2月6日 チンタオ

2009年02月07日 | 風の旅人日乗
本日2月6日、
ボルボ・オーシャンレース2008-2009の第3回目のインポートレースが
中国のチンタオで行なわれる。

シンガポールからチンタオまでの第4レグで、
船体に重大なダメージを受けてリタイアした
テレフォニカブラック、
エリクソン3、
デルタロイドは、
修理が間に合わず、チンタオでのインポートレースには出ない。
テレフォニカブラックとエリクソン3は、
来週2月13日の第5レグ(中国・チンタオ→ブラジル・リオデジャネイロ)の
スタートに間に合わせるために、
それぞれシンガポールと台湾で、24時間体制で修理作業を進めている。

ダメージが大きかったデルタロイドは、2月13日までの修理は不可能と判断し、
第5レグを棄権して、
第6レグ(リオデジャネイロ→アメリカ・ボストン)から復帰するために、
台湾から直接リオデジャネイロに船便で艇を運び、
現地で修理作業をすることになった。

したがって、本日チンタオでのインポートレースは、
エリクソン4、
テレフォニカブルー、
プーマ、
グリーンドラゴン
の、4隻のみで行なわれることになった。

本日のチンタオの天気予想は、最低気温3度、最高気温12度と、
チンタオにしては暖かい気温だが、
風速はかなり弱く、
西の風、2ノットから6ノット程度しかないのではないかと予想されている。
ただ、この時期のチンタオ名物でもある濃い霧が発生する可能性が高く、
視程が0メートルから100メートルになってしまう可能性がある。

6ノットの風があればレースはできなくはないが、
視程が100メートルしかないとすると
全長22メートルのボルボオープン70にとっては4,5艇身先しか見えないわけで、
これではレース開催は不可能になってしまう。

もし、霧が晴れて、4,5ノットの風の中でレースが行なわれれば、
4隻の中で微風での性能が一番高いテレフォニカブルーが最も有利なレースになる。
ただ、風は不安定だから、風向のシフトも大きく、
艇の性能だけがレースを左右するファクターではなく、
コースの取り方、風の変化に応じた素早いクルーワークなども
重要な要素になってくる。

スペイン その4

2009年02月07日 | 風の旅人日乗
ダガーボードが引き上げられて、ジェネカーがはらむと、艇速は16ノットを越える。
他艇はマストヘッドジェネカーなのに対し、我々はフラクショナルジェネカー。
マストヘッドジェネカーを積んでこなかったバウワーが、クソッ、と言っている。しかし周りの艇に比べても艇速は目立って遅くはない。

ツインラダーでのステアリングは初めてだった。
タッキングでは、特に風位を越えてからスピードビルドのアングルまでバウを持っていくまでは、
通常のシングルラダーに比べて意識して大きく舵を回さないとイメージどおりにバウが回ってくれないし、
次のスピードビルドに苦戦する。

勝手が分かってきて上手く艇を回すことができると、
走り始めてすぐに10ノット台の数字を見ることができる。
軽風にもかかわらず、ものすごい加速性能だ。

ジャイブでは、ツインラダーでの舵の切り角とバウの回頭角スピードは、
シングルラダーと同じ感覚だ。

このレースで、我々〈テレフォニカ・ブルー〉は結局4位でフィニッシュした。
しかし、1位から4位までのどこに入ってもおかしくないレースだった。
他の艇よりも小さいヘッドセールとジェネカーで、
〈テレフォニカ・ブルー〉は他の艇にまったく遜色なく走った。
これにはバウワー自身も驚き、かつ喜んでいた。
もしセールの大きさが同じだったら、
このコンディションでは〈テレフォニカ・ブルー〉は
圧倒的とも言えるクローズホールド性能と
ダウンウインド性能を発揮したことだろう。
(おわり)