BAMBOO-JET  ~うみの部屋~

タケノコジェットでどこへでも!
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ストライキ・スタート

2005-12-21 13:07:00 | のほほん日記
始まっちゃったよ、NYのストライキ。
本命は先週の金曜日と噂されてたので月曜の時点でストライキが行われなかったため、誰もがもう起こらないと思ってたのですが、、、火曜日の今日、朝起きたらいつもより静かだったのに気がつかなかった私。
今日は久々ヨガでも行こうかなぁと朝からのんきに準備をして、朝ごはんを食べながらTVをつけると、どこのテレビも「ストライキ」の文字が
嘘でしょう?と流れる映像が信じられなかった。
思わず窓を開けて家から見える地下鉄の高架線をみてみたが、たしかに走ってない。そ、そんな。。。
テレビにはたくさんの通勤者がブルックリンブリッジを渡る姿やブロンクスから行列が徒歩で通勤する姿をヘリコプターから捉えて放送してる。
確か昨日学校の先生は明日クィーンズでバスのストライキがあるって行ってたけど、地下鉄だとは誰も言ってなかったよなぁ。
先週の時点で学校側からは金・月のいずれかにストライキがあった場合は学校は休校になるけど火曜日は普通に営業するとか話してたような。。。?
とりあえずヨガはこの際どうでも良い、どうやって学校に行こうか?と思いつつ、外に出てみた。
いたって普通の景色、、、なのだが最寄の「WOODSIDE」の駅に行くと、地下鉄の入り口が黄色のテープで封鎖されてる。そしてその前にものすごい人だかりが!!
実はここは隣にRRL(ロングアイランド鉄道)の駅があるのだが、ここはストライキを行ってるMTA(メトロポリタン交通局)とは別運営のために通常運転されてるので、そっちでマンハッタンへ通勤しようと言う人達であふれかえってるのだ。
その数たるや恐ろしいもので試しに最後尾を探そうと歩いてみたのだが、歩いても歩いても見えてこない、1ブロック角を曲がり、また1ブロック歩き角を曲がり、また、、、というわけでグルグル果てしない。
RRLの従業員がいて、チケットは買うまで2時間並ぶと言ってる。嘘でしょう?チケを買うために2時間なんて、そんなら歩いて言った方がましでは?と思った。
私の住むクィーンズのウッドサイドからマンハッタンまではクィーンズボロウブリッジという橋を渡らなければならない。旅行者で有名なブルックリンブリッジなどは人間が渡れることは知ってたのだが、このクィーンズボロウに関しては確信してなかったので試しに目の前に居る人に聞いてみた。
するとみんなここからクィーンズボロウまで歩いていくの?遠すぎるよ!!と問題外の答えが。。。YUKOに電話して聞いてみると彼女はサニーサイド(ウッドサイドの手前の地域)からクィーンズボロウまで歩いたのだが30分ぐらいで着いたよって言う。ということはここからサニーサイドまで10分ぐらいだからなーんだ、そんなに時間がかからないじゃん、それに渡れるってYUKOは教えてくれた。
そこで歩いて学校に行くことに。
これはある意味で挑戦である。果たしてどのくらい時間がかかるのか、ちょっと興味があったのだ。こういう機会もそうあるものではないし(なんといっても四半世紀ぶりのストですから)、歩いてマンハッタンに出るってどんな感じよ?と思ったのである。
実際家におとなしくしてるのが普通なんだろうけど、私の性格からして家でじっとしてるのは苦痛だし、なによりクィーンズで家でこもるなんていやすぎる。家にいてもすることないしね。それにRRLも2時間待つぐらいなら歩いていったほうが絶対ましである。
かくして私のマンハッタンへの徒歩の旅(旅だろう、これは)は始まったのである。
サニーサイドまでは余裕、地下鉄の高架線にしたがってただひたすら歩く。風が冷たくて痛い。しかしどうも同じことを考えてるだろう人が歩くたび増えてくる。いつの間にか流れのようなものができており、みんなテクテクひたすらクィーンズボロウ目指して歩く。だいたい片手にコーヒーカップ(紙のね)と片手にi-podというところが地下鉄で見かけるそのまんまのニューヨーカースタイルなので、ああこの人達もみんな歩いていくのね、、、と思うと心強い。クィーンズボロウへは40分ぐらいで着いた。ちゃんと自転車と徒歩用の通路が車の通路の脇にあった。人の流れに任せて橋を渡る。
天気が良くてよかった。空はきれいな青空で朝の空気の中イーストリバーがキラキラ輝いてる。右手に見える国連ビルなどの摩天楼は朝の光を浴びて堂々としてるし、こういう通勤も悪くないのでは。。。?と思わずにはいられない。ただ川の上というのは風が吹いてるもので、これがものすんごく寒いのである。まさにフリージング!!
橋を渡るのも向かい風のおかげで30分ぐらいはかかった。しかし、無事マンハッタンへ入ると出口では赤十字が無料のコーヒーとココアを配ってた。すっかり喉がカラカラだった私はココアをもらった。これがおいしい。こんなサービスがあるところがうれしい。赤十字の職員さんたちもがんばってるのね。こんなストの最悪の日なのに、笑顔で「Have a nice day」と言うところがなんだかNYだなぁと思ってしまう。
やはり地下鉄の影響もあってマンハッタンはいつもより人通りが少ない。もちろん観光客もいてたぶん歩いてるのはほとんど観光客だろう。バスもない今(MTAは地下鉄とバスすべてを運営してる)、交通量もタクシーがいつもより多いだけで所々渋滞緩和のためか道路も封鎖されてて、はっきりいいって歩きやすい。
それでも店は営業してるし、街は機能してるらしい。
結局11:30頃無事学校に着いた。ウッドサイドの駅を出発したのがだいたい9時50分ぐらいだったのでまぁ2時間はかからないということがわかった。
学校はあまりに休んでる生徒が多いために、いつもの通常クラスの授業ではなく他のレベルの生徒と混ぜたスペシャルなクラスでの授業をしてた。なのでいつもの先生ではなく、今まで私が受けたことがなかったような先生のクラスで授業を受けた。しかもその先生がかなり私的に良かった。ああ、次のクラス替えではこの先生のクラスになりたいなーと思った。こういう機会でもなければ他の先生の授業も受けれないし、なによりレベルの違うクラスの友達と一緒に勉強できたのは良かった。
お昼はその友達とカレーを食べに行きついつい夕方までおしゃべりしてしまった。
その彼女がRRLで帰るというので、私も帰りはRRLで帰ろうと思い、彼女に着いていった。夕方4時30分頃ペンステーションに着くと入り口には大きな黒い塊のような人の群れが見える。
私の友達はルームメイトがすでに帰りの切符を買ってくれてたので私だけ切符を買いに行くことに。ところがペンステーションでは駅を半分封鎖してて、片方をきっぷ売り場、片方を乗り口に分けてた。
そのきっぷ売り場に行くと、もうすごい状態。列なんてないし、ただ単に人がおしくら饅頭状態でおしあいへしあいしながら、必死に我先にと窓口や自動販売機へと群がってる。秩序もくそもなく、しかもRRLの切符を買うことになれてないらしく、この機械を扱えない人ばかりなのでかなりもたついてる。その度にみんな文句をいったり、嘆いたり、まさに地獄だ。
私も30分以上様子を見てねばったのだが、にっちもさっちも行かないくらい動きがない。このまま待って30分後ぐらいにきっと切符を手に入れても、更にこれからホームまでも並ぶことは目に見えてるし、ぎゅうぎゅう詰めの車両を思い出しただけで気持ちが萎えてきた。
そのくらいなら歩いて帰ったほうがましでは。。。と思えてきてついに諦めて歩いた。はっきり言ってペンステーションから59stの2Aveまで歩くのは気がめいる思いだったが、とにかくひたすら歩いた。
またクィーンズボロウが見えてきたときはほっとした。ありがたいことに橋の上は朝ほど寒くなく快適であった。しかも眼下に広がるマンハッタンの夜景がものすごくきれいだ。クライスラーにクリスマスカラーのエンパイア。。。たくさんの歩行者がしばし橋の上から景色に見入っている。私もしばしばその景色を堪能させてもらった。
と、けっこう思った以上に帰りはあっという間であった。7時半には無事家に着いたし。ただ足はさすがにくたくたでもんでも痛いくらいだ。
このストライキいつまで続くことか、明日もストライキだったらどうしよう。。。?休もうか、どうしようか、、、?

