教団「二次元愛」

リアルワールドに見切りをつけ、二次元に生きる男の生き様 (ニコニコでは「てとろでP」)

農協のアパートはダメだ

2011-04-03 00:01:47 | 経済/経済/社会
昨今では、個人でアパート/マンション経営をやるという投資スタイルが比較的定着している。
中でも、田んぼばかりの地方へ行けば、農協のからむ割合がかなり高くなる。
しかし本来からして農協は不動産屋ではない。

はたしてどうなのか?

個人でマンション投資をしており、かつ農協がらみのアパートを借りようとしたことのあるわたしが私見を述べたい。



まずアパートを借りる側の立場として、農協の物件はかなり借り辛い。
借り手に要求する条件がかなり厳しい。
わたしが提示された条件を列挙しよう。

・連帯保証人をつけること(これだけは当然)
・連帯保証人が近県在住であること
・連帯保証人が定職を持っていること
・連帯保証人が持ち家であること

とまあ、こんなことを要求される。
わたしの場合、親が近県在住ではないというところで引っかかって借りられなかった。

なぜこういう要求をするのか?

そりゃーもちろん、家賃滞納リスクを回避しようとしているのだろう。

他の不動産屋はどうなのか?

わたしが契約している個人経営の街の不動産屋はどうかというと・・・

・連帯保証人をつけること(農協に同じ)
・借り手本人を見て、勤め先を見て、個別に判断

と、それだけでしかない。
それが普通だろう。

では、わたしに物件を貸すのは格段のリスクを伴うのか?

そうではない。
さきの街の不動産屋はそうは言っていない。
わたしの勤め先は上場企業でもあるし、不動産屋としては家賃滞納リスクが非常に少ない、(公務員と並んで)これ以上ないほどに優良なお客だと言っていた。

しかし農協はそういう判断はしない。

なぜか?

これは仮説だが・・・
農協は恐らく、自分では家賃滞納リスクをかぶっていない。
そうではなくて、家賃を滞納したヤツが現れてアパートオーナーから苦情が来るリスクを回避しようとしているのではなかろうか。

だとしたら、
「うちは家賃を滞納しそうな人には貸しませんから安心してください。貸すにあたってはこのように厳しい審査基準を設けておりまして・・・」
と、アパートオーナーに説明するためだけに条件を設定しているようにしか思えないわけだ。

もし本当に優良なお客がやって来たとしても、自分では家賃滞納リスクをかぶっていないので、賃貸を断っても自分のサイフは痛みはしない。

実はこういう借り手にとってサービスの悪い行いは農協に限りいくつもある。

例えば、土日やっていないとか。
街の不動産屋で土日休みだったら借り手は店に来ないだろう。

例えば、戸建の住人と同じレベルの地域参加を要求するとか。
さきの街の不動産屋は
「賃貸物件の住人は単なる仮の住まいであってそのうち出て行くのが前提だから地域参加はしなくて良い」
と、地域住人に取り次いである。
これは非常にありがたい。
一人暮らしではマトモに平日の夕方の地域集会になど参加できるわけがない。
わたしはこういう煩わしいことを回避するためにプレミアムを支払っても良いと思うくらいであり、そのためだけに賃貸物件に住んでも良いと思うくらいである。
しかし農協はそうではない。

これは個別事例で一般論たりえないかもしれないが・・・
我が家の近くのとある物件で2階が水浸しになった事故があったらしいのだが、それを1階に住んでいるヤツの過失にしようとして損害賠償になりそうになったとか。
(この後、1階に住んでいるヤツがボロクソ文句いって農協が引っ込んだのだが、あまりにも相手の態度がムカついたので当人は速攻引っ越した)

それに。
そもそもコイツには貸したくない感がプンプンしてきており気分を害した。

農協はマトモに借り手に優しいサービスをしようとする気がないのは明白である。



農協のサービスが悪いのはわかった。
では逆に、街の不動産屋の物件は滞納リスクが高かったりトラブルを起こしやすかったりする借り手ばかり入居しているのだろうか?
ならば農協のほうがまだマシという事もありえるのではなかろうか?

