紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

ゆるキャラ日本一は?

2006-04-26 22:19:07 | テレビ
 去る4月20日のローカル放送(テレビ東京)『TVチャンピオン』の「ゆるキャラ日本一決定戦」http://www.tv-tokyo.co.jp/tvchamp/result/result.htm#1は、あやうく見逃すところだったのを、Kちゃんが5分か10分遅れながら、チャンネルを合わせてくれたおかげで、TVチャンピオン史上に残るような白熱した「ゆるい」バトルを網膜に焼き付けることが出来た。

 さすが、抜け目無く毎日TV欄をチェックするKちゃん。神様仏様Kちゃん様である。お母さんの蔵書の中にみうらじゅん氏の『ゆるキャラ大図鑑』があることも、彼女は知っている。母親想いの孝行娘である(自慢)。しかも内緒だがお兄ちゃんも着ぐるみが大好きなので、彼も非常にテンションが高まる。

 さて「ゆるキャラ」とは何なのかを、命名者のみうらじゅん氏に説明していただこう。

 「ゆるキャラとは全国各地で開催される地方自治体主催のイベントや、村おこし、名産品などのPRのために作られたキャラクターのこと。とくに着ぐるみとなったキャラクターを指す」(『ゆるキャラ大図鑑』みうらじゅん著、まえがきより)

 だから「ゆるキャラの所属」は「県庁」「区役所」「町役場」が多い。他にも観光協会やJA(農業組合)、選挙管理委員会などが地方色豊かに強いメッセージを発している。
 
 この番組をみて久しぶりに家族中が盛り上がった。年齢も好みも興味も違う人達がひとつの番組をみて心をひとつにするなんて、5年に一度あるかないか、かも。この日僅かな期間だったが、家族の結束が固まった。

 そういう訳でわが家では、最初からアツい空気がお茶の間に漂った。すでに始まっていた「第1ラウンド」は「ゆるキャラアピールウォーキング」。地区予選を勝ち抜いた30にん(すべて着ぐるみキャラ)が地区別(中国ブロックとか四国ブロック)に登場して自らをアピール。会場の100人中70人の票を集めれば第2ブロックへ進出できる。

 香川県の「サンモュん」は四国旅行の折り、駅前のオープニングイベントで遭遇して以来の出会いだ。そのときの爆笑ハプニングも思い出して、Kちゃんと二人で再会を果たした喜びに浸る。
 JA全農ひろしま所属の稲の妖精「いーねくん」は、歩きにくそうなバルーン着ぐるみだが、その非常な不器用さと愛らしさで短時間のうちに我家での人気を一身に集めた。いや、我家だけではない。彼はその後、みうらじゅん氏を始めとする審査委員の人気も一身に集めることになるのだ。

 ほかにもゆで卵を縦割りにしたような「ハンタマくん」はお兄ちゃんのお気に入りだったし、会場からも絶大な支持を集めていた。私はさっぽろテレビ塔の「非」公式キャラ「テレビ父さん」(48歳。奇しくも夫と同年)にも、心密かに想いを寄せていた。

 第2ラウンドは50メートル走だが、ゴール近くで超大型扇風機による強風という障害が待ち受けている。5人ずつ4組に分かれての勝負で上位二人は無条件に勝ち上がる。

 しかし! どんどん脱落していくのが、無情にも審査委員の(たぶん)ごひいきキャラ。彼らの心中に暗雲たちこめる気配が濃厚になり、いつのまにか「ゆるさ」の度合いで「救済枠」が設定されることになり、敗者復活がなされていく。これを「ひいき」というなかれ。あくまでも「人情」枠なのだ(笑)。

 これによって、バルーン着ぐるみで強風による空気漏れが激しい、ただでさえ足元が不確かな「いーねくん」が人情と温情によって救済されたのは、いうまでもないだろう。(我家では歓声のどよめきがあがった) 
 彼のここでの健闘は番組中何度もリプレイされ、ひとびとに爆笑と感動をもたらした。空気漏れで顔が皺くちゃになっても、強風でゴールまじかにも関わらず、あろうことかバックしてしまっても正義は勝つのだった。

 が、やはり決勝ラウンド「ゆるキャラ バトルロワイヤル」の全員勝ち抜き相撲は非情な勝負の世界になる。片手に特産品のアスパラを持ちつつも身の軽いスケソウダラの着ぐるみ「たら丸」が凶暴さを発揮し、ヒール(悪役)のような活躍を展開する。「ハンタマくん」もここで敗退した。(「テレビ父さん」は第3ラウンドの二択クイズですでに屈辱の敗退をした)

 そしてあの愛すべき「いーねくん」も、勝負半ばで土を付け、その瞬間、審査委員席からは落胆の声が上がり、その後言葉も無く肩を落とすみうらじゅん氏、糸井重里氏、安斉肇氏、坂下千里子氏・・・。ああ。
 だけど「いーねくん」は健闘した! 空気漏れのためタイムをかけテーピングをほどこして、よくがんばった。審査委員からも「フェニックスですね」という声がきかれたほど。

 勝負はもはや「たら丸」のひとり勝ちかと思えた。が、ほとんど動きのなかった秋田県所属「わか杉国体」のマスコットで杉の着ぐるみ「スギッチ」が、あやうく着ぐるみが脱げそうになったのが幸いし、なんと「ゆるキャラチャンピオン」に決定! 糸井重里氏は『「脱ぎ落とし』っていう決まり手だったかなとおもってますが」とコメントしていた。

 実に見所満載のエキサイティングかつ「く、くるしい!」というくらい笑いに笑った番組だった。この傑作を見逃した方々のために、そして我家では録画のチャンスをいただくために、ぜひ再放送を希望いたします。