紙魚子の小部屋 パート1

節操のない読書、テレビやラジオの感想、お買い物のあれこれ、家族漫才を、ほぼ毎日書いています。

映画にハングリー

2008-06-06 22:50:12 | ノンジャンル
 小学生の頃は地元の映画館と言えばロマンャ泣mを常時上映し、ときたま東映まんが祭が行われるような、ちいさな映画館だけだった。だから年に一度小学校でディズニーや東映のアニメが上演される映画鑑賞会には、今となっては信じがたいほどエキサイトした。

 一度だけ地域の集会場の広場で、野外映画会が行われたことがある。夏だったので、沢山の虫の影が画面上に飛び交っていた。子どもたちも面白がって、頭や手を画面上にかざして大きなシルエットを作っていた。

 小学生も高学年になれば、テレビで洋画劇場という番組があることを知り、それもいきなり『大脱走』なんていう名作を見たものだから思いっきりはまり込んだ。新聞のテレビ欄をチェックしては必死で観た。自分がテレビで見た洋画のテレビ欄の記事を切り抜いてスクラップにしていたくらいだ。小学生の頃は、みうらじゅんぽかったのかもしれない。(だからえらくシンパシーを感じるのかも)夜の11時まであったのに、子どもの生活全般にあれこれ言わなかった親のおかげで、しっかり最後まで見届けられた。私の映画に関する基本知識は小学生の洋画劇場と高校生の時に見た三本立てのチープな名画座で入手したのだ。

 しかし今では経済的、時間的問題が複雑に絡み合い、なかなか映画に行くことはない。よほど「観たい!!!」と思わなければ、決心がつかない。子ども時代とは打って変わって、映画を観ることに臆病になっている自分を自覚する。それからもうひとつの自覚。

 やっと今日の本題に入るのだが、そんな「映画にハングリー」な子ども時代を過ごした後遺症がいまだに自分にあることを、本日はっきり自覚した。そうじゃないかとは、薄々感じていたのだけれど、やっぱり、と納得出来る裏が取れたのだ。

 私は、自動車教習所や免許更新時の、この手のビデオにのめり込んでしまう性癖があるらしい。

 自動車教習所で観た教育ビデオでの一番のインパクトは「ハイドロプレーニング現象」の場面だ。雨の日に水のついた道路で高速運転していると、コントロールがきかなくなることがあります・・・というあれである。それはあまりにスリリングでサスペンスフルな場面だった。おかげで、いまでも雨の水たまり続きの道を走るときには、はたしてブレーキはまだきくのだろうかと心配でたまらない。(高速じゃないから大丈夫なはずなんだけど)

 また免許更新のときにみるビデオ。あれもうきうきするほど楽しい。車にキーをさしたまま、ほんの30秒ほど車を離れたからといって、サングラスにアロハのチンピラグループに車をかっさらわれるなんていう奇跡のようなタイミングの場面を目にすることが出来る。ほかにもけっこう突っ込みどころ満載だったような気がする。

 今日はハローワークへ、失業等給付の説明会に行った。いわゆる失業保険ゲットの第2段階である。昔なら、まず考えられないような大量の失業者にびっくりする。なんでや・・・というくらい、お兄さんやお姉さんたち、おじさん、おばさんたちがひしめいていた。こんなにいっぱい失業者つくって、ニッャ刀A大丈夫なのか?と天下国家に関することを、かなり真剣に心配する。

 説明会で、この辺の言葉で親しみやすく話してくれる職員の女性から、給付に関する説明を一通り受けた後、ビデオの時間となる。ブラウン管?に画像が出てくると、それがどんなビデオであれ、いきなり胸がときめく。ブラウン管の中では、にこやかで上品なピンクのスーツを着たおねえさまが進行役となり、てきぱきと説明を開始し、Q&A映像を織り交ぜながら、どんどん話を進めて行く。
 
 ところが話が大詰めの不正給付について説明を要する箇所にくると、突如、説明するのはピンクでにこやかなおねえさんから、コミカルさを消去した西村雅彦(とくに頭の感じ)にバトンタッチされた。しかもこの給付調査員のおじさんは、ここぞ!とにらみをきかす時には、西村雅彦でなく高橋英樹目線となる。時代劇で悪をやっつけるときの正義の味方目線である。

 不正給付に睨みをきかす高橋英樹目線!! ナイス!! 
 こんなものを発見してしまったら、もう、ウキウキである。ちょっと上目遣いで、眉をかっこよく寄せる高橋英樹目線の西村雅彦。サイコーだ。