いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

オール人力狙撃システム試作機

脱線原因の推測4

2005年05月08日 18時21分59秒 | 社会全般
疑問に思えることは、乗客達や車掌は何故事故現場に到達する前に異状を感じたのか?である。普段も直線を120kmで走行していたとしたら、事故の日にそれ程「スピードが出ている」とは感じないはずで、「いつもと同じ」という感触のはずである。左右の揺れが相当大きかったか、外の景色の感じから「かなり早い」ということを感じたか、であろう。時速10km程度の違いの時に、景色で体感速度が変わるというのは普通の人には難しいと思う。当日たとえ126kmで走行していたとしても、普段の116~120kmとの違いが判る人は極めて少ないのではないか、ということだ。塚口駅辺りで異状を感じる人がかなりいたことを考えると、遠くの景色を見て判断したというのは少ないと思う。

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この前訂正で取り上げた(参考記事)毎日の記事なのですが、どうも気になるのです。特に塚口駅通過頃に、乗客の不安感が増大したのは・・・何故なのか?


塚口駅付近では直線とは言いながらも、駅構内を通過する時に、ごく僅かに左側へ曲がり続いてすぐ右へ戻るという小さな「ふくらみ」のようなコースとなっていたのではないのかな?ここを通過する時の横揺れがいつもよりはるかに大きくて、多くの乗客達が「普通じゃない」と感じたのではないだろうか?その後にも車体の異状感が続いていたのではないかと。それが蛇行動などと一部報道が見られたように、かなりの揺れとして体感されたのだと思う。普通は減衰振動で揺れがすぐに弱まるのだが、当日には大きく揺れたままで、なかなか揺れが収まらなかったのでは?この時点で車両に何か異状が既に発生していたか、もしくは通過の際に発生したという可能性があるかもしれません。


もう一つ、非常ブレーキのレバー位置と、実際の非常ブレーキの証拠が見られておらず、一致していない。レバーを入れてすぐに利き始めるのかわからないのと、脱線直後にレバーを入れた可能性もある。「非常ブレーキはなかった」ということを、たまたま4両目に乗車していた運転士は話しており、実質的に非常ブレーキが作動することがなかったか、前方3両と後方4両ではブレーキの利き方に大きな違いとかタイムラグがあったとか、ブレーキの不具合ということなのか、よくわからない。カーブ手前で全くブレーキをかけないということは考えにくく、一度は通常よりも強くブレーキをかけるはずである。それが、「一回、前に引っ張られるような感じがした」という表現なのかと思っていたのです。それでも減速が出来ずに、最後には非常ブレーキ・・・ということかと思いましたが、非常ブレーキの痕跡が無い理由が何なのかよく判りません。



電車の加速性能はよくわかりませんが、おおよその予測をして考えてみます。伊丹駅を9時16分20秒に出発、1900m先の猪名寺駅へは約32秒程度加速(距離にして540m進む)して秒速34m(時速では約122kmで、秒速の方が分かり易いので、以後秒速表示とします。時速108kmが丁度秒速30mです)となり、秒速34mの平均速度を維持したままだとすると、猪名寺駅は17分30秒~35秒頃通過、1100m先の塚口駅は18分5秒~10秒頃通過することになります(通常ダイヤでは伊丹駅9時15分発、塚口駅通過は17分ころ、「システム上1分の遅れ」で見れば大体この位であっているかな?)。ここでの通過速度が通常もっと遅くて(先に述べたように、もし「ふくらみ」みたいになっているなら、ちょっとスピードを落とすと思うんですけれど)、時速100km弱程度だとすれば、速度差が時速で約20km以上あることになり、これならば体感速度は違うと思います。開けた景色の場所よりも、車両から近い所にある建物とか壁を見ると、普段との速度差が分かり易いはずです。

続いて、塚口駅を通過後秒速35m(報道では時速126kmとなっているからです)で高速道路の高架の辺りまで行くとして、約22秒間秒速35mで進み(距離で約770m)、その後秒速35mから30mまで6秒間で減速したとすると(約200m進む)、既にカーブに到達します。高架下の通過時間は18分30秒~35秒頃だと思われます(伊丹出発後わずかに2分少々しかたっていません)。このまま事故のカーブへと進入して行きました(高架からカーブ入り口までの距離が判りませんが、概略このくらいかと推測してみました)。


車掌が「揺れと脱線の可能性」を指令所へ連絡したのが、恐らく塚口駅を通過して高架下へ向かう途中だとすると、高架下までの約22秒間に連絡したのではないでしょうか(10秒程進んで、おや?と感じ、「減速しなければ間に合わないんじゃないか」と考えたであろう、高架手前450mあたりでしょうか)。高架到達前に減速しているべき所を、秒速35mで進んでいたのですから、おかしいと思うはずです。しかし、指令所の連絡ブザーが鳴ってから、たった10秒くらいで高架を通過するとなれば、車掌は満足に説明している暇もなかったでしょう。同時に、このときの10秒間の決断に・・・「もしも」とは言えません、私には・・・


18分40秒前後に問題のカーブへと電車は進入していきました。緩和曲線を約2秒で過ぎた次の瞬間、強烈な横Gが襲いかかり、この直後に非常ブレーキのレバーが入れられたとすると、利くまでにタイムラグがきっとあったでしょう。その僅かな間に脱線ポイントへと到達してしまいました。カーブ進入から約4秒、非常ブレーキレバー操作から1秒強程度で脱線となってしまいました。非常ブレーキレバーを入れる5秒前には、電車は損傷した電柱から約190~200mほど塚口側にいたんじゃないかと思います。


