菊地晴夫の美瑛写真家日記

美瑛・富良野の旬の情報や、最近の出来事をご紹介いたします。

ふきのとう

2008年04月08日 | Weblog
 
今日も終日穏やかな天気でした。
予報では朝から晴天ということでしたが曇り空。
それでも気温は17度ほど。
風もなくこの気候はやはり5月上旬頃ということです。
暖かいのは歓迎ですが関東では大荒れだったりと、この時期としては少し異変を感じなくもないところです。

このところの陽気で、雪の下で越冬した秋まき小麦が生気を取り戻しています。
隣の麦畑では肥料蒔きが始まりました。
おそらく2週間以上早い作業になると思います。
青々とした緑に様変わりしていくのも、すぐそこまで来ています。

沢ではふきのとうが芽を出し始めました。
このふきのとう、芽吹いた頃は被写体にもなるのですが、この後気がついた頃は巨大な物体に変身しているから不思議です。
やはり印象に残るのは、どんな被写体でもかわいい時期が最良なのでしょうか。

《芽吹くふきのとう》Hasselblad 503C/W,Sonnar 150mm,1/4sec. f/16 RVP



春霞

2008年04月07日 | Weblog
 
昨日、今日と美瑛はぽかぽか陽気です。
屋根からの落雪がたまる場所があり、ここは毎年最後まで残るのですが今日ですっかり無くなりました。
いよいよ春到来といった感じです。
といっても本格的な芽吹きはGW頃ですから、まだ2~3週間は三寒四温が続きます。

今朝は雲雀のさえずりを聞きました。
今まで毎日のように餌台に来ていた鳥たちは姿を消し、近くの雑木林ではいつの間にか違った鳥たちの鳴き声に変わっています。
鳥の習性まではわかりませんが、季節によって入れ替わるようです。

この時期の気象現象と言えば春霞。
気温が高くなるにつれて霞が多くなってきます。
山並みはやや見えにくくなりますが、逆に赤く染まりながら沈む太陽を見ることが出来ます。
霞の条件次第では、まるで水彩で描いたような太陽に見えることすらあります。
この写真は中判カメラの500mmという望遠レンズに、テレコンバーターを付けて1,000mmで撮影しています。

その時々で様々な風景を見せてくれるのが、美瑛の大きな特徴です。

《木立に沈む》MAMIYA 645AF 500mm×2 F-11 RVP


ポジは美しい

2008年04月05日 | Weblog
 
今日も一日ぐずついた天気。
時折、小雪も混じるほどでした。

東京滞在は今回はいつもより少し長く9日間。
この時期でも留守にするとさすがに仕事が追いつかず、戻ってからずっとデスクワーク。
夕方近くになりようやく少し目処が立ってきた状態です。
といっても、まだ一番大事な仕事が残っており、それはどうしても明日中に仕上げなければなりません。
この夏G-8サミットが洞爺湖で行われますが、それに向けて道内作家によるオフィシャル写真集の刊行が迫っているからです。
プレゼン用のカットを何点か明日中にプリントして、事務局に送らなければなりません。(すでに締め切りは今日でした)
そんな大事なことをとお思いでしょうが、いかんせん戻ったのが一昨日前。
それも連絡が来たのは上京の日ですからどうにもなりません。
夜中にプリントはしたくないので、明日に回しました。

この写真は「写真ライフ」の口絵用とカレンダーセレクト時のポジ原版。
「う~ん、フイルムは実に美しい」
改めてそう感じました。
カレンダーのカットは最終的にはポジを並べて決めるようにしています。
あれだけ調整したのに、やはり入れ替えが出てきました。
こちらが変わるとあちらも変わる。
こんな調子でほぼ一日がかり。それでも2009年版3種類ともセレクトはすべて完了、後は印刷所へ色分解に出すだけです。

