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『香具師奥義書』が出典?~表現はどこまで解説すべきか

2008年10月25日 18時54分53秒 | 俺のそれ
日経ネット Plus に次のような見出しを発見。


○「虎の穴」 知らない世代も…

「虎の穴」という言葉を知っていますか。すぐに意味や由来を答えられる人もいると思いますが、世代によってはなじみのない場合もあります。辞書にも見られない表現だけに、使い方に工夫が必要ではないでしょうか。

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登録していないので、私にはこの記事の中身を読むことができないのですが、思うところを書いてみたいと思います。

確かに辞書に見られない表現を用いることはありますが、それを解説してあげることは必要なのでしょうか?
文学においても、何の解説や注もなく唐突に用いられる表現や語というのは、珍しくもないように思えますが、いかがでしょうか。


「虎の穴」を使ったのは、たれあろうわたくしなのでございます(笑)。

コレね>何故米国はテロに狙われねばならないか

恐らく「虎の穴」なんていう表現を用いてブログを書いているのは、私くらいなものかもしれません(調べてないけど)。
ひょっとして、日経ネットプラスのライターの方?が拙ブログ記事をお読みになったのかもしれません。もしもそうであるなら、御礼申し上げます。と言いますか、単純に嬉しく思います。

で、問題の記事を読んだ時に、ライター若しくは記者の方が、「虎の穴って見かけないけど、一体何だろう?」と疑問に思われたのかもしれません。それなら多分、私の世代よりも随分とお若い方ではなかろうか、と推測します。ウチの子にも、しょっちゅう「元ネタが判らん」という指摘を受けますので、ジェネレーション・ギャップは常日頃から認識しておりますし(笑)。何かのギャグやパロディというのは、元ネタを知らない人には何が引っ掛かっているのかが伝わらない、ということですね。


あまりよい例が思い浮かびませんが(その時々の場面でしか使わないので思い出せない)、こんな感じかな。

「この一件は、結局不倫だったんですって」
「そりゃ、『ヒトの花嫁』だな(笑)」

まるでヘンなんですけどご容赦を。
ここで何が笑いなのかが伝わらない、ということですね。元ネタとして『瀬戸の花嫁』という歌唱を知っているかどうかなので、瀬戸とヒトの音が引っ掛かっているわけですが、歌を知らないと別に何がどうということもないわけです。そういうことです。歌ネタだと、こんなのとか。

「私、ゴルフ始めたの。今度、彼とクラブを買いに行くのよ」
「へえー、そうなんだ。彼は上手いの?」
「まあまあね。でも左利きだから、専用クラブなんですって」
「はあ~、私の彼は左利き、ってか(笑)」
(※浅丘めぐみの「私の彼は左利き」から)
・・・・・・・・・・・・
「これ、黒板に書いたの誰?」
「それはせんせーい(先生)~」
(※森昌子の「先生」の調子で)

つまんないね。ゴメンね。オヤジだから…。

これに類するのを、我が家で用いると我が子に「元ネタが判らん」と言われるんです。


話が飛んでしまいましたが、読み手に直ぐに判らないような「ネタ」を入れておくのが果たしてどうなんだろうか、という問題ですけれども、これはまあいいんじゃないでしょうか。

映画なんかでも、そういうことはよくあるんじゃないでしょうか。
昔、ラリー・キングが映画に登場したシーンで、「恐らく有名なアナウンサーなんだろうな」と思ったことがあったが(久米宏みたいな)、その後に著名なキャスターだかアンカーマンだということを知るに至った。CNNなんて日本では一般的に放送されていなかったから、最初は誰なのかまるで判らなかったですよ。幾度か見慣れてくると、ああ、あの人だなって判るだけだもんね。
日本映画でも、3流芸能リポーターだのちょっとしたアナウンサーだの、実在の人物を登場させたりすることがあるけれど、あれも当人を知らない人にとっては特に意味はないよね。


外国小説でも、同じようなものではないかな。そこの国民には判る用語や表現であっても、日本人には極めて馴染みが薄いので「訳者注」とかになっていることがある。古典的な作品であれば、そういうのさえも入っていないことがある。なので、知らない語が敢えて用いられていたら、自分で調べてみるといいんじゃないでしょうか。因みに、「虎の穴」をググると焼肉、ラーメン屋、デリヘルなど、関係のないものが多く存在してるようで(笑、各自で実行してみてください)、元ネタが判り難いことは確かかもしれない。そういう場合もある。
これも勉強だと思って頂戴ね、と。


世代のギャップがある用法の例を、全くの適当に書いてみよう。

①スパルタ
「ウチの会社の研修は~~でさあ…」
「そりゃ、スパルタだわww」

②ターミネーター
「彼女は何度失敗して部長に怒られても平気みたいよ」
「まるで…ターミネーターじゃん」

③ブント
「”○○○母親の会”って何の役にも立たないのに、参加しろってウルサイのよ」
「ブントかよw」

私自身、滅多に用いないものばかりですが、何となく、ということで。
特に、ブントなんて全く関係なし、でした。興味もなし。でも、昔には日本で流行ったらしいです。ブントという「文字列」は見かけたことがありましたので、何となく知ったというだけですね。


他には、宗教的意味合いの濃いものがあるかな。
「ユダか!」とか言う場合には、裏切り者の代名詞っぽいイメージがあったりしますが、日本人全般的にそういう認識があるかどうかは判りません。ダイエットを頑張っていたりすると、「何?ラマダン?」とか言ったり(あんまり使わない?)。


出典が曖昧だったり、広く一般的ではないものであっても、それなりに楽しい場合だってあるじゃありませんか。

国会においてでさえ、
「えー、『ガセ』とは偽物、まやかしのことをいう俗語でありまして、『ネタ』とは「たね」を逆さに読んだ隠語で証拠や材料を意味する言葉であります…」
みたいに総理が答弁したんだからさ(笑)。
(※実際には、このようには答弁しておりません。かつて小泉総理が「ガセネタメール事件」の渦中にあった時に、国会で「ガセネタとは何ですか、ガセネタとは。これは一体どういう意味ですか!!」みたいに既に辞職した民主党議員から詰め寄られた際、辞書から引いたまんまを、掌に隠し持ったメモを見ながら答弁したのは本当です。早い話が、質問した議員さんをおちょくったのでした。)


因みに、「ネタ」というのは「種」の倒語と言われており、『香具師奥義書』(←これ、マジみたいだよ、笑)に書かれていたみたいですよ。
ホラ>香具師奥義書 - Google 検索

ところで、「オヨヨ書林」って、本物?何かのイタズラですか?(笑)
ま、いいか。
図書館の蔵書目録にもあるみたいだし。
(結構高いぞ、古書の値段が)

で、元は寿司の「種」みたいな用法だったのが、隠語的に「ネタ」ということになり逆転して用いられていたようだ。そうした隠語は香具師にも拡散し、「ガセネタ」のように用いられるようになったのではないか、というようなことです。

しかし、香具師に奥義書まであったとは知らなかったなあ(笑)。
「香具師奥義書」に書いてあるのを見よ、とか使えるかも~


今後、新入社員にマニュアル等講義資料を配布する時に、
 「てへへ、『虎の巻』だよ」
とか言ってあげると、
「うおぉぉ、新鮮だー!」となるかもしれないですよ(笑)。