3年ほど前から、この時期になると、少し早いクリスマスギターコンサートを聴きにいく。
先輩のダンナ様による「ギターソロの夕べ」。
月曜日の夜…小雨がまだ残るなか、東急大倉山駅から、
ぐぐぐっと行く手を遮るような上り坂を急ぎ足でかけのぼり…、
息があがるのを抑えながら階段を登った先に見えてきたのは、
「大倉山記念館」。夜の空にボッと浮かび上がった姿は、
その中に入ることさえ拒んでいるように感じてしまうほどの威厳を放ち…
でも、近づいてみると優しい雰囲気が漂っている。
小さいけれど、そこに居ることが何とも心地よいホールに響く柔らかな音
「おそらく皆さんは聴きなれないので、へんな曲だなぁ…と
思われるかもしれませんが…」という、そのダンナ様が好んで弾いたのは
アンドリュー・ヨークの曲。
ホール内に伝わる外の寒さに少し震えながらも、
弦をつむぎ・押さえる指の動きに魅入り、そして、そっと目をとじると…、
なぜか浮かんでくるのは、水彩画で描かれた、私だけの勝手な風景。
淋しく冷たい色をした海だったり、野原一面に咲く菜の花だったり…。
この素敵な時間をくださった先輩ご夫婦に…感謝。
☆ホールの一角。演奏はこの左下手で行われました。
大倉山記念館webサイトです↓☆
http://okurayama.anj.or.jp/
12月も目の前の土曜日、マフラーと手袋を取り出し…、8月だったか9月だったかにできたという「横浜ベイクォーター」を見てみよう!と、久しぶりに横浜に行ってきた。
当のベイクォーターは…、商業施設としてはおそらく狭い敷地に、無理やり曲線を描き出そうとしているようで、まぁ、
迷路みたい(トイレまでも)で最初は面白いな…と感じたのだけれど、
こんなに港が近いのに海を感じられないって…、もったいないなぁ…と
思ってしまった。
Uの字のように囲まれたかたちの建物。そのUの開いた口の先には、
ランドマークタワーを中心としたビル群や建設中の
マンション(かしら?)がずらりと並んでいるのが目に入るばかり。
屋上がある!と思ってワクワク行ってみると、空はすぐそばにあるのに、
なぜかとても閉塞感を覚えてしまった…。
でも、お店を一つひとつのぞけば、やっぱり楽しい。、
今の季節、クリスマスグッズが多いこともあって、とても華やかだし…。
今日のベスト3は…、ある花屋の「ブラックツリー」、
ある家電店(かな)のカエルやウサギ、りんごなどの形をした
ほのぼのとした「テレビ」、
ある家具店の片手で挽けるウサギの形をした「ペッパーミール」。
お目当てのベイクォーターを後に、
せっかくだからと山下公園までシーバスでお散歩。
寒かろうと用意してきたマフラーに手袋を身につけたけれど、
頬をなでる海風はとても心地よく、座席から身を乗り出して、
陽に照らされるみなとみらいの建物が、
視界を横切っていくのを飽きずに眺めていた…。
☆氷川丸と、その向こうにはマリンタワー。
水面近くに身を置くのは不安定なようだけど、いつもと違う感覚がいい。
いつかカヌーでゆったりとゆっくりと川を下りたい…。☆
少し遅めの会社帰り…駅の改札に向かって歩いていると…、
あれ?知っている顔がこちらに向かってくる。え~っと、あれは…。
視界にはしっかり入り、なのに誰だか認識できないモヤモヤが残るまま。
相手もわたしを見ているようだけど、同じような感じだ。
駅前の雑踏の中、人と人の間を縫うように数秒間のうちにすれ違い、
お互い「あっ!」と声をあげたのは、
すでに違う方向に離れていってからだった。
久しく会っていない人なら、誰だか思い出せない…、
こんなことはよくありそうなことで、わたしも2回や3回ではない。
でも、その人は、毎日顔を会わせている同僚だったから、
じっと見合っていながら、どうしてすぐ分からなかったのだろう?と思う。
わたしは、「今なら何時の電車に乗れるかな…?」と思いながら
改札を目指していて、
相手は、これから向かうであろうお店のこと…など考えていて、
プラス…、この人に、この時間に、この場所で会うはずはない…という
思い込みが、お互いをモヤモヤで包み込んだのだろう。
そして、今になってもその場面がとても印象に残っているのは、
「あっ!」の後に、お互いが足を止めて話すこともなく、
すれ違う前、瞬間、後という…一連の動きがスローモーションのようで、
それに伴う空気の流れが雑踏の中で波線を描いているようで、
何となく不思議な感じだったからかもしれない…。
☆一番スローモーションを感じたとき…それは、急いで急いで
走っていて、側溝につま先を取られ、モモンガのようにジャンプ!
