ソフィアの外れ、相方アタのお姉ちゃん夫妻家近くにある、地元の食堂的なレストラン。
土曜日の午後には地元のおじいちゃん、おばあちゃん達が集まり、ビールやラキア(ぶどうや梅の国民的蒸留酒)を飲みながら懐メロを楽しむ会が開催されるのだそうな。
メニューは「シュケンベチョルバ(牛の内臓のスープ)」や「ショプスカサラダ(ソフィア風サラダ)」、「タラトル(ヨーグルトのスープ)」、各種魚や肉にフリッターなど、国民的超スタンダードな代表食のみ。日本で言うとラーメン、焼飯(チャーハンじゃなくて)、カレー、と言ったところか。
味はちょっとチープで適切な量、なんの気取ったところもない、でも食べ続けるとこの味じゃないと絶対ダメ、みたいな気分になってくる、アタいわく「ザ・小学校の時にばーちゃんが勤めていた学生食堂の味」。
香川の方言で言えば、まさに「ざいごげ」。
で、とにかく安い。先日は姉ちゃん夫妻と6人で散々魚のフリッターやサラダ、フライドポテト、ビールの大ジョッキを一人2、3杯とか馬鹿みたいに注文しまくって、ひとり千円ぐらいだった。今時こんな安いレストランが世界にあるのだろうか。
オーナーのトショさんは、毎朝この食堂の前に車を停めるが、停め方が一人だけ他の人の車と違って、道路に向かって直角に、ちょっとはみ出して停めるのがステイタス。
そして我らがスターは、たった一人で切り盛りするウエイトレス、ペチャさん。
ペチャさんは昔、ブルガリアのバレーボールチームに在籍していたという、いかにも細長い手足のスポーツ系の体型だが、ケガをしたことをきっかけにウェイトレスになったのだそうな。長い真っ直ぐな髪はオリエンタル風に真っ黒に染められていて、歳のころは40半ばというところ。
人に歴史あり。
毎回着席するなり
「あんた、今日は魚はないからな。で、20時には閉めるぞ。」
「あんた、テーブルまだ汚れてるじゃないか!掃除するからどいてくれろ」
とか
大酒飲みながらタバコ吸ってる客には
「あんたら昼間っからこんな大量に酒飲んで、タバコバカスカ吸ってさ。さっさと明日には死んじまうぜ…!」
もうお分かりになったでしょうか。ペチャさんは、完全に「昭和に食堂を切り盛りしてたお姉ちゃん」を地で行っているのである。
私が残念だと思うのは、今日、多くの人がクレーマー化した為か、「ここではこのように言動しなければならない」と言うのがマニュアル化し、本人そのままの言動というのがなくなりつつあること。そして、それは平均化を生み出して、どこに行っても「マーケティング」の計算によって生み出された「小綺麗な誰からも好かれる外観」になってしまうこと。
音楽だって然りである。
私は昭和っていうのが、自分が生まれた時代だからただ好きなだけかも知れないけど、このトショさん食堂のように、ちょっと薄汚れた排気ガスにまみれたパッとしない景観の中で、何の計算もされていなく、ただ単にみんなに愛されて来たものを、お金の計算をすることもなく好きなだけ食べ、こういう「そのまんま」な人間たちの言動を感じられるど真ん中にいるいるだけで、ものすごくエネルギーチャージされるというか、最高に心地良い。
アタ「フランスにだってこういう人たちは居るけれど、その人たちが古い時代の空気を探しているだけで、国自体は先に進んでしまっているだろう?この国は国全体が100年前の時に留まっているのさ。」
この地球の中で、私の好きな時代にタイムトリップ出来るところがある、なんと贅沢なことだろう。
ざいご?だと田舎みたいな感じで?
香川県人なのに知らなくて(^-^;
とゆーことで、ざいごげとは何ですか?
ザイゴ=田舎モン
ザイゴげ=田舎くささ
ザイゴげな=田舎くさい(形容詞?)
このように活用します😁
また漢字は
在郷、と書きます。
小倉家でしか通用しない?!