5年以上前からのことだと思うが、水利権がらみのウォータービジネスがどうのこうの・・・という話は定期的に投資の議題に上がっている。
途上国での水の需要が今後うなぎのぼりになるはずだと言う。
しかし川水にしろ地下水にしろ、そもそも水は無限にあるわけではない。
そこでそのうち取り合いになる。
取り合いになったら高い金積んで落札したほうが勝つ。
そこでは大きな銭が動くのでビジネスチャンスがある。
・・・という寸法らしい。
飲料水しかり。
農業用水しかり。
工業用途しかり。
個人がこれに参加するいちばん手っとり早い方法は、水関連銘柄の株を買うか、ウォーターファンドと言われる投資信託を買うか、のどちらかになる。
さて。
はたしてどういう銘柄がそこでは主戦場なのだろうか。
投資信託の主要構成銘柄を覗いてみた。
そこでわかったのは、日本で言うところの地方自治体の水道局のような先進国の民間企業(以降、水道屋)が主要構成銘柄で、発展途上国の水道屋だとか水道設備関連の製造業が少しばかり組み込まれているということ。
つまるところ、ウォーターファンドは先進国の水道屋の業績に非常に強くトラッキングするということになる。
ということは・・・
買うほうの立場としては、先進国の水道屋が発展途上国のインフラ整備を丸ごと受注することを期待して・・・というのがウォーターファンドのパンフレットを読んで受ける正しい印象であろう。
これは果たして正しい解釈なのだろうか?
どうも間違っている気がしてならない。
ひところは水道屋が他国の水道事業に食い込むような多国籍企業的な展開をやっていたようだが、今はどうやら撤退して自国内だけのビジネスに切り替えるほうが主流のようで、積極的に海外展開をやるほうがむしろ少ないように見える。
では、発展途上国のインフラ整備は誰がやるのか?
どうやら国が整備や運用を自前でやって設備だけ外から買ってくるケースが多いように見える。
恐らく、先進国の水道屋の大多数は発展途上国にほとんど関係していない。
ウォータービジネス関連株はグロース(成長期待)ではなかったのか?
たぶん、大勢において間違いだといえるほうにより近いのではなかろうか。
電気は無くても生きてはいけるが、水は無いと生きていけない。
日本でも、おかげで料金未払いでも水道だけは半年までは止められない。
おまけに水道屋の原材料費は発電より安定している。
だから水道屋というのはグロースではなく景気変動耐性のあるディフェンシブ銘柄といったほうがよかろう。
つまりウォーターファンドは概ねグロースではない。
しかし水道設備関連の株を個別に買うのであればグロースになる。
日本株で水関連銘柄はないのか?
水道設備関連ならある。
栗田工業とか。
水道屋は無い。
水道局は民間企業ではないからである。
ではなぜ水道局を民営化しないのか?
日本はしていないだけで、先に述べたように海外では民営化している国もいくつかある。
たぶん早期にそれをやったのはイギリスだろう。
イギリスはサッチャーのときのマニュフェストであった小さな政府の一環で民営化したようだ(日本ではマニュフェストというと『絵に描いた餅』と同義になってしまった気がするが、ちゃんとこなす国もあるようだね)。
その後の評価はどうなのか?
あまり芳しくないようだ。
水道料金が値上がりしたと文句を言っている。
どこかで水道料金の支払いのうちの12%が利払いとして銀行へ行く分と配当として株主へ行く分で消えていると文句を言うのも見かけた。
おまけに民営化したことにより効率が上がるかと思えば、結果論としてはそうではないらしい。
原因は水道が地域独占で競争にならないからであり公益企業は民営化に向いていないのだという分析もある。
アレコレ読んでいると、どうやら水道局の民営化は良いものではないというコンセンサスができているのではないかという気もしないでもない。
民営化して自由競争にさらした後になってお上がガッチリ手綱を握る方向にやや作戦をシフトしているようだ。
では、水道屋は民間企業からまた国営企業に逆戻りするのだろうか?
現時点ならばたぶんそれは無い。
先進国はどこも財政出動で余分な銭がないからだ。
たぶんしばらくは、民営化したはいいものの自由競争にも陥らずかといって国営化される心配もなく原価は安定し売り上げも安定し、ようするにヌクヌクと安寧に暮らす・・・なんてビジネスになるのではなかろうか。
ある種の究極のディフェンシブ銘柄である。
どれくらい安定しているかという証拠もある。
水源や社債の期限が40~50年先なんてのはザラである。
水道管の減価償却期間なんて250年なんてのもある。
イギリスなんてビクトリア朝(1837~1901)時代に建設された水道管が未だに使われているんじゃないかと言われている有様だ。
そんな古い設備で大丈夫か?