両手を広げたまま…次の瞬間地べたにたたきつけられてしまったとき。
その一つひとつがゆっくりとコマ送りされているような気がした…☆
この時期、クリスマスにはまだ早いと思われるのに、あちこちの夜のまちを、クリスマスイルミネーションが華やかに彩りはじめた。新宿南口サザンテラスもそのひとつ。
先週だったか、会社帰りに東急ハンズに寄る途中で、
もうイルミネーションがされていることに気づき「もう?」という感じがした。
毎年、何かしら新しいものが増えていて、観光客もそうでない人も、
「うまく映るかな~」なんて言いながらシャッターを押している。
ブルー系の色が多く、ブルーが大好きなわたしにとっては嬉しい…。
でも、1日おそらく5、6時間は点灯する電球を巻きつけられた木々が、
苦しそうな気がして、もう少し待ってあげてもいいのに…と思ってしまう。
クリスマス…、わたしの一番の思い出は、サンタさんからの手紙♪
それは、父がサンタ役をしていたことを知らなかった小学生の頃、
「今日は忙しくて、クリスマスには1日遅れるけど、
明日必ずプレゼントを持ってくるからね。サンタより」と枕元に置いてあった。
父の字に似ているなぁ…と思いながらも、
それがサンタさんからだと信じて疑わず、とにかく嬉しかった。
今、小学生はサンタさんの存在を、多くは信じていないのだろう。
自宅近くの小学校の校庭や体育館で子供たちがはしゃぐ声が、
暗いニュースが多い今、とても大切に思えるのでした。
☆キーンとした寒さの中で見たら…きっともっとクリアなんだろうな☆
11月ももう半ば…あと1ヵ月あまりで2006年も「去年」になってしまう。「1年経つのが速いですね~」「ほんとですね~」…この時期になるとこんな会話がどこかしらで交わされている。歳をとるごとに、いっそう速く過ぎるように感じる1年365日。
いつだったか、先輩とそんな「速いですね~」という話をしていたとき、
「どうしてそう(歳をとるごとに速く)感じるか、教えてあげる♪」と、
いたずらっぽい笑顔で教えてくれたのは…。
同じ「1年」でも、1歳のときの1年は、1分の1…そう、
赤ちゃんにとっては100%!
それが、10歳のときの1年は、10分の1…10%に、
20歳のときの1年は、20分の1…5%に…。と、
1年という、たとえ同じ時間であっても、これまでの人生に占める割合が、
どんどん小さくなっているから…と。
…納得してしまった。今、綾乃の1年は、人生の何%なのだろう?
それで、今とても知りたいのは…、飲んでいるときの 『時間の不思議』。
飲みはじめて、しばらくして「もうずいぶん時間が経っているかな…?」
と思って、時計を見る「1回目」の確認。
すると、意外なほど早い時刻で、ほっと安心する。
そして、再び飲みはじめ、おしゃべりに興じ…、「まだ○時くらいだろうな」
と思って、時計を見る「2回目」の確認。
すると、信じられないほど遅い時刻になっている!
