「西の魔女が死んだ」の文庫版だけに収められている短編で、初出は日本児童文学1996年10月号です。
「西の魔女が死んだ」のラストで、唐突にその存在だけが知らされる、転校先の中学校で仲良しになったという謎の少女ショウコが登場します。
ぶっきらぼうで風変わりなショウコは、生真面目すぎるために生きづらくなっている「西の魔女が死んだ」の主人公のまいとは好一対で、前の学校で孤独だったまいに友だちができたことを祝福したいと思いました。
また、ここでは、ストレートな形で作者のジェンダー観も語られています。
それは、仕事人間タイプのまいの母親でもなく、家庭人間タイプのショウコの母親でもなく、ややご都合主義的にあらわれるダンプカーの女性運転手で好きな人とも結婚する予定の若い女性でしょう。
そして、初めは「サシバの渡り」を見に行く予定が、「展覧会へ行って画集を買う」に変わり、それも「サッカーのユニフォームをクラスの男の子の兄に届けに行く」に変わっても、最後は前述のダンプカーが展覧会の搬出へ行くところだったので(普通絵画の搬出はダンプカーではやらないと思いますが)、画集も買えて、「サシバの渡り」の絵も見られて、結果オーライだったストーリーが示すように、「本当に好きなことをやれば、初めはうまくいかなくても、最後はきっとうまくいくよ」というポジティブなメッセージを、読者の少女たちにおくっているようです。
「西の魔女が死んだ」のラストで、唐突にその存在だけが知らされる、転校先の中学校で仲良しになったという謎の少女ショウコが登場します。
ぶっきらぼうで風変わりなショウコは、生真面目すぎるために生きづらくなっている「西の魔女が死んだ」の主人公のまいとは好一対で、前の学校で孤独だったまいに友だちができたことを祝福したいと思いました。
また、ここでは、ストレートな形で作者のジェンダー観も語られています。
それは、仕事人間タイプのまいの母親でもなく、家庭人間タイプのショウコの母親でもなく、ややご都合主義的にあらわれるダンプカーの女性運転手で好きな人とも結婚する予定の若い女性でしょう。
そして、初めは「サシバの渡り」を見に行く予定が、「展覧会へ行って画集を買う」に変わり、それも「サッカーのユニフォームをクラスの男の子の兄に届けに行く」に変わっても、最後は前述のダンプカーが展覧会の搬出へ行くところだったので(普通絵画の搬出はダンプカーではやらないと思いますが)、画集も買えて、「サシバの渡り」の絵も見られて、結果オーライだったストーリーが示すように、「本当に好きなことをやれば、初めはうまくいかなくても、最後はきっとうまくいくよ」というポジティブなメッセージを、読者の少女たちにおくっているようです。
西の魔女が死んだ (新潮文庫) | |
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