3月のはじめ頃、数ヶ月ぶりにいつも使っている化粧品のパンフレットが届いた。
もう十数年来通販で購入している基礎化粧品。あちこち浮気を繰り返し、落ち着いてからもうそんな長い年月が経つ。
そのパンフレットにはたいてい“○○キャンペーン”なるものが企画されていて、
単品で購入するよりずっとお得。プチプレゼントが付いていたりもする。
けれど、その代わり…という訳ではないけれどいつもなら使わない品も手にすることになる。
これまでは、“いつもなら使わない品”のことよりもお得感が断然優位に立って、
「ポチッ」
“いつも使っている品”がおっ!と驚くような割引をされていれば当然のごとく、
「ポチッ」
そうして洗面所の棚はまだ使っていない化粧品であふれかえり、小さな罪悪感にさいなまれる。それなのに、キャンペーンがくるとまた
「ポチッ」
そんなことを何度も…いや何十回も繰り返し、この春やっと…そう本当にやっと気がついた。
お得と思っていた行為が、私を苦しめている…と。
新しい春のパンフレットを手にして、パラパラッとめくるとやっはりキャンペーンページに目がとまる。
お得感が頭を駆け巡る。
でも、やっと
「そのプチプレゼントは要る?その割引はほんとにお得?」
と自分に問いかけてページを閉じた。そうてもう見ないようにと棄てるBOXにポイッ…。
こんな些細な、こんな小さなことなのに、なぜだかとても大きな達成感のような気持ちになった。
四角い壁に囲まれた、物でわんさかしていたスペースが、一気にホコリひとつない空間になったような…そんな感じ。
洗面所の棚が“今”要るモノだけになるにはしばらく時間がかかるだろう。
その時を楽しみにしながら、化粧水をパシャパシャ、美容液をポンポン、クリームをスリスリ…。その顔はスッキリしています。
☆これを機にアテニアからHABAへ…もう浮気しません☆