笑顔浴

優しい時間

温故知新

2009年09月04日 | Weblog
石井朝子氏の講演「DV被害者への適切な支援・介入について」
を拝聴するチャンスを得た。
「DV被害者の支援に関するガイドライン作成に関する研究」H19年度
に研究成果をまとめた女性。

私が惹かれた挨拶
「多くの研究報告が提出されているが、提出したら終了が多い。
報告することで、世の中がよくならなければ意味がない。
私は、全国の相談員のレベルがまちまちなので
この研究結果を根拠に相談員の対応の底上げをしたい」
と挨拶なさったこと。行動する人物なのだと感じた。
マインドフルネスを広げたいとおっしゃった。

1正確にアセスメントする。
 *暴力を数値化して相談者の主観によらない
 *DVSI(検証済み)を用いる=暴力測定

2DV被害者支援方法の具体例
 *DBT(弁証的行動療法)の紹介とレクチャー

DBTの練習の仕方。
まず自分が体感することが必要で、
練習はイライラした時がベストチャンス!

「今、手のひらが温かい」「のどの奥が痛む」などと体感に集中し
「今、私はかなりムカムカしている」
「私の思い通りにならなくて腹を立てている」と今の感情を客観視
 すると少なくとも感情に飲み込まれていない。






(メモ)

 弁証法的行動療法(DBT)とは「境界性人格障害」で脚光を浴びた治療法
 (Dialectical Behavior Therapy:DBT)は
 ワシントン大学のマーシャ・リネハン博 士(Marsha M.Linehan,PhD)に
 よって開発された治療法。現在欧米においてその有効性が立証され、
 広く支持されている。境界性人格障害のみならず、薬物依存や自殺未遂を
 くりかえす重症のうつ病にも効果があるらしい。
 石井氏は直接彼女の元で学ばれた。
 

 DBTの治療は大きく分けて4つの要素からなる。

1マインドフルネス(Mindfulness)
2 対人関係のスキル(Interpersonal Effectiveness)
3 苦悩の受容(Distress Tolerance)
4 感情の統制(Emotion Regulation)

マインドフルネスとは簡単に言うと「あるがままを受けいれる」。
辛いこともあるがまま素直に受けいれること。
リネハン博士が東洋の禅の思想に触れて精神療法に取り入れた。

対人関係のスキルとは簡単に言うと、他者との接し方を変えること。
自己評価が極端に低い人格障害の人も自尊心を傷つけることなく
コミュニケーションできるようになる。

苦悩の受容とはマインドフルネスの応用。
辛いことを素直に受け止めると、前向きに生きれる。
実際は嫌なことを素直に受けいれるのは難しいが
瞑想もとりいれ、毎日訓練すると自然に受けいれられる。
仏教的にいえば執着がなくなるということ。

4の感情の統制は、感情をコントロールする方法を学ぶ。
怒りを押さえ込もうとしてもかえってストレスはたまる一方。
頭をきりかえたり、前向きなことを考える時間を増やす。
感情が爆発したら普段と違う行動をする。

まさに、日本の精神鍛錬法を逆輸入って感じでしょう・・ 







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