元サラリーマンの植物ウォッチング第7弾。写真はクリックすると大きくなります
多摩ニュータウン植物記Part7
クマガイソウ・1~開花
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クマガイソウは北海道から九州までの低山の“熊がいそうな”林内に生育し時に大きな群落を作る。花期は4~5月で扇形の大きな葉の中に特徴的な形の花を咲かせる。
花はラン科特有の構造で花被片(萼片と花弁)は6枚になる。一番上の緑色は苞葉でその手前に背萼片が垂れ下がっている。その後方には2枚の側萼片が合着した1枚の合萼片(2枚にカウント)がある。左右に拡がるのが側花弁で下部の袋状のものが唇弁。側花弁の間に“人”字形の蕊柱があり前面は仮雄蕊でその裏側に葯が2個あり仮雄蕊の内側には雌蕊の柱頭がある。
ポリネーターのマルハナバチなどの昆虫が蜜を探して唇弁の穴から侵入するがこの穴は一方通行で出られず、止む無く上部に細く開いた穴に向かう。その間に昆虫の背中に雄蕊の花粉を付け、別の花の穴に入って雌蕊に花粉を付けさせるという巧みな戦略を取っている。
クマガイソウの名の由来は袋状の花を昔の武士が背負った母衣(ほろ)に見立てて、源平合戦で白い旗を掲げた源氏の熊谷直実(くまがいなおざね)の名を当てている。また同属の赤い花のアツモリソウは一の谷の戦いで熊谷直実に討たれた赤い旗を掲げた平家の平敦盛の名を当てている。
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コブクザクラ・2~若い果実
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ヤビツギンラン・1~東京都立大学
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