現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

津村記久子「ポースケ」ポースケ所収

2018-09-20 08:28:16 | 参考文献
 連作短編集の最終短編です。
 それまでの短編に出てきた人物たちが総登場で、大団円といった趣ですが、それ以上でもそれ以下でもありません。
 津村の今までの作品は、働く女性だけでなく男性も描けているところが魅力でした。
 しかし、この短編集では、明らかにL文学(女性作家が女性を主人公にして女性読者のために書いた文学)への傾斜が感じられます。
 マーケティング的にはその方が正解なのでしょうが、津村の作品の個性が失われないかと危惧しています。
 L文学の書き手はすでに腐るほどいるので、注意しないとその中に埋没してしまう恐れがあります。

ポースケ
クリエーター情報なし
中央公論新社
コメント
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