どんなセーリングでも、ぼくはその練習やレースが
「自分のアメリカスカップ」、「自分のボルボオーシャンレース」
だと思うようにして、全力を傾けるようにしている。
実際のアメリカスカップやボルボオーシャンレースに出られないからってクシャクシャしていても、
なんにも前向きな解決にならないからね。
で、この週末は、ぼくの若いパートナーと一緒に開発した新しい発想で作らせていただいたジェノアでのレース。
この考え方のジェノアは日本初、というか、世界初。
レース前日の土曜日に、葉山から東京まで車を走らせて、
ハーバーの中でジェノアを揚げてスプレッダーパッチを貼ったり、あれやこれやの準備をする。
一度出艇するが、外海に出てみると予想以上に東風が強く、試したい風速を超えていたため、
セールを揚げずにすぐにハーバーに引き返して、車を飛ばして葉山へ戻る。
折角のいい天気、森戸の浜で子どもたちと遊びたかったのだ。
翌、日曜日、朝5時44分始発のバスに乗って逗子に出て、東京へ。
スタート前、風弱く、作ったジェノアに絶好のコンディション。
早速その新しく作ったジェノアを揚げてチェック。
デッキに寝そべって、そのセールのカタチを下から見上げる。
うふふ、いい感じ。ウットリ。
新しいジェノアのカタチにうっとりしている間にスタート時間が近づく。
スタートライン設置後に風が35度以上右に振れたため、スタートラインは右端が強烈に有利な、大きく傾いたスタートラインになっている。
スタートラインを設置しなおす気配はないようだ。
こういうスタートラインになると、スタートラインがいくら長くても意味はない。
出るべき場所は、スタートラインの右端になる本部船の横、一ヶ所。
当然、全艇がそのピンポイントからスタートを切ることを目指すから、大混乱のスタートになる。
その一ヶ所をめぐる、数十隻のヨットの椅子取りゲームだ。
1隻だけが、そのたった一つの椅子に座れるのだ。
しかも、それだけ風が右に振れると、第1マークへはスターボードタックの、ほぼ片上りになるから、
スタートに失敗してしまったからと言って、右にタックして逃げることもできない。
つまり、最初のレグでクリア・エアの中を走り続けたいと思うのなら、
スタートの失敗を避けるためにその椅子取りゲームに参加しない、という選択肢すらないのだ。
大型艇であれば、小型艇との絶対的なスピード差を生かして、スタートが上手くいかなくても後ろから小型艇をズンズン追い抜いて、すぐにクリア・エアをつかむことが可能だが、今日乗っている艇は小型艇だ。その手は使えない。
さあて、強いプレッシャーがかかった状態で、最良のプレイができるかどうか、
自分自身を試すには絶好の機会だととらえ、椅子取りゲームに参加することを決める。
「俺のアメリカスカップ」のスタートに集中し、そのピンポイントをゲットする。
きちんと仕事ができた。
気持ちよくスタートし、しばらく艇団のトップを走る。
スタート後、予想していたよりも早い段階で風が上がり始め、
新しく作ったジェノアが最大の能力を発揮する風速を超えてしまう。
布地の強さ的には、まだまだ風速が上がっても大丈夫なものを使っているが、
セールのシェイプに関しては、想定風速の上限を超えている。
その風速に合ったジェノアを持っていないので、仕方なくそのまま最後までそのジェノアを使い続ける。
レースの中盤から、さらに風速が上がってきて、
ジェノアがメインセールに悪さを始め、スピードが伸びない。当たり前だけどサ。
でもこれが「俺のアメリカスカップ」だ、最後までベストを尽くそう。
結果、今週の「俺のアメリカスカップ」必勝! は、ならず。
うなだれて帰る葉山までの道のりが、やけに長い。
でもね、微・軽風用の、最高のジェノアは作れたし、いいんでないかい、今週はそれだけで。
来週は、また別の新しいセールを葉山でテストする。
レース用ではないが、このセールがまた新しいアイディアの、とんでもないセールだ。
