
銀座に奇跡のようにある居酒屋です。
では、さっそく太田センセイに紹介していただきましょう。
では、どうぞ。
【路地奥の銀座大衆酒場】
銀座では地味だった二丁目辺りも、今や気鋭のバーやブティック、レストランができ、若い人の銀座の新しいスポットになった。しかし並木通りから数メートル引っ込んだここだけは、昔と何も変わらず大衆酒場を続けている。
分厚い白木の机、店内を一周するとありとあらやる品の並ぶ品書短冊、きちんと並ぶ湯呑と給湯器。厨房の無口で実直そうな板前。店に働くのはみな中年のおばさんという社員寮食堂のような安心感が、ここの最大の良さだ。昼前から閉店まで休みなしというのもたいへん嬉しい。
私の好きな「鯖の味噌煮」あたりを肴に一杯やっていると、平凡人生に感謝したくなる。飲み終えて店を出るとハイソ銀座。この落差が何ともいい。さあてバーでも行くか。三州屋は銀座にもう一軒と神田にもある。
![]() | 太田和彦の居酒屋味酒覧―精選173(2008/01)太田 和彦商品詳細を見る |
神田の三州屋は以前紹介しました。
そして銀座にもうひとつ。――とは、銀座一丁目にあります。

ちょいと桜をバックにいれてみました。

正面はこんな感じ。
でも、ぼく的には、やっぱりこの路地の突き当たりがいいんです。

隠れ家ちっくでいいでしょ?
昼間からどうどうと飲めるのも嬉しい。

昼間、店にはいると、おばちゃんに、「お食事?」って訊かれるんだけど、なぜか「飲む?」と訊かれてしまい、「ハイ」と答えてしまいました。

そんなに飲みたそうな顔してたかなぁ。
店に入るなり、いきなり短冊じゃなく、本日のお薦めをジトーって見てたからかなぁ。
ま、いいや。まずはビール。
アテは、

肉豆腐。
もう、これでお腹はいっぱい。大満足。
だから、あとは軽めに、

コノワタで燗酒。

「お酒」っていったら、いきなり二合徳利で出されてしまいました。ひとり客なのに。
そんなに飲みたそうな顔してたかなぁ。
ええい、こうなったら、

アワビもたのんじゃえ!
どうです、このツヤ。
硬さも硬すぎず、柔らかすぎず、ちょうどいい噛み心地。
そして、このキモがうまいのなんのって……うます!
「来てくれるお客さんのためにサービスしたいんだよ」
毎日、店主自ら築地まで足を運び、活きた魚を仕入れては本日のお薦め品として提供する。
![]() | 東京銘酒肴酒場―古典酒場探訪ガイド (SAN-EI MOOK)(2008/11/17)不明商品詳細を見る |
↑↑↑より、太田センセイ談。
なるほど、お薦めに載せるだけあって、すばらしいアワビでした。
他の店だと(特に銀座界隈では)怖くて注文できない肴でも、ここだと安心してたのめる庶民の味方的居酒屋。
こんな店が銀座のどまんなかにあるなんて、やっぱ奇跡ですね。
では、本日の脳内ジャズいってみましょう。
銀座はジャズが合いますね。
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から「YOU TOOK ADVANTAGE OF ME」をどうぞ。
【くりす的全国名酒場紀行/三州屋@銀座二丁目】←詳細
