ケパとドルカス

『肝心なことは目では見えない』
これは星の王子さまの友達になったきつねの言葉。

反日と親日の間

2017年05月31日 | 随想
何日か前、テニスで知り合ったA氏と対戦後、珍しく語り合う機会があった。A氏は数年前まで、十七年間も中国で暮らして来たという。日本企業から中国に派遣され、長年現地責任者を勤めていた。

そこで彼に昨今のわが国との関係を聞いてみた。「国是のような反日前提はどういう訳が?」には、「彼らは本当に日本が悪いと思ってるわけではありませんよ。建前なんです。現に一般国民は親日です。けれども国内に多くの異民族を抱えているため、国としては国外に常に敵がいて、それをバネに国内の求心力を高める必要があるのです」と。
「隣国の日本をそのサンドバッグ代わりに使うって、問題の目を国民からそらし、隣国とも正常な関係を築けないわけで、立ち位置としては正しくありませんね。」「いやあ、その通りですよ。だから国全体に、一党独裁の階級社会、知る権利の無さなど正しくないことがはびこっています。汚職は当たり前です。不満を抑えるため、政府は常に国民に成長という分け前を配り続けなければ、実は危ういんです。」

中国の伝統的な外交政策は「遠交近攻」だそうだ。これは近くの隣国を攻めるために、その圧力として対象国のさらに外側、周囲の遠国とは仲良くすることだ。また隣国を常に敵にして、国内の問題から目をそらさせる効果もある。大陸的なこの発想に比べ、隣近所仲良くを願う日本はなんとお人好しなのだろうかと思う。もう一つの隣国も、落ち目の政権末期や選挙用に反日が目立つのも、同じような理由なのかも知れない。

逆に考えれば、国同士はたとえ敵対していようとも、民同士がそれに踊らされなければいいわけで、互いにリスペクトを持って親しく関わり合っていくことが大切だと思わさせられる。特にクリスチャンが天国で再会するならば、国籍も民族も全く関係ないのである。
そう言うわけで、国は国、人は人。隣人、隣国の個人的な方々との付き合いは、これまで以上に親しくして行きたいと思った。



ケパ





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