いい国作ろう!「怒りのぶろぐ」

オール人力狙撃システム試作機

人命の価値

2005年11月19日 19時27分44秒 | 俺のそれ
いつも拝読させて頂いてるbewaadさんの記事であるが、今日の脱線事故に関する記事については、かなり違和感があった。確かに安全対策というものには限界があるし、コストもそれなりに多くなってしまい、デメリットも多い。だが、果たして事故当事者達にとって、経済学的なコスト―ベネフィットだけで理解が出来うるものなんだろうか?自分の子供や親とか肉親の死を目の当たりにした時も同じように、そういう納得が出来るのか、ということを感じた。


多分官僚の方だから、常にそういう思考に慣れているからだろうと思ったりもするけれど。数十年に一度か十年に一度しか事故が発生せず、その安全レベルが現状と別な対策を講じたとしても大差ない時、安全対策は経済学的に得にはならない、というような誤解を持つのではないかな、と思った。要するに、不幸にも事故が発生したら金を払えばよく、その払う金額よりも安全対策費の方がはるかに多くなるんだから、ということだ。まあね、割り切って考えれば、多分そうなんだろう。でも、そういう思考には疑問以外に浮かんでこない。遺族にそういう説明ができるならしてもらいたいと思ったりもする。


難病で苦しむ人々がいて、その病気が百万人に1人確率だとすると、全国でも120人くらいの患者が存在するということになるが、この人々を救う為の薬剤とか特別治療費用が1人当たり1億円くらいの金額になる時、この人々を救うよりも、自殺者の方が圧倒的に多いので、そちらの対策費に使った方が効率がよい、ということになる。あるいは、交通事故死でもいいけど、そちらの対策費に回した方が効率的だ、ということになる。費用対効果はそうだろうな、と思うけれども、果たしてそれが感情的に許容できるんだろうか?私には理解出来ない。うまく表現できないけど、そういう思考を知るのがちょっと怖い。
常に、無限に金がある訳ではないので、仕方がない面もあるのだけれども・・・



国と地方の大断層5(慌てて追加)

2005年11月19日 14時51分56秒 | 社会全般
finalventさんの記事で見て知ったのですが、R30さんの記事([R30]: 生活保護は国の責任だとか言ってるご都合主義者どもに告ぐ)で生活保護のことが取り上げられていました。向こうにコメントを書きに行ったのですけれども、長々と書いてしまってまずかったかも。それに参考記事を忘れてしまい、別にTBしてしまった。支離滅裂。ならば、最初から記事に書いてTBしておけば良かった。R30さんゴメンナサイ。


生活保護費の国からの切り離しを拒否しているのは地方の側であり(生活保護データの提出拒否や、事務返上も視野に入れてということです)、何となく抵抗しているのが厚労省みたいな印象の記事だったので、コメントに書いてしまいました。


前に書いた(地方財政の破綻は?三位一体の落とし穴社会保障改革への道2)のですけれども、生活保護費の7割超が恐らく医療費であり、今後無年金者たちが増えたり、高齢者人口が増加したら、必ず生活保護費が増加してしまいます。その意味で、最低保障としての「年金一元化」と保険料納付に左右されない間接税方式の年金が必要だ、ということを訴えてきました。


このことに気付けば、霞ヶ関は将来の増額が予想される医療・介護関連費用の責任を持ちたくはない、というのが本音だろうと思っています。現在市町村で苦しい運営となっているのは、国民年金もちょっと問題ですが、それ以上に危機的ともいえるのは国民健康保険とそれにくっついている介護保険の問題です。保険者は市町村なのであり、運営主体が地方にあるのですが、財源が苦しいと介護保険料負担が高くなったり(2500円~3000円程度の都市部と、6000円を超える負担をする町村などのような大きな格差があります)、自治体の持ち出し(赤字分を一般財政から補填しなければならない)が増えたりしているのです。若者が少なく、高給取りも少ないような田舎であれば、国民健康保険加入者の半分以上が高齢者で、殆ど払う人がいなくて払う人がいても給与が低いので保険料収入が増えるはずがないのです。

