妙な夢をみた。
学生時代の友人と撮った写真…どれを見ても、私の顔だけがぽっかりと白くなってしまって写っていない。夢の中でありながら、その時のゾッとした怖さは現実の今も覚えているほど…。
写真を両親に見せなければ…と思った瞬間、
場面は実家の懐かしい居間にとんだ。そして、ふと手にとった本を
めくっていくと…それは第二次世界大戦のある手記だった。
「あ、私この時代に生きていたんだ。
だから写真の顔が消えてしまっていたのだわ」
夢はそこで覚めた。じっとりと寝汗をかき、涙で枕がぬれている。
そうか…昨日「武相荘」を訪れたからこんな夢を…。
武相荘は、今、本やメディアで多く取りあげられている、
白洲次郎・正子夫妻が戦時中に移り住んだ茅葺き農家。
自宅から40分ほど歩いて見えてきたその空間は、
周囲に建ち並ぶ新しい家々の奥にひっそりと、
60年前の時そのままにあるようだった。
http://www.buaiso.com/
彼が残した言葉のひとつ「No Substitute」(かけがえのない)が
心に残った。彼にとってもっともかけがえのないもの…、
それはやはり家族であり、妻だったと思う。
「二人はhobby(趣味)は異なっていたが、
hobby(趣向)は似ていた」 という。
それぞれが確固たる意思を持ち、自身の生き方を貫いている。
そうでありながら、あたたかな家庭の温もりも伝わってくる…、
心に響き、心癒される空間だった。
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