前の記事で、「私の記事は想像・空想によって書いている」と述べました。お読みになっていて、はっきりと分かるのではないかと思います(笑)。脱線事故の原因についても、単なる推測で書いてしまいました。これは良いことではありませんが、専門家は軽々しく予想を述べたりはできませんし(もし間違えていたら、その人の信用にかかわるからです)、専門知識が多いゆえに、逆に「それは有り得ないのではないか」とか「今までの常識で考えると」というようなことや、考えるべき要素が凄く多いので、かえって推測しにくいということがあると思います。
私は学生時代からずーっとバイク(中型です、400でしたよ)に乗っていました。親に内緒で免許を取りに行き、中古を自分で買いました。当時田舎暮らしの私の親は、「オートバイに乗るのは暴走族」という大間違いな先入観を持っていて、絶対に許してくれなかったのですね。でも、直ぐにバレてしまいまして、一応公認してもらったのですが・・・(笑)。懐かしいですが、この経験が今回の事故の推測に影響を与えたように思います。正確な事故原因はまだ分かりませんが、片輪走行の予想は概ね妥当なようです(脱線後なのか、脱線前の状態なのかは正確には判っていませんけれども)。この推測が浮かんだのは、映画などで観るシーンでの列車や車の動きとか、バイクの運転経験でした。
バイクの最も好きなところは、「自分で運転している」ということが体感できることでした。当然2輪ですから、走っていなければ倒れますし、車とは全然違いますね。バイクでの恐怖体験は、教習所で「急制動」というのがあったのですが、これで一度凄まじい転倒をしたことがありました。直線コースの終わりの所に、路面に引かれた白線にピタリと止まらなければならないのですが、スピードが出すぎてしまい、焦ってブレーキを強くかけたら後輪がロックしてしまい、転倒して数十メートル滑って行きました。その時には何が起こったのか全然分からず、バイクはさらに十メートル以上先まで滑っていきました。物理法則を本当に体感することになってしまったのです。バイクは前輪と後輪しかありませんから、ブレーキを強くかけると、前輪に相当の荷重がかかるのが体感されます。手のレバーは前輪のブレーキで、足のブレーキは後輪なのですが、前後同じように強くブレーキをかけると前輪の方がロックしにくく、後輪は垂直荷重が少ないのでロックしやすいのです。教習所時代にはこれに対する注意が足りなかった為、転倒してしまったのでした。
ですからどんな車体構造であっても(車やバスや電車ですね)、前後的な車輪にブレーキをかけると前方に必ず荷重が大きくかかり、後方は少し浮き上がり(垂直荷重が減少するということ)が起こるように思います。列車は前後の距離が長いし、サスペンション(空気バネとか板バネのような構造物など)の最大沈み込みの限界があると思いますので、前後的な傾きはバイクと比べるとはるかに小さいと思いますが、物理的には前側に傾斜し後方は浮き上がりが起こることは確かであると思います(サスが完全な剛体であれば動かないかもしれませんが)。車のFF車であっても、加速時には前側がやや高くなり、駆動しないにもかかわらず後輪側へと車体は沈み、ブレーキ時には前側へと沈み後輪側が高くなってしまう。今の車はサスのコントロールも電子制御であると思いますが、それでも姿勢変化は少しあるように思います。
電車の車体で左右の揺れの場合を想定してみます。真っ直ぐな状態で右側へ荷重をかけると、右側サスが沈み、その後右側サスは上方向へ反発し右側が高くなるとともに左側へと沈むことになると思う。これが何度か繰り返されて、沈むのは右、左、右、左・・・という具合に、減衰振動となるように思う。静止状態でサスの性質としてこうした減衰振動があるとすれば、走っている電車であっても、右に沈んだ車体は、次には左へ沈もうとするんじゃないかと思われるのです。つまり、右の垂直荷重は減少し、左へと重心が移っていくということです。
バイクでは、サスの沈み込みから、反発による浮き上がりの挙動を利用した曲芸的な乗り方をする人がいます。例えば、前輪を持ち上げる場合(ウィリー状態ですね)には、まず荷重を前輪に強くかけてサスを沈め、その直後にサスが戻るのとタイミングを合わせて後輪側へと荷重を移せば前輪は持ち上がり、一輪走行状態になります。サスの性質としては、垂直荷重が減少すれば、押し込まれているサスが必ず戻ろうとするということです。
脱線した電車は、事故現場に到着する前から「大きく揺れている」ということを車掌が報告しており、このことは電車の速度が速くて側方力がいつもより大きく働けば、左右への減衰振動が大きくなることは予想されると思います。「大きく揺れる」というのは、振幅の大きさを感じているのでしょう。
脱線事故の電車は、高速で緩和曲線部分に進入していくと、カントによって本来内側へと傾いていくはずです。しかし、その動きはほんの一瞬で、すぐさま強い遠心力によってカーブ外側(左側)へと傾こうとするはずです。そのタイミングと、一瞬右側サスの沈み込みが起こっていたことによる反発が一致して起これば、内側車輪(右側)の垂直荷重急減が起こりえるのではないか、と思います。バイクのウィリーと同じ原理です。電車は右に一度揺れた直後に左側へと大きく沈み込みながら傾斜が強くなり、左へと倒れていきます。
