紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

オムライスの一日

2008-01-12 23:34:31 | テレビ
 明朝の雪を予感させるような、怒濤の風が吹く夜である。しんしんと寒い。これぞ冬!という冷え込み方だ。

 今日の『ちりとてちん』を見た視聴者のお昼、または夜のメニューは、圧涛Iに「オムライス」だったのではないだろうか? 

 ヒロイン喜代美が、自分の夫、草々に対する態度を反省し、彼に本当に喜んでもらうため、草々いはく「一番おいしいオムライス」こと、かつて今は亡きおかみさん(草若師匠の奥さん)が作ってくれたオムライスを何度も失敗しながらも、ついに完成させるのだが・・・。というところで、次週に続くのだ。ウエスタン映画のBGM風に編曲されたテーマソングが「次、どうなるんだ!?」感を盛り上げる。

 ところで、昨日の「よしながふみの言葉」の中に、『ちりとてちん』の脚本(by藤本有紀)とかぶる部分があったのだ。再度、「よしながふみの言葉」より引用。

 私、以前に取材で
「大切な場面ほど人を黙らせている」
と言われて、びっくりしたことがあるんです。


よしながさんは「何を言わせても上手に伝わらない気がしたから」と続いておっしゃっていますが、やはり「沈黙は金」(2007/12/26のブログ参照)なのだ。

 ところで今週は師匠が不思議なくらい登場しなかったので、「これは土曜にドカン!と師匠の発言があるんやろな♪」と楽しみにしていたのだが、思うツボというか予想通りというか・・・いやいや実は予想以上の言葉の(比喩の)技と発想の妙が繰り広げられた。

 比喩でも現実でも「壁」を取り払って歩み寄って結婚した。けれど結婚してお互いがわからなくなり「こんなはずでは」「こんな人だったのか?」と失望した。けれど、それは「わからなくなった」のではなく、「いままで見えてなかったことが、見えて来ただけ。いいとこも、わるいとこも」。なるほどー。至言でございます。

 落語以外にも、人生のツボを相手に考えさせる範囲で、小気味よく示唆してくれる師匠、いままでほぼ、てんやわんやの騒動でしか活躍しなかったヒロインの叔父など、若い人たちのまわりには、意見してくれ、叱ってくれ、おせっかいを焼いてくれるオトナの人たちがいくらもいる状況と、それを素直に聞く態度の若者たち。ちょっとうらやましい。

 現実には、若者にまともに真摯に意見出来るオトナって、めったにいないのでは。キレて怒鳴り散らしたり、高見よりのお説教だったりじゃなくてね。『ちりとて』世界では、そういう人は、「オトナ」じゃなくて「コドモ」ですって。

 そうそう、当然のように、我が家の今晩の子どもたちのごはんも、オムライスであった。卵の量を間違えて穴だらけの卵に覆われたオムライスだったが、味はまずまずだったようで、安堵。

 しかし、草々と喜代美の初デート?のお食事が、ここまで使い唐ウれるとは。おそるべし藤本有紀さん。きっと紅茶のパックを干しては使い回す薄井幸代さん(@「おじゃる丸」)くらい、ネタを使い回せる方なのだ。