いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

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国と地方の大断層1

2005年11月09日 23時22分15秒 | 社会全般
これから非常に大きな山を迎えることになります。三位一体の改革、それに伴う義務教育の問題、基地移転問題等々、国と地方の対決姿勢はより強まるでしょう。首都圏を中心とする大都市圏での政策議論の前提となる意識と、人口集積の少ない、地方での身近な末端(現場)レベルでの意識が大きく異なるということがより鮮明になっていくことでしょう。住んでいる地域によっては国民の感じ方にかなり違いがあるので、これからの日本ということを真剣に考えなければならないでしょう。どういった将来像があるのか、地域住民がどういう方向へ進みたいか、ということを議論することが必要でしょう。


今の少子化が継続するなら、多くの地方では「過疎化」が深刻な問題となっていくでしょう。主な産業がない、仕事がない、ということもあるでしょうから、若い人達の都会指向は続くでしょう。地域に残っていたとしても、就職先がないからです。昔のような1次産業は就業人口が減少し、労働生産性の高い仕事(笑)に就かなければなりませんし。国は基本的に「自助努力」ということを推進していくことになりますから、大都市圏で標準的と思われていることであっても、地方では同じように出来る訳ではない、ということをまず覚悟するべきでしょう。かつては国が主導してきたことも、今後は地方の受け入れレベルによってそれを選択していかなければならないでしょう。例えば新幹線や空港を作るといったような、中央の言うがままに何でも受け入れてきたようなことは無くすしかないでしょう。


言ってみれば半分「独立」という考えで臨むしかないかもしれません。ある離島があって、そこに住む人々が一定の生活を維持していこうとする場合に、島から出て行くお金の合計が入ってくるお金の合計よりも多ければ、島の住民は段々と貧しくなっていくでしょう。島の経済成長がなければ、やっぱり相対的に貧しくなっていくでしょう。例えば島の中にパン工場を作り、島の中でそこのパンしか消費しなければ島の中に利益が残されることになりますが、島のパン工場を駆逐して東京本社の会社がパンを売りつけてしまえば、東京に利益が移転されてしまう、というようなことです。逆にパンを島の外に販売(=輸出)できれば、島は利益が稼げるので潤うことになります。そういう地方の競争力がなければ、内部での循環を多くする以外にないでしょう。もしもある地域に、完全に閉鎖的な循環が形成されれば、その地域内部に利益の全てが残ることになります。これは反グローバル化ということになりますね。そういう閉鎖的地域が形成されたら、その成長レベルに応じた利益配分が行われることになるのではないかな。利益が少なければ、不便も非常に多くなるかもしれないけれど。


そういう目で見ると、地域運営は国同士と同じようなものかなと思います。言ってみれば、東京という国と地方という国の貿易圏があって、その地方特有の資源を活かす方法がなければ、利益は一方に流れていってしまいます。現状では人の流れもそういう傾向になっていますね。鉄鉱石を掘るだけの島があって、そこの住人はどんなに汗水流して必死に掘り続けても安くしか売れず、外国産品との価格競争も厳しいのに、島の住人に必要な物資などを「トカイ」の連中が売りつけるのです。「トカイ」の連中はいくつもの「島」を全国各地に占有しているようなものなので、利益は「トカイ」に集められてくるのです。島はいつまでたっても豊かにはなっていきません。鉄鉱石の需要が物凄く増えたりして仕事が多くなるとか、単価が上がるというようなことがない限り、島全体に入ってくるお金が増えるということはないでしょう。


地方の農業とか漁業などはこの鉄鉱石を掘る島と似ていて、必死に働いても「トカイ」の連中には追いつけないのです。島の外へ輸出できる資源が限られるとか付加価値や競争力が乏しいからなのではないのかな、と思うのです。この島が経済的に成長していく為には、鉄鉱石を利用して加工製品を作る工場を整備したり、古い鉱山の探検コースが人気の観光業を盛んにしたり、といった「何か」を生み出さねば、仕事が増えたり入ってくるお金が増えるということはないでしょう。ですが、島の外側では給料が上がっていったり、税金や物の値段が上がったりして、払うべきお金が増えていくと、ますます島の中で自由に使えるお金が減少してしまうでしょう。鉄鉱石をいつまでも一定に掘り続けていても、多分何も変わらないでしょう。


このように考えると、地方にはあって、都会にないものを資源として、地方にお金が入ってくる仕組みが必要だろうと思います。今までは国に頼って、「国が何とかしてくれる」「地方に仕事を持ってきてくれ」というような流れの中で、地方の自助努力が不足していた面もあるかもしれません。そういう部分を減らしながら、世界遺産とか自然などの観光資源、都市部へ供給する水資源、・・・他にいいのが思いつきませんが、そういう都会にないもので、地方の金になる資源を活かす方向性を必死に探るしかないと思います。勿論、日本全国では無理だ、というのは理解できます。ですから、近隣でもいいですから、「首都圏」というようなある範囲のブロックの中で、そういう活性化地域が生まれれば、そこでの仕事が増えたり、人が増えれば消費も増えたりすることになるでしょう。そういう「何か」を各地で見つけていく努力をする以外にないと思います。


続きはまた。