おまけに高齢者比率が高くて医療・介護費は相対的に(人口に比して)多くかかる、となれば、市町村が苦しいと思うのは当然です。生活保護になれば、医療費は全額負担となってしまい、年寄りが病気で寝たきりとなって病院に入院したままだと(社会福祉施設が充実してるとも限らないですから)、えらく金がかかることになってしまいます。

この他に新たな医療保険制度として、都道府県単位の政府管掌健康保険制度になれば、地方の負担は今まで以上に重くなるのに、その上生活保護の医療費分までは厳しいというのが現状の見通しだろうと思います。


R30さんがこの記事を気付いてくれたら幸いです。また、finalventさんの方にもコメント書き込めないし(はてなじゃなく、gooなので)・・・


追加です。

ああっと、忘れていましたが、生活保護を地方へというのは、地域によってかなりの認定率の差があるので、地域で責任を持ってくれ、という部分もあるのだと思います。ある都道府県では人口千人当たり5人の生活保護、別な都道府県では20人の認定だったら、両者の総人口規模が似ているのにオカシイんじゃないか?という部分はあると思います。田舎といっても、親との同居が多い地域と、ほとんど同居の少ない地域(歴史的な差なのか判りませんが)ということなどから、違いが出ることもあるでしょう。同居世帯が多ければ独居老人なども少なくなるので、生活保護とはならなくなりますし。そういう地域差というのも、ちょっとよく判らないんですが、都道府県単位で責任を持ってくれ、という言い分もあるかもしれません。



空港へGO!

2005年11月19日 13時35分33秒 | 社会全般
今年、国土交通省にとっては本当に「当たり年」という予想(公務員制度改革6)が当たってしまった感がありますね(笑)。橋梁談合でひと山越えたと思っていたところに、また談合疑惑ですか。耐震基準の偽造問題でも、事務次官(お名前を失念いたしました)が「ミンミン(民-民)の問題ですので、国が金を出すということはない」という趣旨の苦しいコメントを出していたようです(何だか「警察は民事不介入なんだよ」とか言う暴○団と似た感じですね)。悪い予感は当たるんですよ、やっぱり(笑)。


渦中の成田空港談合ですけれども、かつては公団運営だったのが、株式会社(多分特殊会社?だよね)に生まれ変わって、名前も新たに新東京国際空港から成田国際空港へと変わりました(今年春からだったよね)。その門出も、過去の「談合問題」でミソを付けられた、というところでしょうか。それとも本当の意味での、過去との決別?(笑)


空港事業というのは、省庁にとってはかなりオイシイ事業だということが判りましたよ。談合もそうですけれども、今までに見てきた構図がここにもはっきりと顕れているんですよ、国交省。道路ばかりじゃないでしょ?


空港事業に伴って、色々ある。まず、例に漏れず、特別会計での予算。空港整備特別会計がある。これに一般会計からの繰入が更にある。中核となってきたのは、当然空港公団だったろう。だが、その中心的存在は、とりあえず民営化会社へと変えられた。道路公団とまさに一緒だな。そして、まるで太陽と周りを回る惑星のように、特殊法人があった。それも独立行政法人へと変えられたんだろう。これが、「空と街とのいい関係 空港周辺整備機構」だ(爆)。それと類する組織としては、「財団法人 空港環境整備協会」だ。こういう公団・特殊法人・公益法人等の錬金術システムが、霞ヶ関で作られてきたのだ。不必要極まりない組織を生み、そこに金を流し込んできたのだ。


以前に経済財政諮問会議で、「空港駐車場の運営を国がやる必要があるのか」という議論というか話題が上ったことがあったが、その意味がようやく判りました。遅ればせながら。すみませんでした、民間議員の方々。国民の理解、支援不足をお詫び申し上げます。成田の談合疑惑は、旧公団を中心とする一連のお決まりパターンであり、その核心部分を鋭く衝くのが今回の事件だ。

随分前から「地方にも空港を」と言って、空港建設事業がどうしてこんなに多いのか、ようやく判りましたよ。本当に気付くのが遅くてゴメンナサイ、としか言いようがないです。国民の責任でもあります。これほど狭い国土に高速鉄道網を整備して、高速道路も整備して、更には空港も整備して、錬金術システムの罠にまんまとハメラれてきたのだ、国民は。空港施設関連事業とか周辺整備と称する事業には、議員も役人も一部業者にも旨みがいっぱいあって、タカリの構図が着実に作られてきた。そういう抵抗勢力の一部が残っていて、そこへのメスが入れられたのだ。


