きょうの授業の前半はいろいろなレンズの使い方の話をする。
はじめにわたしが仕事で使っている機材の紹介。
そのあと、これらのレンズを使ってわたしがどんな写真を撮っているのか、プロジェクターで見せる。
いろんなものを撮っているけれど、標準・広角・望遠のそれぞれのズームレンズがあれば、まずどんな現場でも困ることはない。
ただ、ときにはボケ味のきれいな単焦点やマクロなどの特殊なレンズも必要な場面があるので、一応持っていると心強い。
さて広角レンズの使い方であるが、広角は文字どおり画角が広いのでいろんなものが画面に入ってくる。
初心者が使うと主題のわからない散漫な絵になりやすい。
それを防ぐためには、できるだけ主題に近づいて撮る必要がある。
主題に近づくと当然その主題は大きく写り、それに比べて背景は小さく写る。
広角レンズが「遠近感が強く出る」というのはこのためである。
ところがこの遠近感がクセもので、カメラをアイレベル(被写体とフィルム面が平行になるよう)に構えないと、被写体の形が歪んでしまう。
たとえば人物を上から見下ろす(ハイアングル)ようにして撮ると、頭が大きくて足の短いプロポーションになる。
そういう絵が求められているのならかまわないが、ふつうの撮影ではNGだ。
そこで人物ポートレイトやブツ撮りなどでは形を歪まさないように、標準から中望遠レンズを使うことになる。
あとはどこまでピントが必要か(つまり被写界深度の深さ)を考えて絞り値を選ぶ。
とはいえ、じっさいの現場では会場の大きさや教室の広さによって、このレンズでしか撮れないという場合も少なくない。
さあ、バイトの金が貯まったら、キミがつぎに買うレンズは広角ズームだ。
授業の後半にインドの写真のスライドショーを見せる。
時間にして5分足らずの短いものだが、楽しんでもらえたのならうれしい。
上映後、なにか感想や質問はあるかと聞いたが、だれも反応しなかったのはちょっと残念だ。
もしわたしが生徒で、先生の撮りおろしのスライドショーを見せてもらったなら、どんな機材でどんな風に撮影してるのか、あれこれ聞いているだろう。
なぜインドなのか? ほかにどんな国を撮っているのか? おもしろいエピソードは?・・・つぎつぎと聞きたいことが出てきそうだ。
だが今年の生徒さんはずいぶんと控えめで、授業中もあまり質問をしてこない。
そんなにわかりやすい説明をしてるとは思えないのだが。
わたしとしては膨大な時間と金をかけて写真を撮っているわけだから、そのノウハウを明かしたくない気持ちもあるが、生徒の立場でいえばせっかく高い授業料を払って学んでいるのだから、盗めるものはなんでも盗まなければ損だ。
そのために外部講師を呼んでいると考えれば、もっとあつかましくてもいいと思う。(自分でいうのもなんだが)
だけどホントのことをいうと、どんなにノウハウを明かしたところで、同じ写真は撮れない。
写真というのは「どこに立つか」が勝負だからね。
生徒たちよ、いくらでもかかってきなさい。
はじめにわたしが仕事で使っている機材の紹介。
そのあと、これらのレンズを使ってわたしがどんな写真を撮っているのか、プロジェクターで見せる。
いろんなものを撮っているけれど、標準・広角・望遠のそれぞれのズームレンズがあれば、まずどんな現場でも困ることはない。
ただ、ときにはボケ味のきれいな単焦点やマクロなどの特殊なレンズも必要な場面があるので、一応持っていると心強い。
さて広角レンズの使い方であるが、広角は文字どおり画角が広いのでいろんなものが画面に入ってくる。
初心者が使うと主題のわからない散漫な絵になりやすい。
それを防ぐためには、できるだけ主題に近づいて撮る必要がある。
主題に近づくと当然その主題は大きく写り、それに比べて背景は小さく写る。
広角レンズが「遠近感が強く出る」というのはこのためである。
ところがこの遠近感がクセもので、カメラをアイレベル(被写体とフィルム面が平行になるよう)に構えないと、被写体の形が歪んでしまう。
たとえば人物を上から見下ろす(ハイアングル)ようにして撮ると、頭が大きくて足の短いプロポーションになる。
そういう絵が求められているのならかまわないが、ふつうの撮影ではNGだ。
そこで人物ポートレイトやブツ撮りなどでは形を歪まさないように、標準から中望遠レンズを使うことになる。
あとはどこまでピントが必要か(つまり被写界深度の深さ)を考えて絞り値を選ぶ。
とはいえ、じっさいの現場では会場の大きさや教室の広さによって、このレンズでしか撮れないという場合も少なくない。
さあ、バイトの金が貯まったら、キミがつぎに買うレンズは広角ズームだ。
授業の後半にインドの写真のスライドショーを見せる。
時間にして5分足らずの短いものだが、楽しんでもらえたのならうれしい。
上映後、なにか感想や質問はあるかと聞いたが、だれも反応しなかったのはちょっと残念だ。
もしわたしが生徒で、先生の撮りおろしのスライドショーを見せてもらったなら、どんな機材でどんな風に撮影してるのか、あれこれ聞いているだろう。
なぜインドなのか? ほかにどんな国を撮っているのか? おもしろいエピソードは?・・・つぎつぎと聞きたいことが出てきそうだ。
だが今年の生徒さんはずいぶんと控えめで、授業中もあまり質問をしてこない。
そんなにわかりやすい説明をしてるとは思えないのだが。
わたしとしては膨大な時間と金をかけて写真を撮っているわけだから、そのノウハウを明かしたくない気持ちもあるが、生徒の立場でいえばせっかく高い授業料を払って学んでいるのだから、盗めるものはなんでも盗まなければ損だ。
そのために外部講師を呼んでいると考えれば、もっとあつかましくてもいいと思う。(自分でいうのもなんだが)
だけどホントのことをいうと、どんなにノウハウを明かしたところで、同じ写真は撮れない。
写真というのは「どこに立つか」が勝負だからね。
生徒たちよ、いくらでもかかってきなさい。