外苑茶房

神宮外苑エリアの空気を共有し、早稲田スポーツを勝手に応援するブログです。

早法戦は一勝一敗のタイに

2008-10-13 19:43:43 | 大学野球
早法三回戦は、打線の奮起と斎藤投手の好投により早稲田が5対0で快勝し、一勝一敗一分となって、決着は明日の四回戦に持ち越されました。


先発の斎藤投手は、一昨日とは異なる直球主体の組み立てで法政打線を完封。

打っては、上本、細山田、松本、泉、生島の四年生たちが、期待どおり意地を見せてくれました。

それにしても、二連敗してもおかしくないような押されまくりの形勢でした。
そこを堅い守りで凌ぎ切って、よくタイに持ち込んでくれました。

がっぷり四つとなった早法決戦は、遂に四回戦に突入することに。

三連休明けの火曜日ですから、観戦は難しいかも知れません。
でも、オフィスから神宮に向かって、気を送り続けますよ。

ガンバレ早稲田!
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サブプライム・ショック ( その6)

2008-10-13 07:30:06 | ビジネス
昨日、神宮で会う多くの方々から『貴方も、毎日の仕事が大変でしょう』『銀行が踏ん張ってくれないと』等と、次から次に声をかけられました。
こんなことは今までに経験がありません。
今回の金融危機が、まさしく個人の生活基盤をも揺るがしかねない事態を招きつつあることを実感いたしました。

さて、かけられた声の中に、次の質問がありました。
『高レバレッジをかけることによる金融商品の膨張が問題とメディアは伝えているけれど、名前を聞いたこともないような事業者まで元手の数十倍もの借入が可能になった理由が分からない』

あくまでも私見ですが、二つの要因が大きいのではないかと考えています。

一つは、『倒産隔離機能』(バンクラプシー・リモートネス)を組み込んだファイナンス手法の登場。

従来型の金融手法であれば、例えば巨額の不動産プロジェクトは、その規模に見合った体格を有する限られたデベロッパー(例えば三菱地所、三井不動産など)でなければ必要資金を調達することは不可能でした。

そこに、開発事業の主体を特別目的会社等とし、様々な法的な手当てを施すことによって、実質的に事業を取り仕切るデベロッパーが倒産した場合であっても開発事業が連鎖倒産しないという、プロジェクト・ファイナンス手法が登場してきました。

これによって、小規模な企業やファンドであっても、きちんとした事業計画を立案し、施工業者・テナント管理・建物管理・資金管理などの各業務に、事業遂行能力の評価が確立した業者を選定することができれば、巨額の資金調達が可能となったわけです。


二番目の要因は、格付の存在です。

プロジェクト・ファイナンスの多くは、比較的短期の借入金により事業を立ち上げた後に、その事業からの収益を裏付けとする社債や信託受益権を発行し(これを証券化と呼びます)、これを投資家に販売し、その売却代金により当初の借入金を返済するという手順をとります。

特別目的会社に融資を行おうとする金融機関が、その返済能力を審査する際に最も重要視するのは、返済源資となる社債等の売却見込み。
そこで大きな役割を果たすのが、ムーディーズやスタンダード・アンド・プアーズといった格付会社が、その社債等に付与する格付、すなわち償還の可能性に対する第三者評価です。

例えば、発行予定の社債が格付けAAA(トリプルA)を事前に取得するとなれば、その償還の可能性が極めて高いということになりますから、証券投資家への売却も円滑に行われるであろうと予想が立ちます。
そして、購入する投資家についても、早い段階から固まっていることも少なくありません。

そうなれば、事業母体が小規模な企業であっても、金融機関は比較的安心して融資を行なうことができます。

今回の金融危機のきっかけは、格付会社が証券化商品の格付をいきなり大幅に引き下げたことでした。

これが、進行中のプロジェクトの融資調達あるいは証券化の頓挫を招き、
プロジェクトへの既存融資は返済不能となって金融機関が多額のロスを計上、
既に金融機関などの機関投資家の手に渡っている証券化商品は大幅に値下がりして市場での売却も事実上不可能となり、投資家も多額の損失を抱えるということから、一連の負の連鎖が始まりました。

そもそも格付会社は、利害関係のない第三者として、客観的に事業母体の事業遂行能力や事業計画の妥当性を審査するのが役割であり、それを担保する組織面での様々な工夫が行われています。

しかし、格付会社のスタッフの多くは金融機関からの転職者であり、格付担当者と証券発行をアレンジする担当者が顔馴染みということも無いわけではありません。
また、外人スタッフは限られた都心の高級マンションに暮らし、家族レベルで親しいという例も少なくありません。
そして、証券化の案件は、決算期である3月末と9月末に集中する傾向が強いので、その時期には殺人的な忙しさとなるのが通例です。

したがって、証券化ビジネスの現場で眺めていると、クラブ・ディールとでもいうのか、親しいメンバーをパートナーに選び、いわば仲間内で短期間に次々に案件をまとめ上げることを歓迎する雰囲気があって、本来期待される相互牽制機能が有効に働いていないような印象を持ったこともありました。

そして、何よりも私が疑問を感じるのは、証券化商品に対する格付け審査の底の浅さです。

革新的な技術が登場すると、一般産業と同様、金融においても期待と資金が集中してバブル経済が発生し、一定期間経過後に調整局面に移行するものです。

あるいは、サブプライム・ローンに商品設計上の重大な欠陥があったことは以前ここで書きました。

そのような当たり前のことを適切に審査に織り込んでいたならば、安易な高格付の付与によるバブルの助長、あるいは調整局面に入るや否や唐突な格付引き下げを行なったことに起因する金融の混乱を、最小限に抑えることができたかも知れません。


現在の金融において、格付の役割は極めて重要です。
格付レポートに免責文言が付してあるからといって、セカンダリー市場の機能停止に象徴されるような格付変更の及ぼす深刻な影響に対して、格付会社が無関係でいてよいということでは決してありません。

今回の金融危機では、金融機関ばかりでなく、格付会社も鼎の軽重を問われることになりました。

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