
August 2, 2019
またブルガリアに帰ってまいりました!目的地はソフィアと、バルカン山脈を超えバスで二時間半ほどの地方都市、プレーヴェンで行われるサマーアカデミーです。
ギターのアカデミーなので、最終日のちょっとした演奏以外は私はヴァカンス。

The summer guitar academy at Kailuka Hotel in Pleven, Bulgaria, in the middele of nature. 自然にあふれるプレーヴェンのオアシス「カエルカ•ホテル」に帰ってきた。
今 回の収穫は、娘がいっつもパパと喋るのを聞いているせいか、一気にブルガリア語が分かるようになってきて、簡単な意思疎通ならかなり楽になったこと。まだ まだ際限のないダベリには参加出来ないけど。おやもう一息じゃん?頑張って勉強しよ?と思える所まで来た。それはフランス語が分かるようになってきた時の ように、だんだんと空白が埋まるように分かって来るのだ。

ホテルの庭、、、相変わらず昭和に逆戻りしたような様相、、、

あと、毎朝ご飯前に、ギタリストで舞踊家でもあるボヤンさんによるブルガリア民 族舞踊「ホロ」の講座があったので、毎朝参加し、ゆっくりの6拍子から始めて、7拍子の急速なダンス「ラチェニッツァ」まで行ったことも収穫だった。ス テップと手の複雑な動きで音楽のフレーズ構成を完璧に理解できる。私が本当にステップを分かったのか、講習会&フェスのメインスポンサー、企業社 長でアマチュアミュージシャンのコツェさんが、手取り足取り確認してくださいました。

Practicing Horo in the morning with Bojan (Bulgarian traditional danse)
このコツェさん、最終日の野外コンサートでは、私たちの演奏の後、自慢の自作歌をギターかき鳴らしながら熱唱披露でライヴ!
多分この人60過ぎてるけど、何というバイタリティー。
何をするにも思いっきり全力投球で、子供のようにキラキラした目をしている。毎日スポーツをするそうで、筋肉質な体躯にツヤツヤの肌。こういう人を見ていると、単純に人生が数段楽しくなるのでした!あー来てよかった。

Kotche's live in Kailuka hotel garden

Duo Ourkouzounov on stage! 楽しい最終日の野外ライブ
音楽とはコミニュケーションである!違う空気を吸って違うコミュニケーションをし、その毎回違う空気を振動させられるかどうかだ!
我が故師匠二コレの言う通り、部屋に閉じこもって練習してばかりいたって、結局は何も学んだことにはならないのだ。
しかし時代は変わって、それじゃダメだ、心を開け!と叱ってくれる先生もいなくなってしまった。
ブ ルガリア全土から集まってきた生徒さん達や、ホテルスタッフの若い女の子達の、すっくと大地から伸びた長く真っ直ぐな脚や引き締まったお尻---ただこの 美しいカモシカのような若い子たちが、時を経てどうやったらこんな太ったおばさん連になれるのだろうか、摩訶不思議、、---を見ていると、自然に体を動か したくなる。それだけで楽しいからショッピングをして気に入った服を買いたいとも思わなくなる。どっちみち大したものは売っていないし、食べ物だって余計 な選択肢はないから(国民食みたいなメニューは一週間もいるともうローテーションしてしまう) あれこれ何をしようかと悩む必要もない。朝起きたら伝統ダンスを踊り、(何にしようかと思うまでもなく、もうコレでしょ!って感じ笑) ゆっくりとコーヒーを飲んだらあんまりヒマなので練習して、飽きたら緑溢れるテラスでビールを飲んでだべりながら1日をゆっくり過ごす。

.....Pilinsko beer!
パリでの1分ぶんが何時間にも伸びて感じられる、ゆったりした時間。
時間とは場所によって伸縮自由。
多 分私がブルガリアを心地良く感じるのは、西洋各国や日本に比べて生き方がシンプルで、細かいことに悩むのが馬鹿馬鹿しくなること、あとは人間関係がパリほ どよそよそしくなく、(フランス人は過剰であることを忌み嫌うようだ、だから時にみんな生ヌルく、中庸になってしまう) また複雑怪奇な口の利き方のセオリーもなく、日本ほどべったりとしていて細かく気を使うでもなく、みんなでいる時は過剰なほど優しさや感情をむき出しにす るのに、一人好きなことをしていてもほっといてくれるという、どっちにも無いちょうど良さがあるからだと思う。あと、日本やフランスではかなり前からアポを入れないと親しい友人とも会えないほど皆忙しいが、どう言うわけか、ブルガリア人は一本電話したら速攻で駆けつけてくれるという、なんともヒマなのか、 友人と会う事に命をかけてるのか、その辺のことはよく分からない。シンプルマインドとは現代先進社会が忘れ去ったものなのだろうか。

In Sofia 古いソフィア市内は掘れば遺跡がざくざく出て来る。後ろに見えるのがイスラム教のモスク。写っていないが、至近距離に最古のブルガリア正教教会とシニャゴーグ(ユダヤ寺院)がある。
この 国ではジプシーもムスリムもブルガリア系も、みんな知らーん顔して共存している。もちろん口を開けばお互い大嫌い!とみんな言うけれども、もう何百年も一 緒にいるので、全く異なるスレ違い生活をしていても全く気にならないらしい。これこそ本当の異種共存の例であろう。あい慣れなくて何が悪いっていう、、、 パリだとアイデンティティが云々、という問題でまだ右往左往している印象である。パリは人種のるつぼなのでアイデンティティが複雑化するのは仕方ないとし ても、単一民族国家に近い(本当は違ってもそう思いたがりそうな)日本ではまた違った意味で根深い問題である。
ブルガリアでは音楽がその 社会をよく反映していて、結婚式のバンドの音楽が風にのって聴こえてくるのだけど、ジプシー風、イスラム風、ブルガリア風とどんどん音楽が移り変わってい く。そして世界の果てみたいな地方都市ぺレーヴェンにあって、そのインストソロ・インプロのため息の出る程見事なこと!

Sofia at night ソフィアの日はゆっくり暮れる。
そんなブルガリア も来る度に少しずつ現代化されて旅行者には快適になってきている。ソフィアでは徘徊している危ない野犬の数が減り、レストランや商店の店員はヨーロッパ並 みの笑顔を見せるようになってきたし、高速道路もイキナリ出現するジプシーの馬車も前よりは目立たなくなった。一見するとそういう印象でも、殆ど社会保障 は機能してないらしく、病気をしたら金のない者は野垂れ死に。数十年後には出生率が極めて低迷し人口の海外流出が激しいこの国では、産めよ増やせよで増え 続けるジプシーの人口がブルガリア系人口を大きく凌駕していく予測なのだそうだ。
私「ブルガリアに住みたいな。。。」
アタ「あー無理でしょ」
私「あの凄い国立民族オケで5番フルートぐらいで良いから雇ってくれないかな」
アタ「月給60ユーロでどうやって生活するんや?」
さすが、裏を良く知っている方のお言葉でした。(笑)
ところで大ニュース。続く11月のプレーヴェン・ギターフェスでなんと、アコーディオンのブルガリアの巨匠、ペーター・ラルチェフさんと、私達ウルクズノフ・デュオとの2回目の共演が決まりました!!第一回目の共演の詳細はこちら。
しかも合わせに本番数日前から来ていただけるとのこと、数日間どっぷりと、あのとんでもなく最高な音楽と直に関われると思うとわくわく、ドキドキ、もうこれ以上の幸福はないです!
更なる化学反応間違いなし!
ていうか、その人柄、音楽で否応無く万人を化学反応させてしまうお方なんです!
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