コンピューター・プログラムはしっかりした論理をもとに書かれているのにわかりにくい。
なにがわかりにくくさせているのかと思っていたが、それらしいことに気づいた。
ひとつは、そこには計算はないのに計算によって組み立てられていると思い込んでいたこと。
これは、コンピューターに電子計算機というありがたい名前を付けてしまったのが誤解の始まり。
もうひとつは、プログラムに使う熟語と、数学用熟語とは意味が違うことに気づかず、幼稚な数学あたまでプログラムを理解しようとしていたこと。
まず「変数」という熟語。
幼稚な数学あたまの解釈では、変数は変化する数値だった。
同じ数値になった場合に変化したように見えないこともあるから、変化してよい値と言ったほうがよいのか。
数学がよくわかった人は吹き出すかもしれない。
a=3 ならば、2a=6 で、a=4 ならば、2a=8 と = の左右両側は必ず等しいものだった。
ところが、プログラムでは、a=3 と言ったが最後、= の左側は変えられないのだ。
この数式ではない書式は、= の左側の記号に = の右側に書かれたことを割り当てるということらしい。
そこで a=3 と宣言すれば、 a という変数に 3 を割り当てたということになる。つまり変数とは変化する数値ではなく、「名前」であったのだ。
変数と呼ばれながら、その宣言が無効にならない限り変化はしない。
なぜ変数と言うのかは、人の名前と同様、考えても理解の足しにはならない。
だから、a=100 でも、a=100a でも、a=abc でも、こうですと言われれば、ハイそうですかと言うしかない。
ハイそうですかと言わずに、等号の左右が違うのはおかしいと感じる人は、プログラムは理解できない別世界のことで終わってしまう。
ハイそうですかが理解への入り口のカギだった。
昔の人が言っていた「同じことは一つこと」というあれは、コンピューターが使われる前のことわざだった。
自分のあたまで論理を求めようとすると理解できない。
あたまの乗り換えには、なかなか時間がかかるものだ。
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