楽しい時間は速く感じる…とはいうけれど、最初から楽しかった。
それに、空白の時間ができるほど…つまり記憶がなくなるほど飲んでいる
わけでもなく…。
わたしだけでない、多くの友人が同じことを感じ、しかし、明快な答えは
いまだ見つからず。…なぜ?…
これから忘年会の季節、時間の不思議のはてなマークが、
頭の中を飛びかいそう。
☆毎朝一番最初に目にする、振り子が可愛い時計です☆
「はい、どうぞ。いってらっしゃい…!」
「いつも早いわね…。寒くなってきたから気をつけてね…。」
毎朝、駅の売店で新聞を購入するとき、母と同じくらいの店主の女性は
お代を受け取りながらやさしく声をかけてくださる。
すると、わたしも自然と「いつもどうも…♪」「行ってきます~!」と笑顔に…。
トラブルがあって会社に行きたくないな…と気が滅入っているときとか、
体調が今ひとつだな…と元気がないときでも、
そんなちょっとしたやりとりが、朝だから余計に嬉しくなる。
雑踏のなか、すれ違う人々が、すれ違うときに、避けようともせず、
肩やひじがぶつかったとしても「すみません」「失礼…!」の一言もなく
知らん顔で行ってしまう人が増えているように感じるこのごろ…。
ひと昔前に比べて、殺伐とした…そんな感がある今だから、
何気ないと思っていた挨拶が、
こんなにわたしの心をあたたかくしてくれるのかもしれない。
☆冬がひたひたと近づいているなぁ…そんな今日の朝もまた、
「いってらっしゃい…♪」の声が、カツカツとホームに響くパンプスの音を
高らかにする☆
久しぶりに祖母に会った。
何年ぶりだったろう…いや、1年も空いていないはずなのに、
なぜか何年も会っていないような気がした。
「おばあちゃん、しわくちゃになっちゃっただろう…?あはっはっ」
なんて楽しそうに話す祖母は、もう95歳。
今も時々畑に出たり、こんにゃくや饅頭をつくったりしている。
わたしが小学生だった頃、牛や鶏、豚、蚕…と、
米や野菜のほかにも、丹精こめて育てていた祖母の家。
バスで数分のところだけれど、夏休みや休日に遊びに行くことが、
広い畑がある!その動物たちに会える!と思うと、
楽しみで楽しみでしかたがなかった。
もちろん、祖母の家の皆さんのあたたかいおもてなしも…。
そのなかで、異彩を放つように…とても厳格だった祖父。
雰囲気が「巨人の星」に出てくる星一鉄にそっくりで、常に背をピンッ!
と張り、眼光鋭く、孫たちの行動が間違っていようものなら…!
それでも、子供心に、理にかなっている…と思えたから
納得していた気がする。
そんな祖父と一緒になった可愛い祖母。
その手の、長い年月を感じさせるしわの刻まれた指に、
見慣れない金色の指輪がにぶく光っていた。
「おばあちゃん、それ?」と聞いてみると…。
70年近くも前のこと、祖父が贈ってくれた結婚指輪を、その後間もなく、
畑仕事をしていたときにどこかに落としてしまったそう。
それが…、すこし前、土のなかに何か光るものがある…と思って、
そっと拾ってみたら、…あの指輪だったんだよ…と、
それを愛おしそうになでながら話してくれた。
そんな長いときを経て…と驚くばかり。
祖父は、ずっと天の国で心配していたのだろう…。元気でやってるか?
皆はどうだ?俺たちの畑はだいじょうぶか?…と。
「おじいさん、はやく迎えにきてくれないかねえ…」
ぽつりとつぶやいた言葉に胸がつまり、
わたしはただただ黙ってその指輪を見ているしかなかった。
☆サプライズな話をありがとう。いつまでも、元気で…ね…☆