テストが楽しみ。
「自分のアメリカスカップ」、「自分のボルボオーシャンレース」
だと思うようにして、全力を傾けるようにしている。
実際のアメリカスカップやボルボオーシャンレースに出られないからってクシャクシャしていても、
なんにも前向きな解決にならないからね。
で、この週末は、ぼくの若いパートナーと一緒に開発した新しい発想で作らせていただいたジェノアでのレース。
この考え方のジェノアは日本初、というか、世界初。
レース前日の土曜日に、葉山から東京まで車を走らせて、
ハーバーの中でジェノアを揚げてスプレッダーパッチを貼ったり、あれやこれやの準備をする。
一度出艇するが、外海に出てみると予想以上に東風が強く、試したい風速を超えていたため、
セールを揚げずにすぐにハーバーに引き返して、車を飛ばして葉山へ戻る。
折角のいい天気、森戸の浜で子どもたちと遊びたかったのだ。
翌、日曜日、朝5時44分始発のバスに乗って逗子に出て、東京へ。
スタート前、風弱く、作ったジェノアに絶好のコンディション。
早速その新しく作ったジェノアを揚げてチェック。
デッキに寝そべって、そのセールのカタチを下から見上げる。
うふふ、いい感じ。ウットリ。
新しいジェノアのカタチにうっとりしている間にスタート時間が近づく。
スタートライン設置後に風が35度以上右に振れたため、スタートラインは右端が強烈に有利な、大きく傾いたスタートラインになっている。
スタートラインを設置しなおす気配はないようだ。
こういうスタートラインになると、スタートラインがいくら長くても意味はない。
出るべき場所は、スタートラインの右端になる本部船の横、一ヶ所。
当然、全艇がそのピンポイントからスタートを切ることを目指すから、大混乱のスタートになる。
その一ヶ所をめぐる、数十隻のヨットの椅子取りゲームだ。
1隻だけが、そのたった一つの椅子に座れるのだ。
しかも、それだけ風が右に振れると、第1マークへはスターボードタックの、ほぼ片上りになるから、
スタートに失敗してしまったからと言って、右にタックして逃げることもできない。
つまり、最初のレグでクリア・エアの中を走り続けたいと思うのなら、
スタートの失敗を避けるためにその椅子取りゲームに参加しない、という選択肢すらないのだ。
大型艇であれば、小型艇との絶対的なスピード差を生かして、スタートが上手くいかなくても後ろから小型艇をズンズン追い抜いて、すぐにクリア・エアをつかむことが可能だが、今日乗っている艇は小型艇だ。その手は使えない。
さあて、強いプレッシャーがかかった状態で、最良のプレイができるかどうか、
自分自身を試すには絶好の機会だととらえ、椅子取りゲームに参加することを決める。
「俺のアメリカスカップ」のスタートに集中し、そのピンポイントをゲットする。
きちんと仕事ができた。
気持ちよくスタートし、しばらく艇団のトップを走る。
スタート後、予想していたよりも早い段階で風が上がり始め、
新しく作ったジェノアが最大の能力を発揮する風速を超えてしまう。
布地の強さ的には、まだまだ風速が上がっても大丈夫なものを使っているが、
セールのシェイプに関しては、想定風速の上限を超えている。
その風速に合ったジェノアを持っていないので、仕方なくそのまま最後までそのジェノアを使い続ける。
レースの中盤から、さらに風速が上がってきて、
ジェノアがメインセールに悪さを始め、スピードが伸びない。当たり前だけどサ。
でもこれが「俺のアメリカスカップ」だ、最後までベストを尽くそう。
結果、今週の「俺のアメリカスカップ」必勝! は、ならず。
うなだれて帰る葉山までの道のりが、やけに長い。
でもね、微・軽風用の、最高のジェノアは作れたし、いいんでないかい、今週はそれだけで。
来週は、また別の新しいセールを葉山でテストする。
レース用ではないが、このセールがまた新しいアイディアの、とんでもないセールだ。
テストが楽しみ。