それは違う。
さきの街の不動産屋は別のところでリスクを回避している。

地域最安値帯の物件はトラブルを起こす人が入居しやすい。
逆にある程度の家賃を支払えるだけの収入がある人はトラブルを起こしにくい。
だからさきの街の不動産屋はあまりローコストなアパートを建てることはせず、ちゃんと高い家賃取れる建物を建てることでリスクを回避している。

わたしが投資マンション買うときもこれには注意した。
自分が住みたくないと思うほどのチープな物件は、上記のようにリスクを伴う住人が入居するかもしれないため買うべきではない、そう判断して選んだ。

しかし農協はそうではない。
わたしの住まいの周りにも農協の物件は数多くある。
これらはほぼ全部が田んぼを潰して建てたものだろう。
そういうモノを見て回るとアカラサマにボロいのが目につく。
典型的なオンボロアパートそのものだ。
同じローコストで有名な大東建託のアパートと比べたとしても天と地ほど質が違う。

で、実際のところリスクは回避できているのか?

さきの街の不動産屋の場合は、ときどき1ヶ月ほど家賃待ってくれというヤツが現れるらしいが、これまで長期滞納者は現れたことはないそうな。
これは正常な範囲内で、例えばわたしの投資しているマンションなどでもマンション全体での回収率は98%くらいであり、何十部屋もあれば1ヶ月ほど滞納するヤツが1人くらい現れるのは普通だと、世間ではそう言われている。

農協のほうの滞納状況は知らん。
家賃は地域最安値帯であろうと思われる農協の物件はアヤシイとしか言いようがない。

しかし、明確に言えることがある。
そもそも人が入っていない!

1階に2つ、2階に2つの、ふつうのアパートを例に出してみる。
わたしの住まいの近くにある農協アパートである。
実はこれ、年の単位で半分も空室のままになっている。
マンション投資でいえば異常事態だし、ふつうはローン返済を考えるときにそこまで客がつかないことは想定しない。

そんなので良いのか?

農協にとっては恐らくそれで良いのだろう。
仮に農家を丸めこんで田んぼを潰してアパート建てさせることと管理手数料でビジネスにしているのなら、いくら空室だろうが関係ない。

しかし!

アパート建てた農家はブチ切れている。
「農協のアパートには人が入らなくて大家さんブチ切れているらしいですよ」
という話を複数の不動産屋から聞いた。
ブチ切れるのも当然であるし、同じ個人の不動産経営者として同情もする。

なぜこんなことが起きたのか?

明確な敗因がある。
空室リスクをかぶるヤツが自分1人だけだからだ。

世の中には家賃保証というシステムがある。
ふだん掛け金を払っておけば、空室が出たら代りに家賃相当分を払ってくれるというシステムだ。

このシステムの良いところは常に家賃が入ってくるというところだけではない。
契約した相手方が空室リスクをかぶることになるので、空室になったら必死になってお客を見つけようとしてくれるのだ。
だから家賃保証があるところで年の単位で半分も空いているなんてことは絶対に起こり得ない。

恐らく、農協は借り手がつこうがつくまいが関係ない。
それが敗因だ。

そもそも農協は借り手として見た場合に大変不満の残る管理会社である。
わたしはアパートの借り手であると同時にマンション経営者でもあるが、そういう貸し手として見た場合においても、借り手にとって不愉快なヤツに自分の財産を任せようという気がおこるわけがなかろう。



「マンションは管理を買え!」というコトワザがある。
そういう意味でいえば、入居に際して過剰に条件が厳しい農協は、一見すると管理はシッカリしているように見える。

しかし!
真実は正反対である。

客寄せを任せているのに客をつけられないヤツがシッカリしていると、いったいどこの口が言えるのか?