『街の灯』ははるか昔、私が小学生末期の頃にヒットした堺正章のせつない名曲なのだが、今日、私の中で急浮上してしまった。
小学6年生の私は、田んぼの中にぴかぴかの鉄筋3階建てだか4階建ての、水洗トイレ付きの建て替えられてまだ3年目くらいの校舎で勉強していた。片道子どもの足で40分はかかる舗装された田んぼの中の田舎道を歩いて登下校していた。
この頃、この辺で塾といえば「珠算」と「オルガン」しか選択肢がない、いたってのどかな時代だった。
学年はひとクラスしかなく(他の学年は2クラスあったのに)、学期末には「お誕生日会」があった。その学期中に誕生日でない人達が、各自好きにグループを作って、紙芝居やコントなどの出し物を披露し、お誕生日のあったひとたちをお祝いする児童の自主イベントであった。先生はそのためにわざわざ半日授業のない日を提供してくださった。
イベントの花形はなんといっても「コント」で脚本、演出、すべて子どもの手に寄る。その頃はテレビでもコントの黄金時代だったので、器用な子数人が、それらをまねて「スパイもの」「学園もの」などいろんなバリエーションであっというまに台本を仕上げる。井上ひさし氏がみたら、さぞうらやましがるだろうというスピーディさだった。しかも回を重ねるにつれどんどんうまくなり、謝恩会のコントなんかはその集大成ともいえ、やんやの盛上りだった。
6年生になってから、気になってしようがない男の子がいた。
エキセントリックで早熟で「ヘンなやつ」と思いつつも、1学期には席が近くて意気投合していた。が2学期から突然、石のようにしゃべりかけられなくなってしまった。「意識」してしまったのだ。
せっかく向こうからアプローチしてもらっても、ひたすら拒否! 小学生で恋愛感情を持つ自分がどうしても受け入れられなかった。それってもっとオトナがするもんでしょうと思っていたから。
3月になると6年生は「卒業旅行」に観光バスで出かける。行き先は大阪城と大阪市の科学館&プラネタリウムだった。大阪万博が終わって3年ほどの頃なので、ロボットや科学のあれこれは、その頃の少年少女にとっては目の輝く事柄だった。プラネタリウムも魂を奪われるような美しさだった。まさに卒業旅行にふさわしい旅だった。
帰りのバスのなかでは、マイクが回され、アカペラでの歌声大会になる。
そのときに、くだんの男の子が歌ったのが『街の灯』だった気がする。たぶんそうだったと思う。
今日『街の灯』の歌詞を見ていたら、電光の様にそんなことを思い出してしまったのでした。いままでほとんどそんなこと忘れていたのに。記憶って不思議。
小学6年生の私は、田んぼの中にぴかぴかの鉄筋3階建てだか4階建ての、水洗トイレ付きの建て替えられてまだ3年目くらいの校舎で勉強していた。片道子どもの足で40分はかかる舗装された田んぼの中の田舎道を歩いて登下校していた。
この頃、この辺で塾といえば「珠算」と「オルガン」しか選択肢がない、いたってのどかな時代だった。
学年はひとクラスしかなく(他の学年は2クラスあったのに)、学期末には「お誕生日会」があった。その学期中に誕生日でない人達が、各自好きにグループを作って、紙芝居やコントなどの出し物を披露し、お誕生日のあったひとたちをお祝いする児童の自主イベントであった。先生はそのためにわざわざ半日授業のない日を提供してくださった。
イベントの花形はなんといっても「コント」で脚本、演出、すべて子どもの手に寄る。その頃はテレビでもコントの黄金時代だったので、器用な子数人が、それらをまねて「スパイもの」「学園もの」などいろんなバリエーションであっというまに台本を仕上げる。井上ひさし氏がみたら、さぞうらやましがるだろうというスピーディさだった。しかも回を重ねるにつれどんどんうまくなり、謝恩会のコントなんかはその集大成ともいえ、やんやの盛上りだった。
6年生になってから、気になってしようがない男の子がいた。
エキセントリックで早熟で「ヘンなやつ」と思いつつも、1学期には席が近くて意気投合していた。が2学期から突然、石のようにしゃべりかけられなくなってしまった。「意識」してしまったのだ。
せっかく向こうからアプローチしてもらっても、ひたすら拒否! 小学生で恋愛感情を持つ自分がどうしても受け入れられなかった。それってもっとオトナがするもんでしょうと思っていたから。
3月になると6年生は「卒業旅行」に観光バスで出かける。行き先は大阪城と大阪市の科学館&プラネタリウムだった。大阪万博が終わって3年ほどの頃なので、ロボットや科学のあれこれは、その頃の少年少女にとっては目の輝く事柄だった。プラネタリウムも魂を奪われるような美しさだった。まさに卒業旅行にふさわしい旅だった。
帰りのバスのなかでは、マイクが回され、アカペラでの歌声大会になる。
そのときに、くだんの男の子が歌ったのが『街の灯』だった気がする。たぶんそうだったと思う。
今日『街の灯』の歌詞を見ていたら、電光の様にそんなことを思い出してしまったのでした。いままでほとんどそんなこと忘れていたのに。記憶って不思議。