まだ実家で暮らしていた頃のお正月、近くのお寺に初詣に行くと、いつも甘酒が振る舞われていた。
お焚き上げの炎の周りで新年の挨拶を交わしながら、小さな紙コップに「トットットッ」と注がれて渡される。
父や母はその味を好んでいたが、私はフワッと漂う独特の香りが苦手で「あ、ちょっと…」と拒んでいた。
そんな光景からどれほどの時が過ぎたのだろう。今もお正月に実家に帰るとそのお寺に詣るのだけれど、主(あるじ)も娘もお札とお守りを炎に投げ入れると甘酒なんて…とでも言うようにササッと立ち去っていく。
「こうじ あまざけ」と妊娠中のミランダ・カーが美しい姿でCMに登場したのは何年前のことだったか。飲めるなら飲みたい…とは思ったけれど手が出なかった。
そんな私が今、毎朝甘酒を野菜ジュースに混ぜて愛飲している。
きっかけは、コロナ予防に効くというあるアミノ酸が含まれると聞いたこと。初めてスーパーで甘酒の売り場をさがした。あまり種類はなかったけれど、八海山の麹だけから作られたという『あまざけ』に目が留まる。
190、400、800mlの中から迷わず190mlを選び翌朝恐るおそるお猪口にひと口…
「!!!」
これが甘酒?と思うほどおいしくてびっくりした。フワッとしたアレがなくとても優しい味。
試しに朝のジュースにブレンドしてみたら、野菜のエグ味が緩まって飲みやすくなった。
190mlが400mlになり、
「お肌にいいみたいよー」
の誘い文句に娘も参戦し始めたから、800mlに手が伸びるのもそう遠くはないだろう。私のシミ・シワにも効きますように…。
☆『飲む点滴』とも言われている☆