現代児童文学

国内外の現代児童文学史や現代児童文学論についての考察や論文及び作品論や創作や参考文献を、できれば毎日記載します。

小沢正「はちみつか みつばちか」目をさませトラゴロウ所収

2018-09-26 17:19:00 | 作品論
 くまがはちみつをなめているのを見てうらやましくなったトラゴロウは、発明家のきつねに頼んでインスタントはちみつ800人分を作ってもらいます。
 ところが、きつねが計算を間違って、巨大なインスタントみつばちができてしまいます。
 みつばちに追われたトラゴロウときつねとくまは、地球をぐるぐるとエンドレスで回り続けます。
 お話としてのできはあまり良くはないのですが、作者は、読者たちに向かって、次のお話を読みたかったら、みつばちに追いかけるのをやめてくれと頼むように頼むという禁じ手を使ってみせます。

目をさませトラゴロウ (新・名作の愛蔵版)
クリエーター情報なし
理論社
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神沢利子「青空と少年」いないいないばあや所収

2018-09-26 09:50:43 | 作品論
 いつも一緒のにいさんやねえさんたちがいない一人ぼっちの我が家の庭。
 四季の移り変わりとともに、隣家の少年への恋心とも呼べぬ淡い思いが、克明な記憶のもとに描かれています。
 誰もが心の奥に持っている不思議な記憶を鮮やかに再現して見せるのは、真の児童文学作家の腕前なのでしょう。

 
いないいないばあや (岩波少年少女の本)
クリエーター情報なし
岩波書店
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