パースにある西オーストラリア大学のキャンパスで石碑を見つけた。
1994年のことだったように思う。
石碑には「seek widsom」と書かれていた。
この大学のモットーだ。
知恵を探せ。
素敵な言葉だ。
いったい、人類はいつ知恵という言葉を見つけたのだろうか。
文献をたどると面白い事実に突きあたる。
ヨーロッパで始めて知恵という言葉を使ったのは、古代ギリシアのプラトンだ。
インドでは、仏典の中に智慧という文字が出てくる。
中国では、老子が知恵を説いている。
いずれも紀元前500年頃のことだ。
何故この時代に知恵が誕生したのだろうか。
いつも不思議に思っている。
よほどの困難があったのではないか。
今、人類は大きな困難に直面している。
この困難は、残念ながら日本から起こった。
東日本大震災を見たときに、思わずそう思った。
津波で流されていく人々、爆発する原発。
地獄かと目を疑った。
でもこれらが序章に過ぎないかも知れないことを否定することはできない。
紀元前500年頃に多くの哲学者や宗教家が出たのは、それなりに理由があったのだろう。
歴史は繰り返す。
人類は、大切なものを探す必要があるだろう。
やっと日本政府も目覚めたようだ。