紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

新春対談に熱狂

2008-01-02 22:58:31 | 読書
 今日は思いのほか、くつろげてうれしい。少なくともコタツに入り、子どもたちが二人で果てしなくおしゃべりしているのを聞いたり、Kちゃんが隣町のSATYで福袋をうれしそうに買ったり、二人で石焼ビビンバを食べたりして、ささやかな幸せをかみしめる。

 そういえば、私は初「石焼ビビンバ」なのだった。Kちゃんに食べ方を教えてもらったりする。ャCントを押さえた説明の仕方はH氏にうりふたつで、驚くばかり。こんなとこまで似るもんなんや~。おそるべし、DNA。

 で、昨日の続きで、『週刊文春』1/3・10新年特大号に掲載された東海林さだおさんVS岸本佐知子さんの対談である。

 東海林さだおさんから
「10年間、キリスト教の学校に通って宗教は信じますか?」
と聞かれ、
「特定の宗教はないんですけど、私、何でも信じちゃうんですよ。UFOでも霊でも何でも」「世の中にわからないことが多い方が楽しい気がするんですよね」
と答える岸本さん。

それをひとまず肯定しつつも、
「だけど、わからないことに興味があったら、究明しようとするでしょう。」というつっこみに、
「私、しない。わかんないままのほうが面白いです」とあっさり。しかも
「くよくよするけど反省はしないですね、そういえば」と己を省みる岸本さん・・・あれれ?

「ものすごくひどいことやイヤミって、言われたときはその場でわからないことが多いんです。半年くらい経ってから急に気がついたりする。そのときのヘラヘラしていた自分の姿を思い出して、そういう自分も呪ったりして」・・・あれれ、こういうヒト、しってるぞ。
・・・私や。

それから私にとってずっと謎だった、岸本さんによる朝日新聞の書評欄でのベストセラー書評のこと。ベストセラーをメッタ斬り、みたいな面白すぎる危険な匂いが充満した笑いの極北を目指すような書評を、私は毎回、熱狂的に愛読して切り抜いていた。

 彼女がエッセイを書くきっかけは、本業である末フ真面目な学習雑誌『末フ世界』で依頼があったからだとか。そのとき彼女が書いたのは、「あなたもこれで末ニになれる(かも)」という役に立つ話ではなく、寝る前に脳内で一人尻取りをする、という、いかにも岸本さんらしいシュールなエッセイだったらしい。

 すると読者から「岸本のページだけ、全然役に立たないから、なんとかしろ」的苦情が来たそうだ。それを聞いた岸本さん、ひるむどころか、俄然メラメラと闘志が湧き出し、「もう一生役に立つことなんか書いてやらん」と決心したとか。

 でその後、朝日新聞の書評をされることになるのだが、6人いる執筆者の中で、彼女の回だけ苦情が来るという。しかもそれをきいた岸本さんは、意外にも喜ぶのだ。
「うれしかったです。うまく書けたと思う回ほど苦情が多かったので、だんだんと一つの指標のようになってきて(笑)」 

 あの書評は、ホント冴え渡っていたもんなあ。でもあれを笑わずに苦情にしちゃうなんて、ちょっと人生もったいないな。

 対談の終盤にかけては、ノリノリで冴え渡る岸本さん。対談でさえシュールな笑いに走るが、さすが東海林さんは手だれ、丁々発止なやり取りは素晴らしい。ぜひ手に取って読んで見てください。