ちなみにロイター通信の報告では以下の通りです。
<ニューヨークの地下鉄やバスを運営する都市交通局(MTA)と職員組合(約三万三千人)との労使交渉が二十日未明に決裂、労組側は一九八〇年以来の全面ストライキに突入した。両公共交通機関は一日に約七百万人が利用する大動脈。市当局は、かき入れ時のクリスマス・シーズンさ中の今回のストによる経済的損失を一日約四億ドルと試算、四半世紀ぶりのストは世界経済の中心地を直撃した形だ。
 公共交通機関の職員のストはニューヨーク州法で禁じられており、ブルームバーグ市長は「違法で非難されるべき行為だ」と厳しく批判した。州当局はストの中止を求めて提訴する方針だ。
 市当局はスト入りを受けて、日中の一般車両の主要道路への乗り入れを禁止し、午前中は四人以上乗っている車以外はマンハッタン中心部に入れないようにするといった交通規制を敷いた。同市長は二十日午前七時、マンハッタンとブルックリンを結ぶブルックリン橋を歩いて登庁し、交通規制への理解を求めた。
 交渉では、組合側が向こう三年間、8%の賃上げを要求したのに対し、MTA側は3-4%の段階的賃上げを提案、組合側がこれを拒否した。
 八〇年四月の全面ストは十一日間続き、市民は自転車やローラースケートで通勤した。今回のストは三-七日間は続くものとみられている。>