この状態でブレーキがかけられたのではないか、と推測しました。後は、以前記事に書いた通りです。
私は学生時代からずーっとバイク(中型です、400でしたよ)に乗っていました。親に内緒で免許を取りに行き、中古を自分で買いました。当時田舎暮らしの私の親は、「オートバイに乗るのは暴走族」という大間違いな先入観を持っていて、絶対に許してくれなかったのですね。でも、直ぐにバレてしまいまして、一応公認してもらったのですが・・・(笑)。懐かしいですが、この経験が今回の事故の推測に影響を与えたように思います。正確な事故原因はまだ分かりませんが、片輪走行の予想は概ね妥当なようです(脱線後なのか、脱線前の状態なのかは正確には判っていませんけれども)。この推測が浮かんだのは、映画などで観るシーンでの列車や車の動きとか、バイクの運転経験でした。
バイクの最も好きなところは、「自分で運転している」ということが体感できることでした。当然2輪ですから、走っていなければ倒れますし、車とは全然違いますね。バイクでの恐怖体験は、教習所で「急制動」というのがあったのですが、これで一度凄まじい転倒をしたことがありました。直線コースの終わりの所に、路面に引かれた白線にピタリと止まらなければならないのですが、スピードが出すぎてしまい、焦ってブレーキを強くかけたら後輪がロックしてしまい、転倒して数十メートル滑って行きました。その時には何が起こったのか全然分からず、バイクはさらに十メートル以上先まで滑っていきました。物理法則を本当に体感することになってしまったのです。バイクは前輪と後輪しかありませんから、ブレーキを強くかけると、前輪に相当の荷重がかかるのが体感されます。手のレバーは前輪のブレーキで、足のブレーキは後輪なのですが、前後同じように強くブレーキをかけると前輪の方がロックしにくく、後輪は垂直荷重が少ないのでロックしやすいのです。教習所時代にはこれに対する注意が足りなかった為、転倒してしまったのでした。
ですからどんな車体構造であっても(車やバスや電車ですね)、前後的な車輪にブレーキをかけると前方に必ず荷重が大きくかかり、後方は少し浮き上がり(垂直荷重が減少するということ)が起こるように思います。列車は前後の距離が長いし、サスペンション(空気バネとか板バネのような構造物など)の最大沈み込みの限界があると思いますので、前後的な傾きはバイクと比べるとはるかに小さいと思いますが、物理的には前側に傾斜し後方は浮き上がりが起こることは確かであると思います(サスが完全な剛体であれば動かないかもしれませんが)。車のFF車であっても、加速時には前側がやや高くなり、駆動しないにもかかわらず後輪側へと車体は沈み、ブレーキ時には前側へと沈み後輪側が高くなってしまう。今の車はサスのコントロールも電子制御であると思いますが、それでも姿勢変化は少しあるように思います。
電車の車体で左右の揺れの場合を想定してみます。真っ直ぐな状態で右側へ荷重をかけると、右側サスが沈み、その後右側サスは上方向へ反発し右側が高くなるとともに左側へと沈むことになると思う。これが何度か繰り返されて、沈むのは右、左、右、左・・・という具合に、減衰振動となるように思う。静止状態でサスの性質としてこうした減衰振動があるとすれば、走っている電車であっても、右に沈んだ車体は、次には左へ沈もうとするんじゃないかと思われるのです。つまり、右の垂直荷重は減少し、左へと重心が移っていくということです。
バイクでは、サスの沈み込みから、反発による浮き上がりの挙動を利用した曲芸的な乗り方をする人がいます。例えば、前輪を持ち上げる場合(ウィリー状態ですね)には、まず荷重を前輪に強くかけてサスを沈め、その直後にサスが戻るのとタイミングを合わせて後輪側へと荷重を移せば前輪は持ち上がり、一輪走行状態になります。サスの性質としては、垂直荷重が減少すれば、押し込まれているサスが必ず戻ろうとするということです。
脱線した電車は、事故現場に到着する前から「大きく揺れている」ということを車掌が報告しており、このことは電車の速度が速くて側方力がいつもより大きく働けば、左右への減衰振動が大きくなることは予想されると思います。「大きく揺れる」というのは、振幅の大きさを感じているのでしょう。
脱線事故の電車は、高速で緩和曲線部分に進入していくと、カントによって本来内側へと傾いていくはずです。しかし、その動きはほんの一瞬で、すぐさま強い遠心力によってカーブ外側(左側)へと傾こうとするはずです。そのタイミングと、一瞬右側サスの沈み込みが起こっていたことによる反発が一致して起これば、内側車輪(右側)の垂直荷重急減が起こりえるのではないか、と思います。バイクのウィリーと同じ原理です。電車は右に一度揺れた直後に左側へと大きく沈み込みながら傾斜が強くなり、左へと倒れていきます。
この状態でブレーキがかけられたのではないか、と推測しました。後は、以前記事に書いた通りです。