独立行政法人 空港周辺整備機構は、住宅経営という不動産業を営んだり、芝生公園を作ったり、住民を立ち退かせる等の造成事業を手がけたりと、ある種のデベロッパーみたいなことをやってるんだと(笑)。住宅供給公社とか雇用促進住宅とかの住宅事業のマネみたいなこともやってるんだと。要は土木工事に関わる権限を持っていて、昔の土建屋などの利権集団でやってきたんじゃないか、とも思う。空港建設が終われば、大して仕事なんて残ってないだろう。


この組織は、いつもの如くご立派な組織を持ち、天下り軍団の天下なんだそうだ。理事長は運輸省、理事長代理は自治省で、それぞれ特殊法人やら省庁所管の公益法人等を3つ渡り歩いて辿り着いた先がここだったんだそうだ。他の理事は、国交省、大阪と福岡の役人、常勤監事は大蔵官僚、非常勤監事が唯一の民間人だそうだ(これは法で決められているからかな?)。給与は理事長約1890万円、理事平均1600万円弱、監事約1430万円だ。非常勤監事は322万円と破格の安さだけどな(爆)。どこも一緒だろ?独立行政法人なんて。今まで見てきたのと同じ構図。職員数は常勤69名で、平均給与が900万円だとさ(平均年齢45.3歳)。これも雇用能力開発機構などと一緒だろ?平均給与のべら棒な高さが。役職を見ると、ヒラ(係員)が10名、係長17名、課長補佐24名、課長13名、部長5名、って、こいつらはオカシイんじゃないのか?常勤69名のうち、ヒラが10名しかいないのに、残りは役職って一体何なんだ?仕事なんてそんなにないだろ?狂ってる、本当に。


これと似たような組織が、空港環境整備協会だ。自治体などへ卓球台等のプレゼント、公園やらテニスコートやらパークゴルフ場を作ったり、消防車をプレゼントしたりしてるんだと。これは自治省絡みだから?消防庁関連業界の消防自動車製作会社にも喜ばれるもんな~。そして核心の「駐車場経営」だ。アホみたいな仕組みだな。うまい錬金術システムになっているんだよ、本当に。役員達も本当に豪勢な天下り軍団が結成されているのだ。会長は海保長官、理事長は国交省事故調事務局長、専務理事は航空大学校理事長(こりゃ得意の渡り歩きだな)、常務理事は運輸省東京航空局次長、常勤理事は航空環境研究センター所長(「航空医療研究センター」とか「航空保安研究センター」なんてのが所管法人として存在するから、協会内部にも似たような組織として「航空環境研究センター」を作ったんだろう、多分。ポストを増やす為に)だ。非常勤理事には人事院給与局次長がいる。12人の評議員達の中にも、天下りは6名いる。主に運輸省が多く4名、気象庁と防衛施設庁各1名だ。他の役員も関連業界の連中が多い。諮問会議の中での意見はナルホド、と思うぞ、こりゃ。どこもかしこも皆一緒。


国の事業として、ない業種が無いんじゃないか、と思えるくらいの事業内容だな。空港施設に関連して、テナント選定もそうだろうし、清掃業務、管理業務等その他の分野でも独占的に受注する公益法人等が貪ってきたんじゃないか、と思う。こういう仕組みを延々と続けてきたのは、霞ヶ関とそこから暖簾別けした公団と、さらにそこに惑星が回るように群がっている公益法人等があったのさ。この仕組みは省庁を問わず、大体同じ。こういう連中に金を流し込むのを止める以外にないし、手を切っていくしかない。


今回の成田空港談合事件は、そういう部分への本気の追い込みの意味がある。役人天国を終わらせるしかないのだ。今後特別会計の改革でも、こうした不要組織の淘汰が進められるはずだ。資金源(特別会計や一般会計からの予算供給)を元から断てば、腐れ組織は生き延びたりは出来ないだろう。


改革の手は「空港」へと着実に迫ってきた、ということだ。橋梁談合に続いて、明確な「GOサイン」が出ました、ってことだ(参考記事:橋梁談合事件と「けじめの時代」)。それが成田談合摘発という意味なのだ。