笑顔浴

優しい時間

野施行

2009年03月09日 | Weblog
子供の頃、
CMで流れる「一日、一善」で育った私ですが
俳句の季語になっている野施行のことを知りませんでした。

エサの少ない寒中の鳥獣への施しを野施行と称して
巣穴の近くや通り道に、赤飯や油揚げなどをお供えしたそうです。
善を重ねると、困った時に助けてもらえると考えられていました。

節分で外に向かって豆をまくのも野施行。
鬼を追い払いながら、投じた豆が小動物の餌になるそうです。
家の外に出された見えない鬼も、拾って食べるかもしれません。
小石の代わりに豆をまく、殺傷道具は使わない。
深いところで
日本人の優しさ美しさみたいなものを感じます。



ところで・・・
上方落語の「吉野狐」や藤山寛美さん主演のお芝居『笑説 吉野狐』に
「野施行」が登場しますのでご紹介します。

(あらすじ)
主人公の島三郎は商売に失敗し、親から勘当されてしまいます。
川に身を投げようとしていたとき、通りすがりの男性に助けられ、
その男性の勧めでうどん屋を始めます。

しばらくすると、
島三郎の片思いの相手で美しい吉野が訪ねてきます。
吉野は嫁がせてほしいと迫り、夢が叶って二人はめでたく結婚。

美人の女将がいるということで、うどん屋は大繁盛。
しかし、吉野はかつて島三郎が助けた狐の化身でした。
店に本物の吉野が訪れてばれてしまいます。

今日のお楽しみに
落語のCDを借りて味わうのはいかがでしょう?

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