足は体の最下部にあります。
体の最上部だけを働かせようとすると、だんだん足を使わなくなり、なんでも「持ってこい」注文で間に合わせようとします。
プリンター・インクのような、どこにでもある小さなものが、注文すると九州から関東へはるばるやってきます。
とりあえずの便利さが増えれば、運ぶ仕事が増え、車を動かす人は足りなくなっていきます。
食品のように地域性が価値にかかわっているものは遠くから来れば高価になります。
しかし、同じメーカーの同じ品番のものが、遠くから運ばせて安価になるというのは、逆転の過程のどこかに無理が押し込められているのでしょう。
運ぶ仕事を増やすことに気を取られて、運ばずに済ませることに頭を働かせなければ、せっせと運んで貯めた餌を横取りされて喧嘩を始める、リスのような小さな脳と、たいして変わりがなくなってしまいそうです。