おそらく車掌が指令所に連絡を入れた瞬間から、約20秒間で全てが起こってしまったのではないかな。このような予想ですが、よく判りません。モニター分析でもっと正確に判ると思います。



プロ野球改革のこと

2005年05月08日 00時44分15秒 | 社会全般
今交流戦が行われており、最弱決定戦では楽天が巨人に連敗という順当な結果となっている。まあ、仕方がないのだけれど。楽天は得点しているので、ピッチャーを何とかした方がいいですね。巨人はまさか負けるわけにはいきませんから、楽天で気分転換を図ろうと思っているでしょう。ハムは阪神に勝ちましたー。


先日NHKの番組では、滝鼻さん、孫さん、宮内さんの対談形式で、プロ野球改革のこととか球団経営のこととかが話されていました。そこでの話は中々面白かった。孫さんは新規経営者であり、プロ野球に対して新たな可能性に賭けたいという心意気みたいなものが感じられた。番組中でも、対立姿勢であったのは宮内さんで、対照的な感じがした。宮内さんの球団経営に対する考え方は、野球の楽しさや夢をファンに届けるというよりも、ビジネスとしていかに成立させるかとか、会社の利益に直結させるにはどうしたらいいか、というような感じで、宮内さんが経営するのは別にプロ野球でなくともいいような気がした。


孫さんは巨人に人気が集中したり、年俸の高い選手がいたとしてもいいし、それは自然なことで、そういうエネルギーがあることで球界全体に好影響が出ることを期待しているようなスタンスなのだと思った。しかし、宮内さんは徹底した球団・球界管理を行い、均等化や資金分配システムを導入して、選手集めとか球団経営の公平化を図るべき、というような考え方であった。それ故、選手年俸も管理制にするべきというような主張であった。何だか、愛のない経営だな、と思った(実際にどうなのかは知りませんが)。政府の規制緩和の委員だか議長だったかもやっていて、経営管理を好む宮内さんだからなのかな、とも思った。プロスポーツビジネスとしては、孫さんの方法がうまくいくのかどうかは判らないが、一ファンとしては、そちらの方向に期待したいとも思っている。まあ宮内さんにしてみれば球団経営について、「孫さんはまだよく知らないからそんなことが言えるんだよ」と内心思っているのかもしれない。資金を公平に分配することで全部の経営が苦しくなるとか、「他球団の人気におんぶにだっこ」を目論んでいるんじゃないかとか、結局宮内さんのところが「楽して経営できればいいや」的な(他球団の年俸も自分の所と同じくしたい、みたいな)考えであるかのような誤解もあり得る。


滝鼻さんは、どちらの味方ということでもなかったが、宮内さんの「ジャイアンツヒガミ」というか嫉みというか「盟主巨人が元凶」(選手年俸がべらぼうに高く、1人だけ金を集めまくっている、というような・・・)的な発言には、流石にちょっと「嫌な顔」をしていた(心の中ではオーナー会議でも同じことを言ってみろよ、とか思ったのかもしれないな、笑)。ジャイアンツは日本プロ野球界の象徴ですから、オーナーとしての「プロ野球に対する愛」はあるように感じられた。これは、ナベツネもそうだったのだが、経営がどうのということよりも、本心の所では「タニマチ」的な愛があるような感じだと思う。そういうビジネスとしての本気の見返りを求めないようなところが、ジャイアンツの経営陣にはあるような感じがする。それ故に、プロ野球界とか巨人の人気低下には、他の何処よりも心を痛め、危機感を持っていると思う。


プロスポーツビジネスとしての経営戦略としては、無償の愛だのと言っちゃいけないと思うが、でも、夢を売る商売なのに夢が無ければお客は離れていくかもしれないな。試合での選手のパフォーマンスは勿論大事なのだが、競技やチームを愛する人達がいなければ経営的には成り立たない訳で、そういった人を惹きつけるような球団ということを考えると、オリックスは最低ランクだと思う。そういう球団の経営方針であり、経営者なのかなあ、と思ってしまう。その意味では、宮内さんの話を聞いていて、「そうか、やっぱりな」というような印象を受けた。もしも、宮内さんの方法で全球団が経営したら、つまらない野球界になってしまうんじゃないか、と危惧してしまった。


孫さんの言う球団経営の基本的な考えは、スーパースターが生まれればそういうエネルギーで市場全体として活性化される、というようなことだったと理解した(年俸の極端な抑制は海外流出が増加する、ということも言っていた)。宮里愛ちゃんや卓球愛ちゃんとかタイガーのようなスターが必要なんだ、と。なる程、そういう面は大いにあるだろうな、と思った。サッカーもそうだが、選手とか試合放送という、ソフトの価値を高めれば、収入は当然多くなるということだと思う。宮内さんはシステムとしての経営手法をより安定したものにした方がよい、という考え方であろうと思うし、それが間違いだとは言えないが、ソフト価値を高める努力をする方が将来大きな収穫が得られる可能性があるかもしれない。


女子プロゴルフだって一時は人気低下とか賞金低下、スポンサーが見つからないという危機を乗り越えたわけだし、サッカーだってJリーグの人気低下時期があったけれど、地道に努力し続けてきた。どのスポーツにしても、低迷期を越えてきたのだから、プロ野球改革も必然だろうと思う。よい傾向としては、少年達が将来の夢として選んだ第1位が「プロ野球選手」でしたから、いずれその効果は出てくるかもしれませんよ。十年後くらいに(笑)。