紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

本屋さんにて

2007-02-07 22:26:35 | 書店
 昨日お兄ちゃんに「(あったら)買って来て」と頼まれていた本を探しに、西友のショッピングモールにある本屋さんヘ行った。1冊は爆笑問題の文庫本、もう1冊が岩波文庫の『世界憲法集』だった。

 これを同時に読みたいというパーソナリティも不可解だが、とにかくも長い付き合いなので不可解ながらも理解はできる。

 しかし、あるだろうと高を括っていた爆笑問題は見つからなかった。買い取りにも関わらず、岩波文庫がひと棚あったことに驚く。おまけに新刊とはいえ、まさかと思っていた『世界憲法集』がきっちり置いてあり、ヨロコビのあまり、わあーとひっくり返りそうになった。

 再度文庫の棚を眺め直せば、幅広い利用者ニーズに限られたスペースでお応えしております、な内容に「降参」な思い。お色気もスピリチャルも癒し系も前面に出しつつ、玄人筋も横目で押さえている感じ。

 そんな文庫の平積みを、仕事目線でチェックしていたら、森絵都さんの『DIVE!!(下)』の解説を佐藤多佳子さんが書いていることに気づく。

 佐藤さんは私にとってはどうしようもなくスペシャルな作家さんなので、『しゃべれどもしゃべれども』が映画化されると聞いた時には、嬉しいけど出来いかんでは悲しいかも、とかなり複雑だったりする。もうすっかり頭の中で登場人物のイメージができあがっているので、キャスティングの段階で動揺し、「でも演技は、はまっているかもしれないし」と前向きに考えようとしている自分がいる。

 でも、ファンともちょっと違うような気がする。
 例えばもしも私が小説を書くとしたら、こんなのを書いてみたい、というイメージがあるとして、その倍くらいいいものを書いてくださるみたいな。尊敬も信頼もしているし、もしかすると僭越ながらとても波長があうのでは?と密かに思っていたりもする。

 ただし、彼女はスメ[ツ観戦大好き!!なので、そこは決定的にちがうなあ~とちょっと寂しい思いも持っていたりする。

 そんな彼女が森絵都さんの『DIVE!!(下)』の解説を書いているのだから、こっそり?立ち読みしちゃいました。そして「やっぱり気が合うやん!!」と小躍りしそうになるのを、やっとのことで押さえ込んだのでした。

 『DIVE!!』は単行本で出た時には1~4巻までの4冊で、文庫化して上下巻の2冊になった。飛び込み競技に青春を賭ける3人の少年達を巡るお話なのである。

 3人の少年のうち、父母とも飛び込み競技の選手だった(父は現役のコーチ)サラブレッドであり、なおかつストイックに飛び込み競技だけに青春を賭けるため、イケメンなのに彼女がいない要一くんに、佐藤さんはぞっこんだったらしいのだ。そして私も!

 普段は「イケメンなんぞに用はない!」的発言をしているが、要一くんは、かっこいいし、周囲の期待には応えられるし、真面目に練習に励む申し分のない少年である。

 けれど、彼の魅力は、妙に母性本能をくすぐるピュアなところだったりする。一見非常にクールなのに、バカみたいにアツいところ・・・あ、これは鋭く森さんに一本とられましたね。オンナ心の一番の弱点ではないか?というャCントに直撃されるんだもん、ぞっこんにならん方がどうかしてるぜ!とも、思ってしまう。

 なので私は図書館で『DIVE!!』を4巻とも借りて読んだにも関わらず、要一くんが主人公になっている3巻だけは、買わずにはいられなかったのでした。また、この巻の森さんの筆が、冴えまくっているんですよね。『DIVE!!』のなかでもピカピカに光っている部分。

 あっ、もしかして森さんは、『DIVE!!』書きながら要一くんに情が移ったとか!?