だから水の損失が多い。
たしかイギリスが25%程度のロスで日本は10%以下のロスだとかどっかで読んだような。
(長いから2分割します・・・以降後編にて)
途上国での水の需要が今後うなぎのぼりになるはずだと言う。
しかし川水にしろ地下水にしろ、そもそも水は無限にあるわけではない。
そこでそのうち取り合いになる。
取り合いになったら高い金積んで落札したほうが勝つ。
そこでは大きな銭が動くのでビジネスチャンスがある。
・・・という寸法らしい。
飲料水しかり。
農業用水しかり。
工業用途しかり。
個人がこれに参加するいちばん手っとり早い方法は、水関連銘柄の株を買うか、ウォーターファンドと言われる投資信託を買うか、のどちらかになる。
さて。
はたしてどういう銘柄がそこでは主戦場なのだろうか。
投資信託の主要構成銘柄を覗いてみた。
そこでわかったのは、日本で言うところの地方自治体の水道局のような先進国の民間企業(以降、水道屋)が主要構成銘柄で、発展途上国の水道屋だとか水道設備関連の製造業が少しばかり組み込まれているということ。
つまるところ、ウォーターファンドは先進国の水道屋の業績に非常に強くトラッキングするということになる。
ということは・・・
買うほうの立場としては、先進国の水道屋が発展途上国のインフラ整備を丸ごと受注することを期待して・・・というのがウォーターファンドのパンフレットを読んで受ける正しい印象であろう。
これは果たして正しい解釈なのだろうか?
どうも間違っている気がしてならない。
ひところは水道屋が他国の水道事業に食い込むような多国籍企業的な展開をやっていたようだが、今はどうやら撤退して自国内だけのビジネスに切り替えるほうが主流のようで、積極的に海外展開をやるほうがむしろ少ないように見える。
では、発展途上国のインフラ整備は誰がやるのか?
どうやら国が整備や運用を自前でやって設備だけ外から買ってくるケースが多いように見える。
恐らく、先進国の水道屋の大多数は発展途上国にほとんど関係していない。
ウォータービジネス関連株はグロース(成長期待)ではなかったのか?
たぶん、大勢において間違いだといえるほうにより近いのではなかろうか。
電気は無くても生きてはいけるが、水は無いと生きていけない。
日本でも、おかげで料金未払いでも水道だけは半年までは止められない。
おまけに水道屋の原材料費は発電より安定している。
だから水道屋というのはグロースではなく景気変動耐性のあるディフェンシブ銘柄といったほうがよかろう。
つまりウォーターファンドは概ねグロースではない。
しかし水道設備関連の株を個別に買うのであればグロースになる。
日本株で水関連銘柄はないのか?
水道設備関連ならある。
栗田工業とか。
水道屋は無い。
水道局は民間企業ではないからである。
ではなぜ水道局を民営化しないのか?
日本はしていないだけで、先に述べたように海外では民営化している国もいくつかある。
たぶん早期にそれをやったのはイギリスだろう。
イギリスはサッチャーのときのマニュフェストであった小さな政府の一環で民営化したようだ(日本ではマニュフェストというと『絵に描いた餅』と同義になってしまった気がするが、ちゃんとこなす国もあるようだね)。
その後の評価はどうなのか?
あまり芳しくないようだ。
水道料金が値上がりしたと文句を言っている。
どこかで水道料金の支払いのうちの12%が利払いとして銀行へ行く分と配当として株主へ行く分で消えていると文句を言うのも見かけた。
おまけに民営化したことにより効率が上がるかと思えば、結果論としてはそうではないらしい。
原因は水道が地域独占で競争にならないからであり公益企業は民営化に向いていないのだという分析もある。
アレコレ読んでいると、どうやら水道局の民営化は良いものではないというコンセンサスができているのではないかという気もしないでもない。
民営化して自由競争にさらした後になってお上がガッチリ手綱を握る方向にやや作戦をシフトしているようだ。
では、水道屋は民間企業からまた国営企業に逆戻りするのだろうか?
現時点ならばたぶんそれは無い。
先進国はどこも財政出動で余分な銭がないからだ。
たぶんしばらくは、民営化したはいいものの自由競争にも陥らずかといって国営化される心配もなく原価は安定し売り上げも安定し、ようするにヌクヌクと安寧に暮らす・・・なんてビジネスになるのではなかろうか。
ある種の究極のディフェンシブ銘柄である。
どれくらい安定しているかという証拠もある。
水源や社債の期限が40~50年先なんてのはザラである。
水道管の減価償却期間なんて250年なんてのもある。
イギリスなんてビクトリア朝(1837~1901)時代に建設された水道管が未だに使われているんじゃないかと言われている有様だ。
そんな古い設備で大丈夫か?
だから水の損失が多い。
たしかイギリスが25%程度のロスで日本は10%以下のロスだとかどっかで読んだような。
(長いから2分割します・・・以降後編にて)