雨宮処凛×対談
今「この国の不寛容の果てに」を読んでいます。
つくいやまゆり園で起きた大量殺人事件についての対談です。
犯人に死刑が求刑されました。
この対談が企画されたのは
犯人の主張を支持した人々の存在を通して
現代の日本人の価値観を問うた気がします。
私が犯人と同じ行為をしなくても
同じ思考が無いと否定できるか?
私自身にある<非情さ>を味わいます。
私の幸福は、他者の犠牲により成立するなら
他者の不幸はしかたがないとする 自己中心的な考え方です。
例えば、
私の快適な暮らしを奪われるなら、
今、どこかの国の人が異常気象により、
生命や自宅や仕事や故郷を喪失することを忘れる とか。
紛争地域から逃れた難民に同情はしても
様々な理由で、受け入れないとか。
私が特別何かをしなくても、どこかで優秀な誰かが、
うまい具合に解決してくれるだろうとか。
瀬戸内海の島に、生涯を封じ込められた人々がいて
国策を非難する声が、上がりましたが
「病気がうつるなら、しかたがない」と
黙認したのは、周囲の人々でした。
優勢保護法下では、強制的に避妊手術が行われました。
施設職員の生理介助が面倒との理由から
子宮を取られた障がい女性達がいました。
「忙しいので、しかたがない」
2019年、台風19号の被災者が目指した避難所に、
路上生活者は入れてもらえませんでした。
「ホームレスは税金を払っていないから、しかたがない。
臭い・不潔等の衛生上の問題があるから、しかたがない」
<人助けランキング、日本は世界125位で最下位>という
無関心で、冷たい国にしてしまったのは、誰だろう?と考えます。
きっと、私と 私の親しい人々も含まれてるはず・・・
「しかたがない」を言う前に もう少しだけ
1 見知らぬ人を助ける
2 寄付をする
3 ボランティアをする
を考えてみます。
(参考)
英国の「チャリティーズ・エイド・ファンデーション(CAF)」が
世界の国々を対象に、人々のGiving(他者に与えること、寛容度、人助け度)
の状況を調査して”World Giving Index”(世界人助け指数)を発表している。
2009年から毎年行われているこの調査は、
「この1ヶ月の間に、見知らぬ人、或いは、助けを必要としている見知らぬ人を助けたか」、「この1ヶ月の間に寄付をしたか」、「この1ヶ月の間にボランティアをしたか」という3つの観点から各国の人々にインタビューを行い、各国の寛容度を採点している。
CAFは、2009年から2018年まで10年間に渡り、125カ国以上の国々を対象に、
130万人以上の人々にインタビューを行った。
この10年間の調査データを集計して出した”World Giving Index 10th edition”
10年間総合ランキングを2019年10月に紹介した。
1位アメリカ、2位ミヤンマー、3位ニュージーランド。
総合順位の世界最下位は、中国。
日本の総合順位は、126カ国中107位だった。