6月某日 東京・お台場 と 銀座

2010年06月09日 | 風の旅人日乗
[photo by H.Minoda]

2010年度チームニシムラ活動はじめ。
今年度は海での開催を諦めなければならなくなったことを嘆くのは、もうやめた。
その代わり、次のステップにジャンプするため、今年度はチームニシムラのチカラを溜め込む年と捉えることにしたが、同時に、継続することの大切さをも知る者として、来年度以降の捲土重来を期しながら、プールを使った体験セーリングイベントで地道に攻めることになった。
プールでのセーリングの分野でも、我々は草分けを密かに自負している。

この日は、参加者たちが万が一の事故を起こした場合に備えた賠償責任保険などの手続きが間に合わなかったため、運営サイドだけでセーリングして、今回初めて使う船の科学館のイベントプールの狭いスペースの中で、我々が所有している艇がタッキング可能かどうか、などのマニューバビリティーをじっくりと確認することにする。

東京湾と相模湾に強い南風が吹き込んだこの日だったけど、お台場・船の科学館のイベントプールには弱く、不安定な風しか吹いていない。
セーリングのコンディションとしては「絶好」とは言えないけど、実際の体験セーリング実施日にはこういうコンディションがあることも想定しておかなければいけないため、内輪の予行演習をするには、もってこいだ。

インストラクターのみんなで交代で乗りながら、狭いプールの中での操艇を確認し合った。と言うか、狭いプールの中でヨットを自在に操るヨロコビを思いっ切り堪能した。
実際に艇をわざと転覆させて、参加者を恐がらせずに岸まで連れていく練習をしたりもしたけれど、この日の陽気は、そのまま水の中にいて泳いでいたいくらいの気持ち良さ。
未経験者をヨットに乗せるイベントの時にいつも感じている独特の胃の重さ(顔ではニコニコ笑って参加者に不安を感じさせないようにしつつ、心の中で最悪の突発事故に備える)からも開放されて、狭いプールの中だったけど、存分にセーリングを楽しんだ。



[photo by H.Minoda]

チームニシムラ・セーリング実行部隊隊長のM橋さん(うしろ)と、M橋さんの水産大ヨット部時代からのチームメイト、K山さん。
K山さんは、わざわざこの日のために単身赴任の大阪から駆けつけてくれた。
ありがとうございます。




[photo by H.Minoda]

前に親子2名を乗せるために、我々チームニシムラの艇ではティラー・エクステンションを外してある。
一人で乗る場合、直接ティラーを手で持つ位置に座ると重心が後ろに寄り過ぎてしまい、リーヘルムになる。なので、風上に上るときには、出来るだけ前に乗って艇の前を沈めてウエザーヘルムを作り出す必要が出てくる。そうすると、足でティラーを操作しなければならなくなる。かなり苦しい体勢だが、体重移動だけで艇の動きや性癖を自在に変える練習が出来て楽しかった。




[photo by H.Minoda]

プールの一番狭い部分をタック、タックで風上に上らなければならない風向だったため、プールの幅をいっぱいいっぱい使ってタッキングしながら風上に向かう。
こういうプールでのセーリングは、2007年の淡路島での『青少年交流の家』で、発達障害の子供たちと一緒にセーリングして以来で、そのときのことを思い出した。
あのときは、2004年以来ずっと一緒にこのクラスのヨットを使って子供たちにセーリングを伝えてきた高橋英夫さんも居てくれたのにな。高橋さん、何で死んじゃったのかな。
心の中で高橋さんと話をしながら、一緒にセーリングした。




[photo by H.Minoda]

若いK野クンに、お客さん役になってもらって前に座ってもらう。そうするとこのような微風でも、スピードさえ維持していればグイグイ風上に上っていくことができる。
微風用の大きなセンターボードがあればもっといいかも。いつの日か、この活動に予算が付いたら作りたい。
足でのティラーさばきにも慣れたが、翌日と翌々日、太ももが筋肉痛になった。
エクステンションを付けてもお客さんに当たることはなさそうだとみんなで確認したので、次回は、ティラー・エクステンションを付けることにした。

そのあと艇を片付けてお台場を撤収、次回開催の打合せのために銀座のMさんの店に行く。




[photo by H.Minoda]

銀座通りがまだ歩行者天国の時間帯だったので、店から椅子とテーブルを通りまで出し、まずは生ビールでおつかれさんの乾杯。
次々にジョッキが空になり、生ビールの補給に忙しく店と通りを往復するMさんには申し訳なかったけど、銀座の夕暮れの光景を肴に、いい時間でした。

野球場で、観客席の間を走り回って生ビールを売ってくれるミニスカートの女の子たちが背負っている生ビールのタンク、ありますよね。
こういうシチュエーションで、各自があれと同じタンクを自分で背負って、めいめいが自分のジョッキに生ビールを自分で補充しながら青空宴会できたら、誰の手も煩わせないし、背中には、それこそ売るほどマイビールを確保しているわけだし、すごく楽しいことになりそうだなぁ、とボンヤリ夢想した。

ぼくとK山さんは用があったので早めに帰ったが、他のみんなはその後Mさんの店で終電までカラオケを楽しんだらしい。
チームニシムラの活動を核に、セーリングが大好きな人たちの輪が広がっていくのは、とてもうれしいことだなあ。
お台場でのチームニシムラのセーリング体験イベント、次回は7月4日午後開催の予定です。


[photo by H.Minoda]