BAMBOO-JET  ~うみの部屋~

タケノコジェットでどこへでも!
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ファッション・ディストリクトのアラブ親父

2005-12-03 14:27:00 | のほほん日記
FIT(NYにあるファッションスクール)に通う友達が課題作成のための布生地を買うのにお付き合いしました。子供服を作る予定でワンピースとボレロにパーカーを作るとか。
ファッション・ディストリクトと呼ばれる35-39ST・6-8Aveにかけての一帯は、NYのファッションを陰で支える布地やファッション材料の問屋がそこかしこに並んでて、その種類の豊富さには驚かされます。洋服の生地屋を筆頭に、ボタンやビーズの専門店。リボンの専門店。糸やジッパーや手芸用品の専門店などなど。とにかくここにくれば材料はすべて自分のほしいものはすべて手が入ると言っていい。
こういうのを見るとNYはファッションの最先端地なんだなぁと改めて考えさせられる。日本で手に入らないような道具や布地もたくさんあって日本から買い付けに来る人がいっぱいいいるという。
私の友達はFITの生徒のみぞ知ると言う隠れ家的なある布屋に連れて行ってくれた。
そこは36stにあり、通りに面してるガラス張りのその他お店屋とは異なり、とあるビルの5階の一室にひっそりと構えてる小さなお店だ。
こんなところに布屋が。。。と思えるような場所ではあったが、
ドアをくぐるとブザーのような音がなって、アラブ人のようなインド人のような不思議なおじさんがやってきた。。。
小さな部屋には布が四方八方天井までたくさんあった。まるで生地の密林だ。
おじさんは私の友達に顔を覚えてたのか、今度も前と同じ生地買うの?と聞いてきた。
友達はおじさんに「これを作りたいからこういうのがほしい」というと「あの辺にあるよ」っておじさんは丁寧に教えてくれる。
友達がしばらく悩んでると何でも私に聞きなさいと言う。
その間にもFITの生徒らしき黒人の女の人が買いに来たり、業者らしき人が来たり、おじさんはとっても忙しそうだ。しかし店の中はおじさん一人。おじさんがいつも一人で働いてるのかな?確かに店は大きくないから一人でも大丈夫だろうけど。
友達は気に入った生地を見て「この生地のピンクがほしい」といえばおじさんはどこからともなく奥にある布地を引っ張り出して見つけてくれる。
そんな具合に次々とおじさんと友達がやり取りしてるのを見てるのは面白い。
めちゃくちゃ奥に引っ込んでる布地とかあっておじさんは[私を殺すきか?...]などとふざけながらも一生懸命引っ張り出してくれる。
そんなに苦労したのに1ヤード(約1m)というとがっかりして3ヤードは買え。。。などと冗談もいう。いや、このおじさん面白いわ。
しかし友達は私はお金がないの、ごめんね、おじさん。。。などと言いながらも最後の布地は3ヤード頼んだらおじさんは喜んで、「よし、きた!!」みたいにノリノリになった。おまけにその友達の分とわずか半ヤードで、その布地がお終いになったのでその分おまけして3ヤード分でみんなくれた。
けっこうな量を買ったのに全部で20$もしなかった。すごい。1ヤードで3$とかの料金である。ものすごく安い。だってこの布地を表に面してる大きな問屋で買ったらたぶん3倍はしそうだ。ここは安さとおじさんの対応が売りだと思う。だからFITのような学生さん達の間でご用達なのだ。
陽気なおじさんに、私は友達のようにFITの学生でもないし、この店に来るチャンスもあまりないので写真を撮らせてくれといったら快く引き受けてくれた。
おじさんは機嫌よく私のお客に日本人が3人いるんだよ。と教えてくれた。彼らは毎3ヶ月の一度の割合で日本から買い付けに来るという。
うれしいことに帰りぎわに「君らにプレゼントがある」といいピンクと黒のものを私達に渡した。水着につけるやつだ。。。という。なんだ?と思ってたらケープのようなもので、布地が水着のような素材。どうやらプールから上がったら寒いので、体に羽織るケープ状の水着(濡れても平気)らしい。なんだかわからないけどもらったので得した。私は何も買ってないし
ただ友達について行っただけなんでラッキーだ。
友達の袋には更に訳のわからないポスターが一緒に入っており、外に出てからみるとラテンっぽい男の頭にまたがった、上半ビキニの白人女性(下半身は何もみにつけてないと思われる)のポスターだった。なんかエロイのかナンなのかわからないちんちくりんなポスターで、何でこんなものくれたんだろ??とひたすらおかしく思いながらも5分後ゴミ箱に捨てられた。あんなもの部屋に張れないよ。しかしおじさんなかなか素敵な人だった。