さて、今夜はもう一仕事。オフィシャル写真集用のセレクトに入ります。


自己表現-02

2008年04月04日 | Weblog
 
今日は終日曇り空。
暖かかった東京と違って、日が射さないと特に冷え冷えと感じます。
気温20度というと美瑛では5月に入ってからですから、やはり1ヶ月ほどの気温差があります。
緑風の時期が待ち遠しい限りです。

今日の写真も自分流。
昨日は商用写真のウェイトが多くなってきているという話をしましたが、やはり我々は「撮ってなんぼ」いや「売ってなんぼ」の世界です。
そのバランスが難しいですね。
全く売れないかも知れませんが、いつかは自分流カットだけを納めた写真集などを制作してみたいと思っています。

《ススキ色づく》Hasselblad 503C/W,Distagon 60mm,1/30sec. f/11 RVP

自己表現

2008年04月03日 | Weblog
 
先ほど美瑛に戻ってまいりました。
もう少し雪が無くなっているかなと思っていたのですが、意外に気温が低かったせいか予想よりは残っていました。
それでも浅春といった趣に変わっています。

出張最終日の昨日は、なんと千葉でした。
これまた大変お世話になっている方からのお気遣いで、上京しているのなら是非一献と言うことで出かけました。
ちょうど別件での打ち合わせもあったので、それも兼ねてお言葉に甘えたしだいです。
打ち合わせも早々に終わらせて、早速お食事と相成りましたが、こちらは準日本食+日本酒です。
「こんな時、なんでも飲めてお付き合させていただける私は、なんと幸せな人間なんでしょうか。もしかしたら、これが私の最大の才能なのかも・・。」(単なるのんべということでしょ)
美味しい日本酒と寿司の世界では芸術品に近いと思っているコハダなどをいただきながら写真談義に花が咲きました。

今回はお酒を通していろいろな方とお話しさせていただきましたが、痛烈に感じたことがありました。
それは、最近の私の撮影スタンスが、自己表現の写真からやや商業写真を主眼をおいていることに気づかされたことです。
実は自身も感じていたことですが、当初から比べるとそのウエィトが逆転していることが多々あります。
これは非常に難しい問題で、自分の作品だけを追い求めても一般的にはあまり受け入れられないし、その逆を行うと写真ファンに指示されなくなると言うことです。

このアップの写真は自己表現に近い作品。
常にそのジレンマと闘うわけですが、今シーズンは初心のイメージ+商業写真を両立して撮影していければと強く感じたしだいです。

今回の上京も非常に充実した日程となり、いつも思うのですが、都会の空気を吸うということは非常に大切なことだと痛感して戻ってきました。

《大地の畝》Hasselblad 503C/W,Sonnar 250mm,1/2sec. f/32 RVP

東山芸術

2008年04月01日 | Weblog
 
今日の東京は快晴でしたが、北風が強く吹き荒れました。
カメラ片手に桜でもと思っていたのですが結局撮影はあきらめ、次号の「写真ライフ」に掲載される口絵の打ち合わせに出かけただけでした。

この写真は昨日のもの。
駅で「生誕100年東山魁夷展」という大型広告が目にとまりました。
先週末から開催されたらしく、グッドタイミングです。
日本画では特に「東山魁夷画伯」の大ファンで、もう20年も前になると思いますが、長野の信濃美術館と併設して作られた東山魁夷館がオープンしたときにも出かけたほどでした。

会場は北の丸公園にある国立近代美術館。
生憎の冷たい雨が降っていましたが、そのせいもあってか比較的にゆったりと鑑賞することができました。
展示数は唐招提寺御影堂障壁画も含め約100点、スケッチや習作50点という過去最大の回顧展ということで、非常に見応えのある展覧会でした。
「心にふれる作品」とはまさしくこのことで、よく自分が提唱していることが恥ずかしく思えてきます。

1時間ほどの鑑賞会でしたが、上質な音楽会を聞き終えた後のような満ち足りた気分で美術館を後に。
満開の皇居の桜も、なぜかいっそう美しく感じられた、そんな一時でした。