教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

水道とウォータービジネス(後編)

2011-02-19 00:01:48 | 経済/経済/社会
(前編より・・・長いから2分割しました)



日本は優秀なんだ?

いや微妙だ。
日本が優秀なのは単に水道管が新しいからな可能性もある。
水が漏れているだけなら再敷設するコストとにらめっこして放置するという選択肢は十分あり得る。
だから日本が優秀だという判断は早計だ。

日本は水道水を直接飲めるから優秀なのではないのか?

いやそうでもない。
日本と同じような地形をしているイギリスも水道水を直接飲めるし、そういう国は他にもある。
これは日本固有の性質ではない。

ちなみに。
韓国は『自称』水道水を直接飲める国である。
しかし、そう発言した水道局の職員も含めて誰一人として水道水を直接飲むヤツはいない。
先日だって、口蹄疫で処分して埋めた豚の死体の血が蛇口から混じって出てきたなんてニュースがあったくらいである。
そんな水道の水を飲めると思うほうがおかしい・・・、いや、そもそも韓国人が作ったモノを信用するほうがおかしいのかも・・・。
おかげで韓国では家庭用浄水器がかなり売れる。
日本でもイギリスでも直接飲めることと『自称』直接飲めることを考えると、韓国製の水道管がクソなのか工事した韓国人がクソなのかのどちらかなのはほぼ間違いない。

日本の水道運用技術が韓国なみにクソだということは絶対ありえないが、しかしわたしは他の先進国と比べても飛びぬけて優秀であるという解釈には疑問を感じる。
他の先進国なみということは十分ありうる。

日本は水道運用技術を輸出しているのか?

まあ、設備はそこそこ輸出しているだろう。

ただ、他国のインフラを丸抱えした例はわたしが調べた限り1例しかない。
イギリスの水道屋の子会社になっていたオーストラリアの水道屋を東京都や三菱商事なんかの日本企業連合が落札したという話である。
ただ世界的風潮としては、先に述べたように他国の水道事業は撤退するのが世界的傾向なので、日本だけ世界的風潮からは外れたことをしようとしているのかもしれないということには注意が必要だし、おまけに日本の水道運用技術の優位性については甚だ未知数というしかない。

つまるところ、ウォータービジネスは投資としてはどうなのか?

ウォーターファンドは買いたくない。
さきのようにパンフレットの説明と構成銘柄の性質が必ずしも一致しているわけでもないからという理由による。
だから買うなら個別株を直接買おう。

水道設備関連株なら買う価値は十分あるかもしれない。
海水淡水化の逆浸透膜関連銘柄は伸びるのかもという期待を感じさせる。
これこそ本当のグロースだろう。
けど、こっちは調べてピンとくる銘柄がなかったので手をつけていない。
そもそもグロースというのは、ビッグビジネスになるとふんだ企業が大挙して押し寄せて群雄割拠の状態にすぐなるので、当たる銘柄選びはそうカンタンなものではない。

つぎに国内企業の水道屋。
上場企業はないから買えない。
以上。

さいごに外国の水道屋。
現時点でかなり株価を戻しているので、値上がり期待よりもディフェンシブ銘柄として買いたい。
先進国はどこも金利は当面ゼロ近くに下がりっぱなしだろう。
そうすると、商売が安定している企業は長期債務の借り換えが進めば進むほど財務体質が良くなってくる。
ふつうの企業はそんな2桁年なんて長さの債権はそうそうたくさんは発行しないので、現時点でこれからも徐々に良くなりそうなのは水道屋など一部のディフェンシブ銘柄に限られる。
これはありだと読んだ。

銘柄を選定してみる。
水道屋はものすごく古い設備をかかえていて簿価が実勢価格を反映しているのか大変疑問に感じるので、PBR(株価純資産倍率)の絶対値はあまり当てにはならないように思う。
PER(株価収益率)はどうかというと、そういう観点で見るとどれもどっこいどっこいくらいの株価になっていて、イマイチ選定する基準にはならない。

では、どうやって選定すべきか?

汚染事故の頻度や水質の良し悪しなどの統計や評判を見てみて、品質に自信がありそうなところを選定してみる。
それから現時点でも継続的に海外展開をやっていけるだけの余裕があるところを選定してみる。
それからディフェンシブ銘柄ということであまりハイリスクを負ってハイリターンを目指したいわけでもないので、下位グループになる会社は除外。
それから、できれば単なる水道局というオペレーターに終始するだけでなく、多少は技術でモノが言える企業のほうが、先々に期待できて持ってて楽しい。

それで残ったのの1つがSevern Trent(セバーン・トレント)というイギリスの水道屋。
さっきからやたらイギリスの水の話ばかり出てくるのは、結果的にここに注目したから詳しくなってしまったという事情がある。



ちょい前の金利の話にもどる。


Severn Trent の債務の返済時期
公式サイト Investers centre より拝借
http://www.severntrent.co.uk/server.php?show=nav.32


イギリスの金利チャート
外貨ドットコム 英国政策金利の推移 より拝借
http://www.gaitame.com/market/britain.html

上図のように債務は2050~60年代という超長期の分まであるくせに、返済時期は意外にかたまっていて2016年あたりに集中している。
Severn Trentだけがこうなのではなくて、競合他社もこのようになっているところはある。

ちなみに金利は下図のようにリーマンショック後に超低空飛行を強いられていて一向に回復する気配がない。
最近は景気の低空飛行よりもインフレ懸念になっているからあと1%くらいは最悪上がるかもしれないが、せいぜいそんなものだろう。

ということは。
2016年あたりの債務の集中を乗り切れば、さらなる安定かつ高収益な企業に変身する可能性があるというわけだ。

ちょいと先が長い話になるが、みすみす仕込み時を逃す必要はない。



これからは日本以外の先進国の水道屋は買いだ。
我輩もSevern Trentの株を買ってみた。
この読みに対する明白な結果が出るのはあと10年後というところだろうか。